事務局の大石泰弘です。
今回は、この週末に行われた「朗読コンサート」に出演者として参加するために、3か月間指導を受けた体験が、プロの演出家の仕事に導かれた体験であり、その哲学は経営コンサルタントにも通ずると思ったという話です。
7/8(土)と9(日)に宮崎絢子ボストレーニング教室の「朗読コンサート」がありました。総出演者は16名で、稼プロ!関係者では鴨志田塾長、大草講師、田本15期生、そして大石の4名が出演しました。稼プロ!OBの方々も多数ご来場いただき、猛暑の中3回の公演は総て満席で、お客様から絶賛のコメントをびっしり書き込んだアンケートを多数いただき、大成功に終わりました。
私がこのコンサートに参加してみようと思ったのは、「腹から声を出す」ということを、意識してできるようになりたいと思ったからです。結果的に少しできるようになったようです。なぜそう思うかというと、昨日の午後から足がつりそうになり、今朝は太ももが筋肉痛だからです。胸やのどはほとんど痛くありません。
3か月間の練習では、声の出し方だけでなく、様々なことを経験し、気づきを得ました。その中の一つは、演出家としてのプロの仕事を、出演者として導かれた体験を通じての気づきです。私が稼プロ!に入った理由の一つは、経営コンサルタントとしての哲学を磨くことでした。そして、今回の発表会のトレーニングを通じて、金をとる演出家のプロの態度は、経営者を指導するプロのコンサルタントと共通ではないかと感じたのです。
その哲学とは、経営者のレベルに応じて、経営者の個性に合った有効なアドバイスをし、手っ取り早くゴールに到達しようとする経営者の衝動を抑えながら、着実にステップアップさせて、経営を磨き上げていくことで稼ぐということ、そのために必要なスキルを徹底的に磨くということです。そして、私が出演者として体験したステップと心理変化は、まさに経営者の成長ステップを理解するための体験になるのではないかと思ったのです。
ここからは、そう思うようになった出来事と私の心境を羅列しますので、時間があったら読んでみてください。「・」が指導するプロの仕事、「:」が出演者として指導を受けた私が感じたことです。
・詩や童話を読み込んで、どう読むべきかを徹底的に研究する。
:初期にはよくわからなかったが、中盤以降、1行1行に込められた気持ちの変化を説明されて、初めて詩に込められた意味を理解
できたことがたくさんあった。
:残り3週間前の時点で、私のセリフだけを連続で先生に読んでいただき、ボイスレコーダーに録音して何度も聞いた。最初はイント
ネーションと大まかな強弱しかわからなかった。20回くらい聞いたところで、強弱や硬軟が織り込まれているところがわかるよう
になった。さらに20回くらい聞いたところで、確固たる一貫した人物像で読んでいることを感じるようになった。残り一週間で自分
はどういう人格をつくるのか、どうやってすくるのか焦った。
・出演者の個性と朗読の潜在能力を見極める
:終わってみると、どこを誰が読むのかということが巧みに計算されていて、人の声にはたっぷりと個性があり、その組み合わせには
妙味があることを実感した。
・現在の能力を見極められる
:「今のセリフは誰にも向かっていない」とか、本人も聴衆も気が付かないことを即座に見抜いて指摘されることが何度もあった。
・気合のたるみはすぐに見つけて強引に引き戻す。
:普段はおだやかでも、たるんだ態度を見つけると厳しく指導された。
・残った期間でどこまで引き出せるかを見積れる。
:残り期間を計算しながら必要な人には有料の特訓が追加された。
・最終ゴールを最初から見せると小手先のテクニックで表面的に達成しようとするので、段階的に今より一つ上の段を達成するよう
指導し、達成出来たら次の段を目指させる。それを繰り返す。
:初期は「大きな声を出せ」とか「腹から声を出せ」程度の指摘しかなかった。最後はさまざまな指摘をされた。
・残った期間で最大限の能力を引き出すために、夫々に合った指導をする。
:セリフだけをつなげてしゃべらしたり、動作をさせたり、ナレーションの部分を実演させるなど、リアルだけど芝居で、芝居だけど
嫌みのない動きを演じるよう、人や状況に応じてさまざまな指導があった。
・単に朗読だけでは料金に見合ったパフォーマンスができないと判断したら演技を入れて魅力を足す。
:本番2週間前から演技指導が一気にはいった。
・前日や当日にはよくやる失敗など的確なアドバイスをする。
:初日が終わったら休養と睡眠を促したり、3回公演の2回目が集中力を切らしやすいこ、3回目は慣れでやってしまいやすいので初心
に戻ることなど注意を受けた。
長々と読んでいただきありがとうございました。書きたいことは山ほどあるのですが、それはまた別の機会に。
今回は、私も含めて初出演が半分くらいでしたが、打ち上げはとても盛り上がりました。
最後になって申し訳ありません。このような機会に導いていただいた鴨志田塾長には本当に感謝しております。「本当なんだよ。おいしい練習。おいしい発表!」