こんにちは、14期生の加藤敏幸です。
本日は、第5周目のブログリレーになります。
最後までお付き合いいただければ、幸いです。
本日は、2014年7月18日付け日経MJ(9面)より、「花王」を取り上げます。
■60~70代をターゲットにして、日用品の新たな売り方を小売業や生協などに提案する「むすめのススメ」。陳列棚の中央に置く「棚間情報ボード」が主要な販促物で、母と娘の会話形式でシニアに響くメッセージを届けて購入を促す。
■先行しヘアケア「セグレタ」で試したCFSコーポレーションの「ハックドラッグ」では、消費増税後の4月中旬からの1ヵ月間で60代以上の購入者数が前年同月比15%増、全世代でも9%増。
■コープさっぽろ(札幌市)も「クイックルワイパー 伸び縮み」で3月末から4月第1週のカタログで試し、買い上げ個数が13年12月比で60代以上は14倍、全世代も6倍。
60代後半ともなると、ほとんどの人(ITを使いこなすアクティブシニアは別ですが)は、情報取得手段がテレビや雑誌などの広告に限られます。その結果、新商品を買う勇気が出ず、「一度気に入ったブランドの日用品を選び続ける」傾向にあります。一方、「新商品を試したいという意欲」はあるのでしょうが、「試したいけど怖い」というジレンマにも陥っているはずです。
そんな時、男性であれば「息子」が頼りになりますよね。新しいIT関連機器、自動車、家電製品などについて、「お父さん、これ便利だよ」、と教えれば、本人もチャレンジしてみようという気になるでしょう。
主婦の関心の高い日用品については、娘がよく知っていますし頼りになりますよね。そこで花王は、「娘が母親に教える」、というスタイルで日用品の売り場を作ることにしたのでしょう。「むすめのススメ」というキャッチコピーも、消費者の警戒心を緩める効果がありそうです。施策といいキャッチコピーといい、さすが花王。秀逸だと思います。
よく「ターゲットは誰か」、については十分すぎるくらいに吟味を重ねて結論を出します。でも、「ターゲットは誰の薦めに弱いか」、ってなかなか考えませんよね。今回取り上げた事例は、ターゲットに意見を述べるキーマンを定めて、キーマンがターゲットに薦めたくなる情報を提供すると販売につながることを実証できた好例である、と思います。
「ターゲットの背中を押すキーマンにもしっかり情報提供しましょうね」、と助言できる経営コンサルタントを目指したいものです。