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サービス小売業における立地

2019-09-24 12:00:00 | 19期生のブログリレー

 第19期生 佐々木辰也です。

 台風による被害がおさまらないうちに、日を置かず台風が通過していきました。みなさん、そのような3連休をどのように過ごされましたでしょうか。


 さて、今年に入ってお知り合いになった小売業の経営者様から、来年から始める新業態がうまくいったら2店舗目の立地の検討も始めたいとのご相談が先日ありました。
 小売業は立地産業とよく言われます。立地がその店舗のビジネス活動や業績をかなりの割合で左右するからです。

 本格的にご相談がある前にはと思い、最近になって私は提案できる準備をしておくための再勉強や調査を始めました。

 

店舗立地を検討する際に考慮する事項は、一般的には概ね以下のとおりです。
(1)商業立地のタイプ
(2)商圏(規模、質)
(3)地理的要因、顧客誘導施設、店前通行量と導線
(4)認知性(周知、視認)、土地・建物構造
(5)競業状況
(6)商業集積、地名ブランド

 当然のことながら、これらの事項には立地の優劣を決めるセオリーがあります。
 たとえば、商業立地は取り扱う商品が最寄品/買回品/専門品のいづれかによって概ねきまってきます。地理的要因では、ロードサイド店舗でドライバー客向けだったなら、交差点ならば左側の「受け角」、カーブならば「右カーブのアウト側後半」が優れています。建物構造としては、既存店と均一商品を均一のオペレーションで提供するための店舗フォーマットが適用できるものが望まれます。
 今回のような2店舗目のケースは、ロードサイドで成功したならばロードサイド、商店街で成功したならば商店街といった成功要因を再展開できる立地が無難といわれています。

 これらの優劣は賃料の価格に影響するため、その市場ポテンシャルとの見合いになるので総合的な評価が必要になってきます。


 一般論もさることながら、ご相談企業の固有の事項も考慮する必要があります。
 当店の業種業態の特性や強みを活かせることや、既存店のもつ地域シェアを落とすことにならないようにすることも必要です。従業員のオペレーション負荷も考慮する必要があります。


 実際には机上ではなく、現地に足を運んで多面的・重層的に情報を入手します。そうしなければ潜んでいるかもしれない落とし穴に気づかない可能性があるからです。たとえば、期待していた時間帯に想定していた客層がいなかった、などの致命的なミスにならないようにしなくてはなりません。

 

 大手チェーン店が良い立地・商圏をおさえている状況で、中小企業がその特長を生かしてその地域で優位性を確保するための立地を確保するには、脳と身体で多くの汗をかく必要があると思っています。

 地域の生活者の購買をどのように捉えて、そこにアジャストしていくか。地域になくてなならないお店にどのようにしていくのか。立地に限らず、まだまだ乗り越えるべき課題はいくつもあります。

 今後とも、私は課題をお持ちの経営者様に伴走する診断士でありたいと思っています。

 

コメント (3)
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