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売上=客数×客単価の基本式を経営に落とし込むと・・・?

2013-04-01 23:57:32 | 12期生のブログリレー

 12期生の山岡です。

 

 先週、機会を得て噂の飲食店「俺のイタリアン」に行ってきました。みなさんはこの店、ご存じですか?

 運営しているのはその名も「俺の株式会社」。いや、私の会社ではないんですけどね、なんてネタが聞こえてきそうですが。「俺の社長」はブックオフコーポレーションの創業者の坂本孝さんです。古書販売業界に続いて外食業界でも革命を起こすのか?と注目を集められています。

 先日の東洋経済でも特集記事が組まれていましたが、最近のYahooニュースビジネスでも記事になっていますね。

 

 http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130311-00008819-president-nb

 

 「俺の」シリーズは「フレンチ」から始まり、「イタリアン」そして最近では「割烹」にまでバリエーションを広げているようですが、いずれもコンセプトは同じです。リンク先の記事が詳しいですが、ミシュランで星が付くレベルの記事を立ち飲みで安価に提供しようというユニークなコンセプトで店舗展開をしており、顧客の支持を得ているようです。

 私は「俺のイタリアン」の神谷町店に予約をとって行ったのですが、一か月前に予約を取ってようやく行けました。店の前には行列ができていました。週の中日の平日なのに。

 実際に、噂通りの味と価格でした。柔らかい牛肉やフォアグラなどの高級食材をふんだんに使った美味しい料理が驚くほど安価に提供されます。結婚式の披露宴でメインディッシュとして出されるような料理がせいぜい2,000円前後で楽しめて、大満足です。

 このやり方で本当に利益が取れるのか、と心配にもなりますが、そこは理にかなっています。

 顧客に料理を安く提供する代わりに、立ち飲み形態にすることで顧客の回転率を上げることで売上を確保しているようです。 売上高のもっとも基本的な式、「売上=客数×客単価」のうち、客単価は下げても客数を大幅に上げて、売上を取っているのですね。

 お店の席数には限りがある。そして顧客の胃袋にも限界がある。通常のフレンチやイタリアンであれば夕食時にせいぜい顧客が二回転してくれれば御の字というところでしょうが、そこを三回転、四回転させることができるところが強みですね。

 さらに食材は大量一括購買で安く仕入れ、顧客の回転率が上がればrほど原価率は下がる、という良いサイクルを回しているようです。特にフォアグラなどの仕入れの規模は大きいようです。

 ところで、「俺の」シリーズの店舗は銀座や新橋、恵比寿、そして神谷町などにありますが、池袋・新宿・渋谷にはありません。なぜでしょうか?

 「俺のイタリアン」のソムリエさんが答えを教えてくれました。「俺の」業態は、本物を知る大人にこそ受けると坂本社長は考えていらっしゃるようで、だからこそ「大人の街」にしか出店しないそうです。池袋・新宿・渋谷に出店して若者が多く来てしまうと、大人には敬遠されてしまうし、価格が安い他の飲食店との競争に巻き込まれてしまうから、ということです。

 本当に坂本社長がそのようなお考えをお持ちなのかどうかは確かめようもありませんが、少なくとも店に立つソムリエさんが坂本さんの経営哲学を自らの口で語る、ということに驚きを覚えました。従業員として非常に意識を高くお持ちだと思います。社長のビジョンが現場にまで共有されているということなのでしょう。

 これからも「俺の」シリーズは伸びていきそうですね。

 今度は「俺の割烹」に行ってみたいなあ。

 

山岡達也

コメント (1)
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