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『21世紀の資本』 “格差”を考える。

2015-03-16 22:51:40 | 14期生のブログリレー

皆様こんにちは、 14期生の中川です。

今日は少し固めに“格差”について考えてみたいと思います。

標記の本ですが、世界中で“新たな資本論”という評判を呼び、日本でもベストセラーになっています。拙宅でも私が、「面白そうだ!」と言ったところ、家内がプレゼントしてくれましたが、その分厚さ(700ページ余)に、半分冷汗、なかなか読み進めないでいます。

さて内容は、r(資本収益率)>g(経済成長率) という不等式により富の集中が起き、資本から得られる収益率が経済成長率を上回れば上回るほど、富は資本家に蓄積され、富が公平に分配されないことによって、社会や経済が不安定となるとし、この格差を是正するために、累進課税の富裕税を、それも世界的に導入することを提案している、というのが論旨のようです。

平たく言えば、低成長が続く今日、社会構造上、一部の金持ちだけがますます金持ちになり、それ以外の大多数との差はますます大きくなる、ということでしょうか。

この論旨に対して、世界中の経済学者を中心に一大ディベートが起きています。

しかしそもそも“格差”とは一体何でしょうか?

日本で考えると、太古から天皇や将軍をピラミッドの頂点とする階層構造が存在、江戸時代には“士農工商”という歴然とした身分制度が存在しました。明治以降も、華族、士族などの身分制度は存続、第二次大戦後以降初めて国民主権の憲法が制定され、有史以来、初めて国民主権が実現、国民は法の下で平等となりました。即ち第二次大戦前までは、生前から決まっている絶対的な“格差”が存在しましたが、我々の世代は過去のどの時代よりも“格差”のない平等の時代に生きていることになります。

それにも拘わらず、現在これだけ“格差”が声高に叫ばれているのは何故でしょうか?

ひとつには、自分自身の努力ではどうにもならない金銭的な格差(生まれながらの貧富の差)が拡大していること、いまひとつには、格差を受ける層の生活が以前に比べ苦しくなっており、またその比率も高まっていることかな、と思います。

敗戦で国民の殆どがゼロからの生活で、一生懸命働いて豊かさを徐々に体感していった“一億総中流”の昭和の時代は、日本全体が豊かさを体感していった為、多少の貧富の差などはあまり問題にはならなかったのでしょう。

ところが低成長時代に入り、r>gが顕在化し、一部の層だけが富む一方、大多数はなかなか豊かさを実感出来ない時代となったのだと思います。

アベノミクスに対する反論として、格差が拡大していることへの懸念や、“分厚い中間層”の復活を民主党等が主張していますが、一理ある主張だと思います。

格差は何時の時代にも存在し、格差を根絶することは非常に困難ながら、経済成長により大多数の国民がその恩恵を感じ、また格差が許容可能な範囲であれば、国として安定するでしょうし、安倍政権もそこを目指しているのかな、と思います。

また努力すれば多少の格差は克服出来る世の中であるべき、ということも重要なポイントだと思います。

上記を頭の隅に置きながら、頑張って『21世紀の資本』読もうと思います。

お付き合いいただき、有難うございました。

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聴く側に伝える

2015-03-16 21:00:08 | 14期生のブログリレー

14期生、木村洋一です。本日も、しばしお付き合いいただければ幸いです。

 

 以前にもブログに書かせていただきましたが、私は、JAZZビッグバンドのドラムを担当しています。

14日(土)は、10年ぶりのコンサートでした。ひさびさの新宿PIT INNで、けっこう緊張しましたが、

メンバーとの熱くスリリングな駆け引きは、楽しみながら演奏することができました。

 

 さて、前回の稼げる!プロコン育成塾は、 「声」 や 「プレゼン」 の講義でした。人に聴いていただく事の難しさを改めて実感しました。

ちょっと無理やりですが、今日は、人に聴いていただくという意味で、音楽の演奏、特にドラムのことをお話ししたいと思います。

 

 私のいるビッグバンドは17人~18人の編成で、ステージ上に並ぶと、そこそこの大所帯になります。端から端までのメンバーの距離は

10メートル近くになりますね。この距離や、各楽器の音が出て、伝わるメカニズムが、客席側の聴こえ方に、大きな影響を与えています。

 

 実は、ドラムの場所にいる私は、まわりのメンバーの音が、自分の叩いている音よりも、かなり後に遅れて鳴っているのを感じながら

プレイしています。つまり、自分のポジションでは、他のメンバーの音がズレているのです。

 どういうことかと言いますと、音の伝達速度は毎秒約340mで、わずか10mの距離でさえ、この音が伝わる速度のズレは発生します。

加えて、①各プレイヤーが息を吹き込んで音が出るまでの時間、②それがドラムの自分の場所に伝わるまでの時間、

③さらにその伝わった音を聴いて、自分の体が反応し、叩くまでの時間がかかります。これらの時間を合わせると、

かなりのタイミングのズレになります。このようなメカニズムを知らずにドラムを叩いた場合、自分はまわりの音とぴったり合っているつもりでも、

客席で聴いていると、ドラムが遅れて聴こえてくるのです。同じことは、ベースプレイヤーにも当てはまります。

 つまり、客席側で 「違和感なく自然に聴こえている」 という状況のステージ側では、ドラムや、ベースのプレイヤーは、

全く別な 「感覚」 を研ぎ澄ませてプレイしているわけです。

 

 尚、サックスや、トランペットのプレイヤーは、ドラムや、ベースの音を聴いて、それに合わせて演奏しています。

先ほどの理屈からすると、サックスや、トランペットは、音が遅れていることになります。しかし、こちらの遅れは全く問題ありません。

たとえるなら、カラオケで、感情をこめて歌うとき、わざとリズムより遅らせて歌うことはよくありますよね?このような場合、

聴いている側では、全く違和感が無いのと同じです。

 

 ややこしくなりましたが、普通このようなことは、一般の方々には、全く縁の無い世界ですね。ただ、私たちが講演やプレゼンをする時と、

音楽をプレイする時との共通点は、 「聴いていただいている方々が存在しないと成立しない」 ということです。

プレゼンも、音楽も、聴いていただいて、何かを感じていただかないと、声や音を出している意味がありません。

私もドラムを叩く時、いつも気にかけていることは、 「自分がどんな音を出したいか」 ではなく、 「どのように聴こえているか」 です。

この気持ちは、プレゼンでも同じだと思います。

 

 いろいろと書きましたが、木村は、ステージ上で、とんでもなく難しいことをやっていると、受け取られたかもしれません。

でも実は、私自身、このようなスリリングな音のズレを、楽しみながらプレイしています。

だって、自分がこのバンドをリードして引っ張っていることを、一番実感できる瞬間ですから・・・・・。

 本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

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