最近、刺さる本?が多くて困る。
本書もその内の1冊。
仏像が、美の対象として捉えられるようになったのは、明治以降。
その前は、信仰の対象でしかなかった。
そして、お寺の奥の方にいらして、なかなか見ることができなかった。
それが、西洋の美に対する考え方が流入し、仏像もその対象になるどころか、西洋のそれを上回ることがわかってきた。
そして、そのリストアップが始まり、秘仏の発掘が始まり、写真の撮影が始まり、博物館での展示が始まり、仏像に対する接し方が、明治以降大きく変わって来た。
寺院側もとまどいながらもその流れに付いていく。
その活気となったイベント、本、写真などが、テーマ毎に語られているのだが、それが、まさに私のイメージと合致。
最初のフェノロサ、岡倉の活躍、和辻さんの本、白洲さんの本、土門さんの写真、入江さんの写真。
先人達の努力によって、我々も仏像の美を感じることができる。
最後はみうらじゅんさんの本まで。
まさにフェノロサからみうらさんまで、一気通貫で語ってくれる。
まだ実家に眠っている仏教関係美術本もあるので、本書片手に、仏像の美の発掘の歴史を体感したい。