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さて今日のニュースは

原発の寿命に基準を

2011-09-05 09:43:40 | Weblog
細野環境相兼原発事故担当相は原発の寿命に対する定義や基準を新たに設ける考えを明らかにした。

原子力安全庁が是までの経産省管轄から環境庁管轄に変更になったので今回の発言となった様だ。

まず日本の原発の現状を見てみたいと思います。

現在日本の10電力会社の電力総供給高は年間1兆362億KWと言われて居ます。

その凡そ20~30%を原子力発電に頼って居ます。
現在54基の原発による発電能力は4885万KW時と言われて居ます。

54基の原発炉は東海原発のガス冷却炉1基を除き全て軽水炉です。

軽水炉はその内30基が沸騰水型原子炉で、後の23基が加圧水型原子炉となっています。

原子炉は30~40年の耐用期限で設計されていますが、法的寿命は規定されて居ません。

充分に管理して運転すれば60年間運転可能と電力会社は見解を述べて居ます。

現在40年経過の原子炉は敦賀1基。美原1基。福島第1が1基で計3基あります。
また30~40年経過の原子炉が16基あります。

日本では、2年毎に原子炉を停止して定期検査を行い是まで運転してきました。

世界には現在原子炉が30ケ国で432基あって平均では22年が寿命となっています。

日本の基本的基準は一律的に40年経過した原発は停止する。

その後新しい寿命50年の原子炉を稼働させる。
原子炉は一律130万KW時とするとなっていました。

これが今度見直される事となります。

一応2050年までには段階的に新しいエネルギーに移行し原発を無くすと言う構想です。

タダ2050年の日本の電力需要は年間1兆3000億KWと予想され果たして其れを
賄う新しいエネルギーが活用出来るかです。

現在の原発はCO2を出さないクリーンエネルギーで、比較的発電コストも安く大量に電力
を創り出す事が出来ます。

是に対して化石燃料を燃焼させて得る電力は、地球資源の枯渇問題やCO2排出で環境問題に
大きな瑕疵があります。

今注目の風力発電は建設費が高く破損し易く天候により安定した電力供給には疑問が残る。

又太陽熱発電も効率が悪く設備費や場所・天候に左右され安定した供給には今イチです。

火力発電はコストがバカにならず、全面的に石油・天然ガスに頼る我国は燃料確保と支払い額
が年々厳しくなって来て居ます。

現在10電力会社の原発依存度はゼロの沖縄電力。中部電力15%。東電23%。北海道40%
九電41%。関西電48%等となっています。

世界的に米国の年間総電力3兆8037億KWの原発が占める割合と、ドイツ5524億KW
フランス5066億KWに於ける原発の占める割合から、どちらが簡単に脱原発宣言出来るか、
予想出来ます。

米国や日本の様に原発にドップリ浸かって居る國は仲々理屈では簡単でも現実が大変難しい。

下手をするとその國産業や国民生活を壊してしまう可能性がある。

現在脱原発を叫ぶ人は原発の危険性を表に出して敢えて現実に目を瞑って居ます。

地震国の日本に原発は余りにも危険すぎる事は百も承知ですが、敢えて其れを選ばねばならぬ現実を
無視する事は感心出来ません。

譬え何万分の一でも危険性があれば廃止するのが確かに理想ですが、より安全に使いこなす事も
又人間たる所以ではないか?

そう言った意味では原発寿命基準の見直しは大変進歩した考えと歓迎します。