先崎学 平成19年 日本将棋連盟
将棋の本ぢゃない将棋指しの本といえば、やっぱ先チャンか。
これは、週刊文春で連載中の『浮いたり沈んだり』から60篇を選んだもの、
このシリーズの単行本としては、「浮いたり沈んだり」、
「まわり将棋は技術だ」に次ぐ3冊め。
先チャンの文章が面白いのはもちろんだけど、
出てくる棋士たちの個性が魅力的なのも、毎度のこと。
例によって、いま名人戦で挑戦中の、郷田九段が登場するんだが、
梶山季之の小説を借りに来て、『赤いダイヤ』を読んだあと、
先チャンから、梶山が直木賞狙いで作風を変えて別の作品を書いた逸話をきき、
“赤いダイヤはいい小説だから、それでいいぢゃないか。
なんで賞ごときにそんなにこだわったんだ。
作家なら、いい小説かどうかは自分で分るだろう。
自分でいい小説だと思うものが書ければそれでいいぢゃないか”
と郷田九段は憤然という。あいかわらずカッコいい。
将棋指しは、いい将棋を指しても、結果が勝ち負けに分かれる、
負けたものには、その名局を制したという栄誉がないのが、悲しい。
(今回、郷田九段を応援中)
将棋の本ぢゃない将棋指しの本といえば、やっぱ先チャンか。
これは、週刊文春で連載中の『浮いたり沈んだり』から60篇を選んだもの、
このシリーズの単行本としては、「浮いたり沈んだり」、
「まわり将棋は技術だ」に次ぐ3冊め。
先チャンの文章が面白いのはもちろんだけど、
出てくる棋士たちの個性が魅力的なのも、毎度のこと。
例によって、いま名人戦で挑戦中の、郷田九段が登場するんだが、
梶山季之の小説を借りに来て、『赤いダイヤ』を読んだあと、
先チャンから、梶山が直木賞狙いで作風を変えて別の作品を書いた逸話をきき、
“赤いダイヤはいい小説だから、それでいいぢゃないか。
なんで賞ごときにそんなにこだわったんだ。
作家なら、いい小説かどうかは自分で分るだろう。
自分でいい小説だと思うものが書ければそれでいいぢゃないか”
と郷田九段は憤然という。あいかわらずカッコいい。
将棋指しは、いい将棋を指しても、結果が勝ち負けに分かれる、
負けたものには、その名局を制したという栄誉がないのが、悲しい。
(今回、郷田九段を応援中)