many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

最強の競馬論

2009-06-02 21:43:17 | 読んだ本
森秀行 2003年 講談社現代新書
競馬の調教師が書いた新書本はいくつかあるけれど、これが一番おもしろいかもしれない。
走る馬をつくるにはどうこうとか、馬券を当てるにはどうしたらいいかとか、そんなことは書いてない。
調教師というビジネスで、仕事の目的である賞金をかせぐために、こう考えているということを書いたみたい。
馬の良し悪しの指標は、自分の馬を見る判断力ぢゃなくて、売買価格というのもいい。しかも、自分の目よりも、馬の売買のプロたちの評価に任せたほうがいいというのが、冷めた感じで正直だ。
さらに、例として、1000万円の値段の馬10頭より、5000万円の馬2頭を買った方がいいと言っている。厩舎の預託料が月60万として、年間700万、10頭の馬を2年預けたら1億4千万、それと1000万の馬10頭の値段の1億を足して、そのクラスの値段の馬で合計2億4千万を回収するのは現実として難しい。5000万の馬を、2歳から5歳まで4年預けて預託料が3000万として、馬代金と合計の8000万を回収するのに、賞金1億を稼ぐことはかなりの確率でできるという。
値段の安い馬で一発を狙うのは効率が悪いと言い切るが、それは事実なんだろう。よく小さい牧場とか、血統のパッとしない安い馬の夢みたいなことを言うひといるけど、ビジネスはそういう危なっかしいギャンブルぢゃいけないと思う。

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羊をめぐる冒険

2009-06-01 22:44:48 | 好きな本
村上春樹 昭和60年 講談社文庫版
新作の『1Q84』を読んでいたら、『羊をめぐる冒険』のことが思い浮かんだんで。
『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』ときて、なんとなーく面白いなーと思ってた私が、本格的に村上春樹を面白いと思ったのは、これを読んだとき。
こういうタイプの小説は読んだことがなかったって言ったほうがいいだろうか。日本の小説って、リアルであろうとするようなとこがあったんだけど、これは想像力の賜物って感じ。あくまで私の個人的な感じだが。
この小説のラスト、けっこう好きです。その後も村上春樹作品についてまわる、喪失感って言われるみたいなもの、これを読むと激しく感じます。
読んだのは高校生んときだけど、20代前半くらいまでかな、しばらく言ってたなー、「ひつじ年の牡羊座で愛読書は『羊をめぐる冒険』です」って。

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