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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

山手線内回りのゲリラ

2009-05-22 21:57:35 | 読んだ本
先崎学 平成19年 日本将棋連盟
将棋の本ぢゃない将棋指しの本といえば、やっぱ先チャンか。
これは、週刊文春で連載中の『浮いたり沈んだり』から60篇を選んだもの、
このシリーズの単行本としては、「浮いたり沈んだり」、
「まわり将棋は技術だ」に次ぐ3冊め。

先チャンの文章が面白いのはもちろんだけど、
出てくる棋士たちの個性が魅力的なのも、毎度のこと。

例によって、いま名人戦で挑戦中の、郷田九段が登場するんだが、
梶山季之の小説を借りに来て、『赤いダイヤ』を読んだあと、
先チャンから、梶山が直木賞狙いで作風を変えて別の作品を書いた逸話をきき、
“赤いダイヤはいい小説だから、それでいいぢゃないか。
 なんで賞ごときにそんなにこだわったんだ。
 作家なら、いい小説かどうかは自分で分るだろう。
 自分でいい小説だと思うものが書ければそれでいいぢゃないか”
と郷田九段は憤然という。あいかわらずカッコいい。

将棋指しは、いい将棋を指しても、結果が勝ち負けに分かれる、
負けたものには、その名局を制したという栄誉がないのが、悲しい。
(今回、郷田九段を応援中)


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