かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

邪馬台国は「朱の王国」だった

2018年08月01日 | Books


とにかく古代史に関する本の発刊ラッシュだ。
本書は、宣伝で見つけたのだが、邪馬台国の場所の推理というよりも、「朱」と古代史との関連を紐付けながら、全体の流れを推理した本だ。

結構、目からウロコで、朱というのは、神社の朱色を思い出すが、水銀などの鉱物を密接な繋がりがあって、それが、政治の力と直結していたかもしれないということだ。
記紀や万葉集にも間接的には出てはくるが、直接前面には出てこないので、見落としがちだ。

ただ、丹とか、丹生とか、入という漢字が出てきた場合、そこが鉱山であり、権力者にとって、貴重な場所であったかもしれないと思った方がいいのかもしれない。
そして、それを繋げると、宇佐神社の大分から、奈良、そして伊勢へと繋がる。
それらの鉱物を掘削したいた時代の流れとも合致する。
さらなる検証は必要なものの、かなりの説得力を持つ。

秦の始皇帝のお墓には、水銀の川が埋められているという話を聞いたことがあったが、水銀は当時から貴重なもので、朱と表裏一体の関係にあった。
鍍金を作る際にも必要で、水銀・朱は、権力を持つものの必需品だったらしい。
同じ赤でも、ベンガラは、酸化鉄で、希少性が全く違う。

単なる机上の論理ではなく、足で稼いだ情報もふんだんに盛り込まれていて、面白い。

古代史ファンには、是非お勧めしたい1冊。

コメント
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