法輪寺は、斑鳩神社をさらに北東に行ったところにある。法輪寺の塔は、法隆寺、法起寺の塔とともに、斑鳩三塔とよばれているそうだ。
この法輪寺の塔は、幸田文さんらの努力で、再建されたものだ。違和感なく、当時の佇まいを残した姿で復活した。
私は、やはりこの建物(収蔵庫)の中にある仏像達に目を奪われた。十一面観音像や、薬師如来像など、飛鳥から平安にかけての素晴らしい仏像達が並んでいる。特に、薬師如来像は、止利仏師の作と表示されており、確かに作風は、法隆寺の釈迦三尊像と似ている。色も残されており、本当に飛鳥時代の作とすれば、すごいことである。ちょっと飛鳥時代の作にしては、新しすぎるようにも見えるのだが。
もともと法輪寺は、聖徳太子の病気平癒を祈願して、7世紀前半に建てられたものというから、その歴史もすごい。この一帯は、聖徳太子の匂いが濃厚なのだ。