かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

KSさんの話

2008年01月12日 | China・Mongolia



BSで、先週から30回シリーズで、敦煌莫高窟の番組が始まっている。一回10分で、一窟づつ紹介する番組だが、全部で、300分になるから、今までの莫高窟の映像の中では、一番充実したものになるはずだ。まだ、5回のみだが、すでに、そのすばらしさを感じている。ナレーションは、敦煌の映画で主演した佐藤浩一さん。
実物はもちろん凄いのだが、時間をそんなにかけて見られないし、何せ、暗い。懐中電灯は、持っていったのだが。
説明付で(かつ照明付で)、ポイントを隅々まで見れるこの番組は、NHKならではと思う。

NHKといえば、紅白の司会もしてらっしゃった元アナウンサーで、頭が光っているKSさんの話を聞く機会があった。

元々両国の国技館の裏で育った江戸っ子だが、東京大空襲で家を失った後、青森の弘前の高校に入学し寮長となり、勉強そっちのけで寮生の食料調達に奔走。阿部次郎さんを慕って、東北大学に進学し西洋美術専攻後、NHKをアナウンサーとして勤め上げ、ここ20年は、熊本県立劇場の館長や、青森の図書館の館長をしていらっしゃる。
80近いご年齢だが、いたってお元気。頭の回転も、昔と全然変わってらっしゃらない。
弘前時代に、静けさについての価値を見出されたとのことで、退職後、実践に移された訳だ。

やはり、この世代の方々は、戦争への憎しみがとりわけ強い。大学時代、学徒出陣していく先輩方に対し、阿部名誉教授が、特高のいる前で、『君達の本分は、戦争でお国のために死ぬことではなく、学生として、学ぶことにより、国に尽くすことだ。』と述べたことに強い感銘を受けられたという。当たり前のことのようだが、当たり前のことを言えない世の中だった。

戦争を知らない子供達世代である私は、その意味が体ではわかっていないが、戦争が人権を損なう最大の悪事であることを、常に、理解しておかなくてはいけないと思う。軍隊は悪だが、一方暮らしを防衛する手段も必要な訳で、その境界をきっちり見極める必要がある。

日本国憲法が、アメリカからの押し付けだという議論がある。そうなのだろうが、押し付けられたのは、憲法だけではなく、戦後全てが、変わったのだ。天皇とマッカーサーが並んで撮った有名な写真があるが、その写真が新聞に載った1945年9月29日(撮影は、27日)が、日本国民に人権が認められた日だそうだ。戦前は、軍国主義の中にあって、国民の人権は、著しく制限されていたというか、ほとんど認められていなかった。

人権を有することは、つい当たり前のことと思ってしまうが、実は、ごく最近認められてきたものであり、能動的に守っていく必要がある。世界を見ても、人権が侵害されているケースが山ほどある。
まず、自分が何をできるか(人に迷惑をかけない)、そして自分が他人のために何ができるか(人のお世話をする)を考えよう。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« SWEET TORONTO | トップ | 鎌倉・江の島 七福神 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。