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クライシスのリーダーシップ

2020-03-30 12:00:00 | 19期生のブログリレー
 稼プロ!事務局の佐々木です。こんにちは。新型コロナウイルスの急速な拡大は驚異的です。ちょうど1ヶ月前に稼プロ!2月講義の延期を決定した時は「この先数週間が重要」と言われていました。欧米や東京のこのような状態は想像できませんでしたね。
 
 不安や恐れが高まる毎日ですが、その中で新しいニーズや発見、評価の見直しに気付くことも多いです。私が最近注目している人は、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事です。この方は私がニューヨークに駐在していた2011年に知事に就任したのですが、人気があるとは言い難い人でした。お父さんもニューヨーク知事でしたが、当時はニューヨーク市長だったマイケル・ブルームバーグさん(先日民主党の大統領予備選から撤退)の方が圧倒的にプレゼンスが大きかったです。
 
 このクオモさん、2期連続で知事を務めていますが地元でもこれまで人気や評判は今ひとつだったそうです。ところがニューヨークで新型コロナウイルスが急拡大するなか評判が急上昇しています。毎日記者会見を行い、具体的なデータを示しながらの論理的かつ人間味溢れる説明は、人々の理解と共感を呼んでいるようです。経済や財政への悪影響を認めながら人命を最優先して外出禁止令などの厳しい措置を立て続けに行い、「不満や損害の責任をすべて自分に押し付けてくれ」と明言しています。もともとこのような強行な手法は”heavy-handed”と言われ、人気がない原因の一つだったそうですが、危機的状況の中では必要な特徴として再評価されています。9.11の後にそれまで不人気だったルディ・ジュリアーニ元市長がその後大統領選に出るほど評判が高まった背景にも似ているそうです。
 
 私は仕事柄アメリカのニュースをチェックする機会が多いのですが、クオモさんが「ちょっと違うな」と思ったのは3月中旬の記者会見を見た時でした。その頃はまだ日本をはじめ「今後数週間」を多くのリーダーが口にしていましたが、クオモさんは「数ヶ月に渡る問題であり、6-9ヶ月かかるかもしれない」と明言しました。彼の危機感溢れる説明に私も「そうなるかもしれない」と強く思い、緩みを見せていた国内の危機意識に警戒感を覚えました。ニューヨークはまだまだ拡大のピークを見通せない状況ですが、クオモ知事の会見は今や地元ではmust-see TVになっています。また彼は大統領選に出馬してませんが、民主党候補の勝利確率調査でバーニー・サンダース氏を超えて2位に浮上しました。明確・人間味・責任。クライシス最中のリーダーシップとしてとても参考になります。
コメント (3)
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