
本書は、どこかの書評で見て、ゲット。
早速読んでみたが、なかなか画期的な内容になっている。
そもそも我々世代が、登呂遺跡とか、板付遺跡しか見つかっていないころに教育を受け、古代史は、縄文時代があって、弥生時代があって、古墳時代になってと習った。
その考えは、さまざまな遺跡の発掘により、完全に覆されているが、その最大のものは、この弥生時代の歴史が大きく古くなりそうなことだろう。
これは、発掘というより、科学の進展によるものだ。
この方法については、まだ様々な議論があり、100%正しいとは言えないと理解するが、500年も結果がぶれるものではなく、弥生時代の歴史が、大きく古くなったことは間違いない。
かつ、その定義も、土器で区別できるものではなく、米を中心とした農耕文化が行われていたか否かで、判断せざるを得ない。
さらに、かつ、地域によって、浸透の度合いに差が激しく、日本全体のことと論じるには、無理があるということもわかっている。
北海道、沖縄は元々、全然違う世界であるし、東北と、関東以西の様子もかなり違う。
そしてこれらの地域毎の歴史が、様々な発掘により、よりリアルに分かってきつつあるのである。
文字がない時代の話で、発掘でしかその進歩は望めないが、ここ50年で、画期的な進展がなされたことが、本書を読むと、よくわかる。