先週、金曜は、久し振りに、佐藤優さんの、講義を、聞いた。
その豊富な知識と、経験には、いつも、感心させられる。
もう、役所を離れてから、相当経つのに、情報収集を怠らず、本当に、ご立派だと思う。人相は悪いが。
話は、多岐に渡ったが、最後は、テロの話になった。
印象に残ったフレーズを、箇条書きで。
トランプは、結構深刻。FBI、CIAの組織防衛本能に火をつけた。ロシアへの情報提供は問題ないが、そのやり方が掟破りだったことが問題になっている。
田中眞紀子は、人間は、3種に分けられると言った。家族、使用人、敵だ。トランプと同じ?
インテリジェンスオフィサーの中で、違法なこともやる人をスパイと呼ぶ。
インテリジェンスは、4種に分類される。攻めるポジティブインテリジェンス、守るカウンターインテリジェンス、宣伝のプロパガンダ、謀略のコンスピラシー。
サードパーティルール(一定の情報の第三者への開示に仁義を切る)があり、トランプはそれを破った。
オープンソースや、ネットでかなりの情報が得られる。
市販の本にも、驚くべき情報が、書かれている。
ニューオータニや、洋書売り場にもインテリジェンスはたくさんいる。オークラは、CIAだらけ。
北朝鮮のサリンリスクを唱える人がいるが、サリンは、熱に弱い。この説は、その熱に弱いサリンを打ち上げるミサイル技術やサリンを開発したことを言っているのか、単に知識不足なのか。
アメリカは、戦争により自国民が傷つくことを恐れる。従い、韓国に20万人の自国民を抱えるアメリカが北朝鮮を攻撃することはありえない。
戦争になった場合、2日間で、ソウルで35万人の死者が出て、2ヶ月で勝利するが、300万人の死者が出るという試算がある。
朝鮮戦争は、停戦状況であるが、互いの武力攻撃のみを禁止しており、武器開発を制限していない。従い、現在の北朝鮮は、停戦条約違反ではない。
大陸間弾道ミサイル開発に成功した場合、日本は、打撃を受ける。なぜなら、日本が攻撃された場合、アメリカは、支援づらくなるからだ。支援をすると、本国が攻撃されるリスクを負う。
北朝鮮からの短波放送の最後には数字の読み上げがあり、これは、日本にいるスリーパーに対する暗号だ。原始的な暗号技術だが、解読は、ほぼ不可能。
大陸間弾道ミサイルに成功するには、誘導技術と金属開発とICティップが必要だが、現状まだ無理と考えられる。
中距離ミサイル実験のみ失敗するのは、アメリカに影響する技術のみを狙ったサイバー攻撃によるものである可能性が強い。
アメリカは、現在北朝鮮のパキスタン化を狙っている。戦術核→戦略核というもので、アメリカに届かない、核の保有を阻止しないということだ。
イスラエルには、カウンターテロリストセンターがあり、世界から人材を集めている。
その分析で、2020年の東京オリンピックが懸念されている。
テロは、知識レベルの高い人の革命運動であると最初に分析したのが、このセンターであり、東京オリンピックは、会場の入場に対する規制を二重にするなどしないと、標的になる可能性が高い。
自爆テロの定義は、実行者が確実に死ぬ(退路が不要、尋問なし)ことと、対象が非軍事施設であることの二点。
だから、同時多発テロでのペンタゴンへの突入は、テロではない(自爆攻撃)という説もある。
ツインタワーの映像が流れなくなったのは、キリスト、ユダヤ、イスラム教の元になっている旧約聖書のバベルの塔に例えられるリスクを避けるためである。
自爆テロには、一匹狼型、ローカルネットワーク型(家族、夫婦)、組織型がある。その中で、規模が大きくなるのは、組織型だ。一匹狼型や、ローカルネットワーク型は見つけにくいが、ネットに事前に声明を出すことがあり、ネットの強力な検索で発見できるケースがある。
組織型は、自殺志願者をごく短期間でテロに変えることができる。
某大学は、イスラム教の研究の最先端だが、テロリスト養成の温床になる可能性がある。
以下Q&Aコーナーで。
文科省のゴタゴタはレベルの低いけんか。政府と役所との対立は常にあるもので、それが、表に出ただけ。政府に対抗しようとした役所は、スキャンダルを握られて、押し切られたが、そのスキャンダルを公表されたため、反撃に出たと見るのが自然。
金正恩の最大のリスクは、痔と痛風による判断力の低下だ。本来、頭脳は明晰な人物である。
カタールの話は、イラン云々ではなく、ISと戦いながら、裏で結託し、自国への攻撃が行われないようにしているカタールに対し、怒りが爆発したものだ。
日本が原発を続けるのは、将来、原爆が作れる能力を保持するためだ。原爆が作れて、作っていない国は、日本のみで、アメリカは、日本が原爆を作るのを極端に恐れている。
約束で、原爆を作る場合、アメリカからのウランの供給が止まるので、日本は、動けない。
北朝鮮は、ウランが自給できるので、立場が違う。
どれも、真実味のある話で、凄みを感じた。