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実験で確認した、子どもの褒め方

2015-08-12 08:00:00 | OB生の近況報告・活動報告
堀江でございます。

先日の当ブログで、子どもを褒める事について書かれていました。私たちも子育て奮闘中の身、興味深く拝読しました。今回は「褒め方」に関連する話題から始めたいと思います。

近年、子どもを褒める時に重要なポイントが明らかになっています。能力や成功を褒めるのではなく、努力を褒める、ということです。努力を褒めると、より一生懸命取り組んで成功につながる。能力を褒め続けると、子どもは失敗を恐れるようになり、挑戦を避ける、結果的に成長を阻害する、ということです。褒めることが、子どもにとってマイナスになることもあるのです。

これは、教育学者グループによる大掛かりな実験で証明されています。小学校20校の生徒400人を対象に、2つのグループに分け、パズルを解かせる実験を行いました。パズルに成功した生徒に対し、片方のグループは「努力」を褒め、もう片方のグループは「優れた知能」を褒める。そうしながらパズルを3回解かせると、努力を褒めたグループは当初より30%達成率が向上しました。知能を褒めたグループは当初より20%達成率が低下しました。後者は難しいパズルに挑戦する意欲が低下したため、と考えられています。(「間違いだらけの子育て 子育ての常識を変える10の最新ルール」ポー・ブロンソン)

実験結果がありますから、提言に説得力がありますよね。

このように、近年、教育分野(発達心理学)では、様々な実証研究が進められています。1960年から1980年ごろに提唱された理論について、パソコンの普及を活かして、研究結果のネットワーク化、共有化を世界的に進め、効率的な検証が出来るようになったとのことです。その実証研究を基に、理論の見直しや入れかえが盛んに行われています。

子育の中で幼児教育のアドバイスを受ける際、今では否定されている古い理論を押し付けられることがあります。とても魅力的な提言であっても、「右脳が、左脳が、、、活性化が、、、」と説明されるとがっかりします。

経営にアドバイスする際も、実証結果がある提言はより説得力を持つはずです。一方で、実証で疑義が生じた理論の利用や、本来の目的とは異なる恣意的な解釈には慎重であるべきでしょう。例えば、「メラビアンの法則」の日本における誤用は今では広く知られるところになり、Wikipediaにすら同法則が「俗流解釈」であると断言されています。現況を理解し反映していかないと、自らの信用を毀損しかねません。

実証できなかった理論は全て間違っている、ということはありません。マズローの欲求階層説のように、1970年代に実証実験で否定されたにもかかわらず、今でも多用される概念もあります。ただし、「優れていてかつ実証された理論」と、「昔大流行したが、最近は否定されている理論」を分けて理解することは大切です。

さて、圧倒的に出来が悪い我が家の子供たち。褒め方はいらない。それよりも、一発で確実に効く、実戦的な叱り方を誰かご存知ないですか?
コメント (3)
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