こんにちは。稼プロ!20期生のながいち!です。
はじめに
みなさんは、ネット通販で中古本を買いますか?
私は、人が線を引いた本を読むのは苦手なのですが、少し「冒険かな」と感じられる本の場合は、ネット通販で中古本を当たることが多いです。
よく利用するのは、多くの方と同様Amazonのマーケットプレイス。
何回も使うなかで、この半年間で2回、受け取った本の状態が悪く出品者に返品・返金をお願いしました。
今回のブログは、好対照な出品者(中小企業)のクレイム対応をとおして、一消費者として中古本のネット購入の難しさと、一診断士として中古本のネット販売の難しさを学んだ、という話です。
ご承知のとおり、Amazonの「コンディションガイドライン」(以下「ガイドライン」)では、中古品を状態のレベルにより、「ほぼ新品」「非常によい」「良い」「可」に4分類しています。
本に関する各コンディションの定義は、以下のとおりです。
【ほぼ新品】
ほとんど読まれた形跡がない完全な状態の商品。カバー、ページに書き込みや折り目などがない商品。
【非常に良い】
使用されているが、非常にきれいな状態の商品。ページも完全な状態で、書き込みや線引きがない商品。背表紙にも傷がない商品。
【良い】
使用されていても、きれいな状態の商品。ページとカバーが完全な状態で、背表紙に多少の傷が見られる商品。半分以下のページに書き込みや線引きがある商品。
【可】
文字が問題なく読める状態の商品。ページや表紙に傷などがなく、ページにはペンやマーカーでかなりの書き込みや線引きなどがあるが、文字が読める状態の商品。
恥ずかしながら、私は今までこの「ガイドライン」をきちんと読まず、定義を意識せずに購入し、返品・返金のお願いをしていました。
改めて定義を読みびっくりしたのは、「良い」の書き込みや線引きに対する許容範囲の広さです。
書込みが1ページだけでも、49%のページにあっても、同じ「良い」の評価!
ただ実際には、書込みがないか、あっても数か所だけの場合が多いというのが、私の経験則ではあるのですが。
2社のクレイム対応の違い
さて、返品・返金をお願いした2つのケースは次のとおりでした。
<A社の対応> 画像送付を求められた
注文した商品は、「ほぼ新品」と表示された商品です。
説明では、「帯あり。中古品であり新品とは異なります。商品保管の際に若干のスレがつくことがございます。」となっていました。
届いた商品は、外観も帯もきれいな美品。
しかし、本の後半のページに赤ペンの下線がたくさん引かれていました。
そこで、状態に関するコメントを付けてAmazonに返品希望を連絡したところ、出品者から次のような趣旨の連絡が来ました。
「返品を受け付けます。返送料はお客様持ちです。本の痛みが『ガイドライン』に反するというのであれば、画像を送付願います。確認が取れれば全額返金します。その場合は返送不要です。」
あらためて調べると255ページ中42ページに書込みがあり、写真にその旨を添えて出品者にメール。
4日ほど待たされた後、確認が取れたので返金すると回答がありました。
<B社の対応> 即返金の連絡あり
注文したのは、「良い」に分類された商品です。
説明には、「中古品のため商品は多少の日焼け・キズ・使用感がございます。記載ない限り帯・特典などは付属致しません。万が一、品質不備があった場合は返金対応致します。」との記載。
届いた商品は、外観はソコソコでしたが、中は蛍光ペンでのマーキングや書込みがあちこちのページにありました。
そこで、「205ページ中に80か所のマーキングがあった」とコメントし、返品・返金希望をAmazonに通知しました。
B社の反応は数時間後。
「商品に不備があり申し訳ございません。代品がありませんので返金します。商品の返送は不要です。」との趣旨のメールが届きました。
2件の不具合の発生はA社、B社の順です。
B社の回答が来た際には、A社に比べるとはるかに迅速で、購入者に手間をかけさせないクレイム対応に一消費者として感心しました。
2社の営業スタンスの違い
しかし、全ての点においてB社が優れているわけではありません。
2社の営業スタンスを総合的にとらえてみます。
<B社のスタンス> 効率重視、消極発信
B社は、私と1回メールのやり取りをすれば、本件が返金に応じる必要のある「ガイドライン」違反でないことが分かったはずです。
80か所以上の書込みがありましたが、実際は60ページ分で半分以下。
「良い」の範囲内です。
しかし、画像確認も、質問もなく返金に応じました。
おそらくB社は、「クレイムがあれば即返金」のマニュアルに沿って対応した、と想像します。
安価な商品のネット通販ゆえ、出品者評価が下がる対応は極力回避し、購入者との個別のやり取りに時間をかけないという行動原理が十分考えられるからです。
また、B社はAmazonサイト上の商品説明でも「効率的」に対応しています。
コンディション・レベルに拠らず、説明文は全く同じものを使用しています(内容は前述のとおり)。
よって、B社から得られる商品の状態に関する情報は、4種類のコンディション・レベルしかありません。
そのため、消費者はB社が「良い」と評価した商品にどれだけの書込みがありそうなのか、想像できない状態です。
「ガイドライン」と齟齬がある説明をすることで、消費者の混乱を避ける意図があるのかもしれませんが、情報発信に消極的な姿勢が目立つ結果となっています。
<A社のスタンス> 品質確保努力、積極発信
一方A社は、定型文ではありますが、コンディション・レベルごとに説明を加えています。
「良い」の説明は、次のとおりです。
「経年による使用感はありますが、特に大きな損傷や大きな汚れ等はなく、概ね良好です。全品検査していますが、見落としによる書込みや汚れ等ある場合があります。『ガイドライン』に明確に違反している場合には返金します。」
コンディションが「良い」のレベルでも、A社の基本的な検品基準は、書込み無し、汚れ無しであること発信しています。
また、返金に応じる基準が「ガイドライン」であることを明確にしています。
同じ本が、コンディション「良い」でA社とB社から出品され、同価格であった場合、購入したくなるのはどちらか?
やはり、品質確保の姿勢が分かり、多少なりとも発信する情報が多く明確な、A社の商品ではないでしょうか。
おわりに
ネットの中古本販売業として、費用対効果、信用の維持・向上の点から、A社、B社、どちらのやり方が優れているのかは、勉強不足、調査不足のため、いま結論づけることはできません。
両社とも現状「肯定的な評価」が95%以上で、マーケットプレイスの優良出品者です。
通常は、コンディションごとに問題のない商品を届け、「良い」コンディションの本も書込みは少ないのでは、と想像されます。
たまたま縁のあった出品者ですが、営業スタンスの違う両社の今後が気になるところです。
さて、B社の件があって以降、中古本をAmazonで買った場合は出品者評価をするようになりました。
中古本の出品者は、ほとんどが中小企業。
受け取った商品が良品であれ不具合品であれ、出品者を応援し育てるつもりで、適切に評価をフィードバックしようと考えています。
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