東京都中小企業診断士協会中央支部認定!「稼げる ! プロコン育成塾」ブログ

東京都中小企業診断士協会中央支部認定マスターコース「稼げる!プロコン育成塾」のブログ。経営・ビジネスに役立つ情報を発信

コミュニケーションの重要性

2017-10-19 18:34:56 | 17期生のブログリレー

皆様、お疲れ様です。稼プロ!事務局清水です。

18日は情報をお届けできず大変失礼しました。

18日に発信する予定だったブログを投稿いたします。

前回のブログで青果店の活性化について記載しました。

今回はその続きです。

商店街において、存続を希望するお店が売上、利益をアップするにはどうすればよいか、店主やご家族と協議しました。

まずは繁盛していたころを思い出していただき、何が変わったかを分析して、外部要因と内部要因に整理しました。

話し合いの当初は、少子高齢化、大型店の進出、消費税の導入等、外部要因がやり玉に挙げられました。

しかし、それだけでは説明できない部分について深堀りしていくうちに、徐々にお店の問題にも言及していただけるようになりました。一度内部に目を向けるとそれぞれの思いが溢れ、多くの事象が挙がりました。

そして、なぜそれらが発生し、補正できずにいるのかを考えていくと、お店の経営において欠けているのが何なのか気づいていただくことができました。

 

このお店は、先代が高齢化によりほぼ引退状態の中、店主が現有メンバー(アルバイト含む)で運営しようとしています。そのため、全員が日々のオペレーションに追われ、お客様を引き付ける魅力あるお店作りに時間を使えていませんでした。

また、売上が落ちていくことにみなさん危機感を抱いているのですが、コミュニケーションできない状態に陥ってしまっているため、それぞれがバラバラな対応を行ってしまい、お店のコンセプトがゆらぎ、結果としてお客様からすると品ぞろえが不明確で、買いづらいお店になっていました。

そして、そのことにうすうす気づきながらも、建設的な意見交換ができず、年月を経ている状況でした。

今回の合同打ち合わせより前に、個別にお話を聞いていたのですが、その時はもっと家族間でお店に対する温度差があるのかと思っていました。しかし、実態は違っていて、皆さま、同程度の熱量を持っているにもかかわらず、コミュニケーションをとらないことによって、それぞれが勝手に相手の心境を判断してあきらめていたこともわかりました。

このお店は他社と差別化できる魅力ある商品と人材を今もお持ちですが、事業承継前に深刻な労働力不足に陥り、推進力を失ったことでお客様に良い部分が見えなくなってしまっています。

もちろん、外部環境も大きく変わっているので、昔のやり方に戻すだけでは元には戻せず、経験値に新たなアイデアを盛り込んで付加価値をつけて宣伝する必要があります。

また、労働力不足の解消には人件費上昇や育成時間の捻出を伴うため、慎重な対応が求められます。そのため、まずは補助金活用も視野に入れながら起爆剤になりうる対応を検討して、復活に向けて支援したいと思います。

あまり具体的には記載できませんが、コミュニケーションの重要性を再認識した一件でした。

 

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?

2017-10-19 07:06:24 | 17期生のブログリレー
こんにちは。稼プロ!17期の瀧澤です。

読書の秋だからか、本の紹介が増えていますね。
私は、荒井さんのブログを拝見して、『捨てられる銀行』や『西武信用金庫はお客様を絶対的に支援する』などを読みました。
お金の話ができる診断士を目指す私(本当ですよ)としては、大変勉強になります。
あ、ご紹介は秋ではなかったですね。
キャッチアップはやや遅めです。

本日は、私も本の紹介です。

山口周『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?~経営における「アート」と「サイエンス」~』光文社新書(2017年7月発行)

友人の紹介で興味を持った一冊、タイトル買いでもあります。

2016年11月、英国の経済紙フィナンシャルタイムズでは、いわゆる伝統的なビジネススクールへのMBA出願数が減る一方で、アートスクールや美術系大学によるエグゼクティブトレーニングに、多くのグローバル企業が幹部を送り込み始めている実態を報じている。
なぜ、世界のエリートは「美意識」を鍛えるのか?
彼らは極めて功利的な目的のために「美意識」を鍛えている。
これまでのような「分析」「論理」「理性」に軸足をおいた経営では、今日のように複雑で不安定な世界においてビジネスの舵取りはできない、ということをよくわかっているからである。

序章より抜粋

内容伝わりますでしょうか。。

本書における「美意識」の適用範囲は、プロダクトデザインや広告宣伝など、いわゆるクリエイティブの領域ではなく、
・従業員や取引先の心をつかみ、ワクワクさせるような「ビジョンの美意識」
・道徳や倫理に基づき、自分たちの行動を律するような「行動規範の美意識」
などを指しています。
単に見た目が美しいだけではなく、もっともっと広義の意味での、ビジネスにおける美意識なんですね。

そして、本題のなぜ「美意識」が鍛えられているか、についての考察として、
・多くの人が分析的・論理的な情報処理のスキルを身につけた結果、「正解のコモディティ化」が発生している
・システムの変化にルールの制定が追い付かない世界(旧ライブドアやDeNAの不祥事など)でクオリティの高い意思決定をするためには、「真・善・美」を判断するための「美意識」が求められる
などが述べられています。
「正解のコモディティ化」とは、言い得て妙だなと思います。

ちなみに、副題に~経営における「アート」と「サイエンス」~とありますが、本書では「アート」=「直感・感性」、「サイエンス」=「論理・理性」の意味で使われています。
仕事をしていると、やはり「サイエンス」の方が圧倒的に求められますよね。
ですが、昨今、多くの企業経営者は、コンサルタントではなく、デザイナーやクリエーターを相談相手に起用しているそうです。
何だかドキッとしませんか?
私たちのライバルは、もはや同業者ではないのかもしれません。
デザインと経営は本質的に「選択と集中」を行う点で共通している、というのが理由の一つなのだとか。

ただ、現実はいたって「サイエンス」な世界。
少なくとも、私の目の前に広がるのは「論理・理性」の海原です。
Appleのように、顧客ニーズ調査を一切せず、ジョブズの「アート」=「直感・感性」だけで押し切れるような企業はごく稀なのが実際のところでしょう。
でも、自分自身がコモディティ化しないためのヒントを、本書の視点で探ってみたい気がしました。

ひとまず、私も「美意識」を鍛えようと思っています。
余談ですが、この本、美意識を「なぜ」鍛えるかにフォーカスしていて、「どうやって」鍛えるかがあまり書いていないところも好きです。
主張が明確で、いいですね。
ひとまず、芸術の秋だし、上野の美術館にでも足を運んでみようかな。
そのありがちな発想が、すでに「サイエンス」寄りな気がしますけれど。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする