こんにちは。稼プロ!23 期生の種本淳利です。
突然ですが、昨晩の夕食は何にされたでしょうか?我が家は妻が所用で留守になったため、子供の習い事の帰り道にいつも見かけていたサイゼリヤに立ち寄って子供と夕食を済ませて帰る事にしました。
私が最後にサイゼリヤで食事をしたのは15年以上前、当時の食べたメニューで記憶に残っているものは、「小エビのサラダ」、「ミートソースボロニア風」、それに軽い飲み口の赤ワインなど。当時の記憶を呼び起こしながら店舗に向かうと、それらは有りました。当時は生まれていなかった子供たちと一緒に懐かしむ訳にも行きませんでしたが、隔世の感、タイムスリップしたような気持ちになりました。大人1名、子供2名で食事を済ませて会計をしようと金額を見ると、安い!サイゼリヤはリーズナブルなイタリア料理のお店ということで広く世間で認知されていますが、改めて自分がお金を払う身になって考えると、顧客に支持されたロングセラーメニューを長く維持し、低価格で提供し続ける企業の歴史と価格戦略を支えるコスト管理の神髄は何か、サイゼリヤという企業に興味を持ちました。
<株式会社サイゼリヤ>
埼玉県吉川市に本社を置く外食企業、イタリアン・チェーンレストラン。創業は1973年で創業者は正垣泰彦氏。関東、関西、中京地区を中心に800店舗以上を展開。海外でも30店舗以上を展開する。低価格帯のイタリアンメニューを取り揃え、若年層やファミリー層から支持を受ける。
サイゼリヤは創業以来、徹底した低価格路線で若年層やファミリー層を主なターゲットとしており、他社よりも安く優れたサービスを提供するために社内の様々な過程で効率化とシステム化を繰り返しています。経営学的、診断士的に言うと、コストリーダーシップ戦略をとっていると言えますが、その低価格路線を支えるものは具体的には何なのでしょうか。
① 福島県白河市に100万坪(!)の自社農場を保有。収穫直後の野菜は4℃で保管、新鮮な野菜はすぐに加工して店舗に配送できるようなコールドチェーンシステムを構築。各店舗では包丁を使用することがなく、少人数で調理が可能。
② メニュー数を抑え、広告費は殆どかけておらず、大幅なコストダウンを実現。
③ 全チェーン店の業務状況を細かく把握し、生産性向上を図るための専門部署を社内に設けており、店内清掃といった衛生面や調理の作業工程、更に野菜の保管温度まで、事業における様々な活動において数値目標を設けて管理されている。
生産・流通・販売などの全ての過程を自社で運営し、そのあらゆる過程で徹底的に効率化・システム化し、かつ継続的に改善を続けることで低価格を実現しており、外食産業界のレジェンド企業と呼べると思います。サイゼリヤの店内の清掃を、掃除機からフロアモップに切り替えたところ、清掃時間が1時間から30分に短縮したというレジェンド企業ならではの象徴的な事例もあるようです。
なお、サイゼリヤの名前の由来については、創業者の正垣氏が大学生の頃にアルバイト先のコックに洋食屋の素質があると言われた事をきっかけに、父親に千葉県市川市にあるフルーツパーラーを居抜きで購入してもらったとのことですが、そのフルーツパーラーの店名であったサイゼリヤをそのまま使用して創業したそうです。どの国の言葉でもなかったようですが、正垣氏は名前に拘っていなかったので、そのまま使ったそうです。剛毅な野武士のような起業家を想像してしまいます。子供に夕食をとらせながら、将来、正垣氏のような人物と出会ってエキサイティングなビジネスに携わる自分を夢想する一夜でした。