リチャード・マシスン/尾之上浩司訳 二〇一〇年 ハヤカワ文庫版
これは先月末ころに見つけた中古の文庫、わりとすぐ読んだ。
古本売ってる場所にいくと、マシスンの文庫とかないかなってのは常に問題意識にあって、とりあえず探すことにしてる。
これも棚に並ぶ文庫の背の著者名を目で追ってったら、たまたま見っけた、こんな書名の本があるなんて知らなかった。
二、三枚ページめくって長篇らしいんで、短篇はおもしろいけど長篇はそんなでもないよなって印象あってやや躊躇したが、まあ読んでみることにした。
主人公は46歳のテレビ脚本家デイヴィッド・クーパーと42歳の妻エレン、二人は結婚して21年なんだけど、娘がまもなく出産するので祖父母になるところ。
夫エレンの浮気が原因で夫婦仲は壊滅的になってたんだけど、なんとか関係修復しようと、ハネムーンときに来たビーチの別荘に二人で休暇に来た。
ところがエレンのいないときに、若い美女マリアンナが訪れてきて、デイヴィッドはさそわれるがままに搔き立てられた欲望に従って行動しちゃう、なにやってんのぉ、って感じだ。
すると地元に住む六十代がらみの女性が、妻エレンの留守中にデイヴィッドを玄関に訪ねてきて訊いた。
「さて、あなたは幽霊をもう見た?」
すっとぼけるデイヴィッドに対して、なにやら事情に詳しそうな女性は、ここから立ち去ったほうがいいと言う。
なんか信じらんなくて素直にきかないデイヴィッドは、さすがにヤバいかもしれないと気づいたときにはもう遅く、さらに深刻な事態に陥ってくんだが。
なんかなー、なんだそりゃ、って感じなんだよね、リアルな肉体もってあらわれる幽霊いる前提で、なんでもありだから。
怖いってんでもなくスリリングってわけでもない、気味のわるさとかがなくて、正直あまり出来がよいようには思えない、マシスンっていうと期待しちゃう私としては。
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