17期の永井ゆうくんです。
最近読んだ本の話です。
「V字回復の経営」著書:三枝匡(第1刷 2006年4月1日)
上司からの課題図書です。(私の上司はたびたび、「この本知ってる?」から始まり、言葉巧みに、その本を読むことに誘導します)
本のテーマは不振事業の再建。
実際に行われた組織変革を題材に、企業再生の現場をストーリー仕立てに語ったものです。
「企業戦略の最大の敵は、組織内部の政治性である。(P.11)」
「ここで言う組織の政治性とは、(中略)性格もよい普通の社員が、危機感の欠如と変化への恐れから、新しい変革に背を向け、身の安全を図る(P.11)」
米国企業にはあまり見られない日本企業独特の問題(組織の衰退・腐敗)を真正面から捉え、それが実際にあられている様を具体的に示しています。
私自身の会社の現状に照らしながら読み進めていくと、思い当たる節があったり、実際に目の当たりにしたことがあったり、ハッとさせられたり…。
著者が過去にかかわった5社(いずれも東証一部上場企業ないし同等規模の会社)の事業改革を題材にしているため、作り話と一蹴できないものがあります。決して、他人事ではないのです。
このような前半戦から一転、後半戦では企業変革に突き進む様が、血の通ったドラマとして描かれます。
改革タスクフォース組成から、2泊3日の合宿。
限られて期間の中で朝夜休日問わず働き、アクションプランを深化させていく。
そして、社長へのプレゼン。受け入れられた時の安堵と達成感。改革を現場に落とし込み、実行へと移す。
事例研究という意味でも、多くの示唆を得られることでしょう。