稼プロの関係者の皆様。18期の市原です。
現役塾生として、また広告業界シリーズ最後の投稿は、「数字」を取り上げます。
広告業界は右脳業界との印象を持つ方は多くいます。広告は時代を映す側面があり、そこに注目し右脳的な印象を受けるのでしょう。しかし、制作に様々な数字が飛び交う左脳業界です。そこから、広告はさまざまな数字が変換された結果、ともいえるのです。
最も身近な数字は視聴率です。視聴率のコンマ数%は、数十万人の視聴ポテンシャルを表しています。だからこそ、視聴率は業界通貨になるのです。ただし、見せることが目的ではありません。そこで、見たこと(認知率)から購買(購買率)まで、さまざまな指標で、運用・管理されます。もちろん、このような運用以前に、広告制作及び媒体計画も数字です。広告の企画は、調査等で生活者意識や行動を把握し、その中から市場性や攻略の糸口を探ることから始めます。ここで得られた気づきが、広告表現や媒体計画になり、みなさまの目に触れるのです。
広告制作に限らず、周辺業務でも数字は活用されています。
比較的多いものにモデル化があります。ある企業では顧客満足度を定点把握していたものの、その価値を評価しあぐねていました。そこで、満足度の改善による収益貢献を予測モデルで表し、顧客満足度の重要性を示したのです。ビックデータがバズワードになる10年以上前から、数万の調査データと顧客データベースにある契約履歴を紐づけていました。その他、変わった数字の活用として、確率シミュレーションがあります。ナンバーチャレンジのような、数字を選んで投票するキャンペーンの相談でした。公正に当選者を決めると当選総数が事前に確定できず、懸賞予算が組めないというものです。そこで、過去の類似キャンペーンで得られていた消費者の数字選好データを用い、仮想の当選番号を生成するシミュレーションから、確率的な予算幅を試算しました。これらの他にも、同僚は経済波及効果や通行量予測も行っていました。
このように、さまざまに数字を扱うことも広告会社の業務です。しかし、数字は広告に限らず、あらゆる業界で重視されます。これは数字がコミュニケーションツールであり、関係者の納得を作るからです。私は、広告会社では長くマーケティングに携わってきましたが、それは数字を分析・活用してきた期間でもあります。このマーケティングと数字を武器に、この先の診断士活動を行っていきます。
先日、稼プロでの全11回講義を終えました。塾長との実務補修の縁を大切にしたいとの思いから入塾し、一年で、「診る・書く・読む・聴く」の基本において、多くの気づきをいただきました。まだまだ実行に移せていないものは多くありますが、着実に整理・吸収していきます。稼プロ関係者のみなさま、Blogをご覧になられたみなさま、一年間ありがとうございました。