22期の常木です。前回のブログでは英検1級を受験するきっかけと1次試験直前までの準備を中心に書きました。勉強が進むにつれ、国際派診断士という意味でも、本国の上層部をどんどん巻き込んで仕事を進めるという意味でもやる意義はあると思うようになりました。後付けですが。そして、意味が通じるだけの英語は脱却し、「日本人だから少しゆっくり話してやろう」などと相手に気を遣わせずに仕事したいなとの考えにも突き動かされていました。完全に後付けですが。
10月8日(日)の1次試験。時間はギリギリでしたが、Reading、Listening、Writingとも合格者平均を大幅に上回る点数でクリア。ReadingとListeningに関しては、4択の女神が再び降臨致しました。ただ自分も進化しており、選択肢だけ見た段階で「これは絶対正解にはならないな」と判断し、いくつかの選択肢をあらかじめ消せるという、心眼にも似たスペシャルな能力が身についています。それができるようになると、正解率は確実に上がります。最近出版された「東大生が書いた英語試験の攻略本 TOEIC・TOEFL・英検を最短で突破する勉強法」(東大カルペ・ディエム、大和書房 2023)にも同じことが書いてありますが、断定的に書いてある選択肢はなるべく消して考えましょう~。
ただ、選択肢問題でないWriting(小論文)のお題は下記の通りで、かなり面喰いました。
Do social welfare programs help reduce inequality in society?
(社会福祉プログラムは、社会の不平等を減らす助けとなるのか)
はい、考えたこともございませんね。とりあえずYesの立場を取ったのですが、3つ書かねばいけない理由も1つしか思いつきません。最後の1つなんか、北欧の高福祉社会の国々の国民がいかに幸せに暮らしているか(本当に幸せなのか、本当に知らない)雄弁に述べておきました。
まぁ、そんな感じですが高得点で1次を突破しました。1次試験終了後からSpeakingの2次試験の準備を始めたのですが、11月23日(祝)の2次試験までにひと月半しかないのです。知ってはいましたが、いざとなるととても短い。ただ、5題の中から1問選択してスピーチすれば良いので、準備も戦略的に考えます。2次対策の参考書によると、分野別出題率は、政治・国際関係(18%)、経済・ビジネス(16%)、文化・スポーツ(14%)、科学技術(11%)、メディア(8%)、環境(7%)、教育(7%)・・なので、迷わず理系は捨てることに(笑)。
各分野について、過去問や参考書に書いてある問題について、あらかじめYes/Noの立場を決めて、自分の意見を持っておくことが大切です。例えば国際問題ならば、国連、食料危機、核の問題、国際間格差、先進国の役割、軍事行動の正当性等々の鉄板のお題から、想定される問題を考えて、1問1ページで論点をノートにまとめました。YouTubeに挙がっている合格者のビデオを見ると、それを100問分作った人もいて、いやな感じでした。私は時間的に全分野から50題検討するのが精いっぱい。ただ、このノートまとめは、広い分野に渡って深く考える良い機会を与えてくれました。試験が終わった今でも、理系分野についてやってみようかなとも思ったりします。やらないけどね。
さて試験当日。前回も書きましたが、入室して着席し、簡単な自己紹介が終わると、机の上に置いてあるカードを裏返すように促され、そこに5つの問題が。ここからストップウォッチがスタート。問題一つを選択、Yes/Noどちらの立場を取るかを決め、その立場を取る理由を2つばかり考えます。ここまでを1分でやります。そして、どのお題を選択したかを伝えたら、2分間のスピーチをおもむろに始めなければならないのです。
その5問が何だったかは定かな記憶がないのですが、自分は咄嗟の判断で国際問題は捨て、比較的答えやすそうな家庭の問題を選びました。確かこんな問題でした。
Agree or disagree: 両親が子供と過ごす時間は減ってきているか。
なんか答えやすそうじゃないですか?Agreeの立場を選択し、①親は忙しくなっている(共働き率などを根拠に)、②実は子供も忙しくなっている(少子化、一人にかかる期待と投資)という論拠を中心に2分間スピーチをしました。そこから質疑応答が5分程あって終了。体感的にはほんの一瞬の出来事でした。面接官の外人と日本人にプレゼンする気持ちで、頭をフル回転させて、とにかく喋りまくりました。稼プロでの場数はこういう時に生きてきます。
1次試験の合格率である10%に比べ、2次試験の合格率は65%で高めですが、母集団が違うので何とも言えません。あの強烈な1次を突破した集団でさえ、3割強落ちるのです。ドキドキです。合格していて欲しい。合否は分かりませんが、8月1日に勉強開始してから4か月弱、やり切った感だけは確実に残りました!