今日は、久しぶりに渋谷アップリンクで、藤本さんの企画に参加。
豪華メンバーで、川原伸司さん、杉真理さん、松尾清憲さんと藤本さんの座談会形式。
このメンバーで、公開座談会の他、プライベートの飲み会もやっているとのことで、かなり深い内容の座談会だった。
なんせ、70年代から、日本のポップスを引っ張ってきた張本人達が、インサイダーな話を目一杯してくれるのだから。
話は、あまりにも多岐に渡るので、その中でも興味深かったエピソードを。
今回のサージェントペパーズの評価は、極めて高い。
当時、ビートルズは、モノ中心に作っていたから、ステレオ版の左右の分け方は、かなりいい加減。
それを、今回一番最初のトラックまで遡って、モノの出来を参考に、完璧なステレオ版を作り上げた(ちなみに音源は、予備テープの方が、使用回数が少ないため、音がいいそうだ)。
ボーカルの位置も、楽器の位置も、音程も変えている。
川原さんは、テンポの微妙なずれも、完璧に直したのでは?と、おっしゃっていた。
コーラスの凄さも、浮き彫りになった。
マーティン二世の貢献はすばらしい。
アウトテイク版も改めて、すばらしい発見が多数できる。
日本で、モノが出なかったのは、当時のレコード会社は、全て電気会社の傘下で、よりいいステレオを売りたいメーカーの意向があった。
ペットサウンズの影響は、明らか。当時のビートルズは、人気が落ち目になりかかるところで、次の方向感を定めかねていた。
サージェントペパーズが、たまたま世の中の流れのど真ん中にはまって、時代が経つにつれ、評価が上がっていったというのが正しい。
当初の評価は、それほど高いものだったとは言えない。
いえろーさぶまりん音頭は、大瀧詠一さんが、以前作っていたものを、もっと有名な曲で、ということで、できた企画。
最初、山田邦子を予定していたが、大御所に歌わせないとということになり、金沢明子になったという。
ピンクレディのペッパー警部は、元々は、サージェントペッパーという題名の曲だったが、日本人にわかりにくいということで、題名を変更したのだという。
歌詞は、昔のおまわりさんの歌の、リメーク。
これの仕掛け人も、川原さん。
すごい人だ。
最後は、サージェントペパーにペニーレインと、ストロベリーフィールズを入れて、2曲抜くとしたらどういう曲を選ぶかという企画。
ばらつきはあるものの、ポールの曲が多いので、その辺が入れ替わられる候補になった。
ホワイトアルバムを1枚にしたら?という企画もあったが、これは、結構、意見がまとまった。
ということは、アウトテイク集が今のように気軽に世に出せる時代だったら、1枚で出して、後はアウトテイクに回した方が、ますます評価が高くなったのかもしれない。
とにかく、プロ中のプロによるプロフェッショナルな座談会で、聴き応えがあった。