Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

トラック用 ペダルと レーサーシューズ

2017-02-27 20:02:29 | 自転車部品・用品
最近はペダルと言えばメーカーを問わずビンディング機能を持った物が多数を締めていますが
まだトラック競技では従来のペダルとシューズを使っている選手も居ます





自転車のペダルと言えば本体の前後にプレートが付いたこの様な物が使われていました
これはトラックだけでは無くロードレーサーも同じです これから現在主流になっている
ビンディングタイプに変って行きました




この様な形状のペダルにはそれ専用のシューズを
使用します




靴が専用と言うより正確には靴の底に装着する
シューズプレートと言う桟(さん)が現在の
クリートと呼ばれている物と異なります






この黄色い物がシューズプレートです 私達も桟(さん)
と呼びましたが 競輪選手の人達は良くそう呼んでいます






ペダルに装着されたトウクリップに靴を入れ
桟はペダルのプレートにハメ込みます








ペダルのプレートと桟がしっかりと入った状態です





この後トウストラップ(クリップバンド)を締めて
走行します これは比較的新しい靴で GAERNE の
KEIRIN と言う名のシューズです 新しいと言っても
10年以上は経っています





日本の競輪競走では今でもこのタイプを使います ペダルの外に外環が付いた物は
クイルペダルと呼びロード用とされて来ました 今回紹介した物はトラック用ペダルで
通用するでしょう、ただこれを好んでロードに使う選手もおり私もその一人です

試合中は一旦締めたストラップを緩める事はまず有りませんがロード練習では
信号で止まる度にストラップを緩め 走りだ出すとクリップに靴を入れ再度
ストラップを締めると言う作業を一日何度も行います





このペダルでスタンディングスタートをする時に 足(足の甲)を真上に引き上げると
シューズプレートがペダルから外れます それを回避する為にはやや踵を立てて
ペダルを捕まえる様に引き足を使います ビンディングペダルでも速いスタートを
する為には必要なペダリングですね

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Campagnolo ピスト用鉄ペダル グリスアップ

2017-02-25 20:23:05 | 自転車整備 ペダル
前回キャップが割れて交換する為に分解した Campagnolo RECORD ピスト用鉄ペダルの
グリスアップを行います 製造から相当年数が経っていますがとても調子の良いペダルです





自転車の保管中にペダルのキャップが割れて取れてしまいました
本体に残ったネジを取り外す為に分解した Campagnolo RECORD Piste Pedal
50年程前の鉄ペダルです これのグリスアップを行いましょう




各パーツは前回洗浄して綺麗になっていますす






使うグリスは当時物のカンパグリスを使います
これも製造中止になって長くなり私の在庫も残り
わずかです 今はこれより優れたグリスは幾らでも
有りますが オールドカンパにはこのグリスを
使ってやりたいです






ペダル本体のボールレース(玉受け)にグリスを
入れます






小指を使いグリスを入れて行きます こちらは
クランク側です






表側にもグリスを入れました この段階ではスチールボールが
並べられる程度で良いですね 量は後で調整出来ます








ペダルのシャフトにも薄く塗っておきます 前回にも触れましたが
部品を長く使う為の一つの方法です 主な目的は防錆です






このペダルに使われているボールは 呼び径 5/32
直径 3.9688mm が 1ヶ所に 12個使われています





そのボールを並べ終えました とても綺麗なボールです この当時の国産の物と比べると
国産のやや濁った光沢と このカンパの光沢とは全く別物で、それだけでカンパの精度の
高さを窺う事が出来ました 今でも充分通用する鋼球だと思います






少しグリスを足しておきます この時代の部品は
グリスの量は有る程度多目の方が良いと最近
思い始めています これは特に水対策としてです
グリスの内圧で水の浸入を防いでいた一面も
有ったのではないでしょうか






表側のボールも並べました






シャフトを差し込みます




ここに回転部分のパーツを組んで行きます






まずコーン(玉押し)です 摩耗していますが虫食いは
有りません 驚くほど均一にすり減っています






コーン全体に薄くグリスを塗りシャフトにネジ込みます




次は舌付ワッシャーです






シャフトの溝にワッシャーの舌を合せ奥まで入れました
多くの回転部分に使われるこのワッシャーの舌(内側の突起)は
とても需要な役割を持っています 特にカンパのペダルでは
これが無くては玉当りの調整が出来ません






最後はロックナット これには表裏が有ります
平らな方が玉押し側です






ロックナットを締め込み回転部分の組立ては完了です
これから玉当りの調整をします




本体とシャフトを持ちシャフトを回転させます
ガタが無く一番滑らかに回る所を感じ取ります








回転の調整は玉押しを締めたり緩めたりする事で
行います 少し掴み難いですがロックナットには
13mm のスパナを使います 本来の工具の使い方
では有りませんがここは先だけ掛れば良いでしょう






指先で感覚を確かめながらここと言う所でロックナットを
締め込み決めてしまいます この時通常なら玉押しを他の
工具で保持しながらする作業ですが このペダルは玉押しに
工具が使えません、ロックナットを回しても玉押しが一緒に
回らないのは先程の舌付ワッシャーが入っているからです
それ程重要な役割をしています




玉当りの調整が終わりました 中々一回で決まる
ものでは有りませんので 自分が気に要るまで
何度も調整のやり直しを行っています






最後にペダルキャップを取り付けます
長かったネジを削っているので掛る部分は
わずかです 線切りに注意が必要ですね






特に必要の無い穴なので内側からグリスで
埋めておきます




ペダルにキャップをねじ込みます








今回はストラップが有ったのでこの工具は使いませんでしたが
カンパのペダルキャップにも合う工具が国産にも有ります
カンパの純正はもう買う事が出来ないので 必要ならこの
MKS の物を用意しておけば良いと思います




はみ出したグリスなどはウエスで綺麗に拭き取ります




これでペダルのグリスアップは終わりましたが
少し金属磨きで磨いておきましょう







アルマイトがされていないアルミは磨いてやれば
何とも言えない深い艶を出してくれます






これで一連の作業が終わりました





製造から50年近く経っているカンパニョーロの鉄ペダル これは大学の自転車競技部時代に
卒業された先輩の物を引き継いだものですが当時先輩が日本記録も出しているペダルです
外見は経過年数と共に年季が入ってきましたが回転部分は好調です カンパの凄い処ですね

前回の記事 【 Campagnolo カンパニョーロ ペダルキャップが落ちました 】 

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Campagnolo カンパニョーロ ペダルキャップが落ちました

2017-02-23 20:00:35 | 自転車整備 ペダル
私のロードバイクには Campagnolo カンパニョーロのペダルを使っています
そのペダルキャップが保管中に壊れて落ちると言う怪奇な現象に見舞われました





私が自転車の保管や整備をする為の倉庫ですが何台かの自転車は天井から吊っています
これは毎日の様に目にする風景ですが 目に入る範囲で何か変なものを感じます




視線を上げるとロードレーサーに使っているペダルが
少しおかしい・・




ちょっと自転車を降ろしてみましょう






あらペダルキャップが無くなっています これが
何か普段と違うと感じた原因ですね





ペダルを外して整備台の方に来ました これは Campagnolo RECORD のピスト用
鉄ペダルなんですが 以前にも軽合金のスーパーレゲロで同じ事が起っています
走っていて無くしたと言う話は良く聞きますが 保管中に同じ事が起るのは気味が悪いです






樹脂製のキャップなのでソルダーエイドの先を炙り
残骸を焼き切ろうとしましたが 回転部分にゴミが
入るので良くないですね








もう分解してしまいましょう その方が確実です
ロックナットには 11mm のメガネレンチを使います






シャフトを支えるのは小振りなモンキーレンチを
使います






モンキーでシャフトを固定しロックナットを緩めます
※ ペダルは左側のクランクの取付けネジ以外は全て
正ネジです








次は玉押しを緩めますが指先で無理なら 13mm のスパナを
使います 無理をしてはいけませんがここは工具の先が少し
掛れば仕事は出来ます






カンパの玉押しにはワッシャーが埋め込まれる様に
入っています 舌付です






玉押しを外しました グリスが汚れている様に見えますが
カンパの当時物のグリスは元々この様な色をしています
それ程悪い状態では有りません






表とクランク側のスチールボールです 表側のグリスの方が
やや色が濃いです 何故かなと感じながら観察しています






ペダルシャフトの状態です 全体にグリスを塗っていますが
部品を長く使う為の一つの方法です 主な目的は防錆ですが
こうする事で長く綺麗に使えます 今回のペダルは少なくとも
45年以上経っています ボールも取り出し分解が終わりました






各パーツを洗浄します KURE のパーツクリーナーを
使いました とても使い勝手の良いクリーナーだと思います






さて本来の目的で有る割れて残ったペダルキャプの
ネジの部分を取り外しましょう ネジは回りません






この辺の先の細い道具でやってみます 多少の
荒業が必要かも分りません 一ヶ所を潰して
残骸を自由にしてから外しました




ネジ山にもグリスが使われています 樹脂の欠片が
幾らか出ましたから回転部分は分解して正解でした




用意しているペダルキャップです カンパニョーロの
純正は当然製造されていませんがまだ新しい物も探せば
手に入ります ただとても高額で取引がされています
絶体にオリジナルに拘りが有ればそれも良いですが
ここは社外品で済ませます 三ヶ島製作所のキャップで
ネジが合う物が有ります MKS のマークは削りました






ペダルキャップを装着してみました 少し隙間が出来ます
ネジの部分が長い様です






180番のサンドペーパーで削ります






ネジ山の数が少ないので削るのはこの辺までです
ヤスリで削り跡のバリを取っておきました




これで行けそうですね OK です





MKS のアルミ製のキャップにはマークが入っていますが それを削り 2mmの穴を
新たに開けています その後磨くとこの様な状態になります 綺麗ですよね

次はグリスアップと玉当りの調整を行いますまだまだ調子の良いペダルです
次回もお付き合い下さい

次の記事 【 Campagnolo ピスト用鉄ペダル グリスアップ 】

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Campagnolo 65-P-110 ハンガーシャフト

2017-02-20 20:02:02 | 自転車部品・用品
1933年に創業された Campagnolo カンパニョーロ その長い歴史の分だけ
色々なパーツが製造されて来ました そんな中で少し変わった規格のハンガー小物
地球マークと共に 65-P-110 と刻印されたハンガーシャフトを見てみましょう





Campagnolo カンパニョーロのクランクシャフトですが私の部品箱の中で使う事も無く
40年以上眠っています 少し珍しい規格ですので一通り見てみましょう







まずシャフト本体の中央に刻まれた刻印です
馴染深い 地球マークの Campagnolo と
65-P-110 の刻印 これが余り見ない数字です






左右対称なこのシャフトに左右の区別は有りませんが
文字を基準に便宜上こちら側を左と呼びましょう
四角テーパー部から右側に移るとコーン=玉押し部が
有り そこから右側に複数の段差が有ります これに
付いては次の写真を見てみます






これは右側ですが 左側に有った段差には本来この様な
フランジ=ツバが装着されているはずですが それが
欠品しています




このツバは何の為に付いているのか私には解りません
ワンでも有れば何か推測出来るのかも解りませんが
それも叶いません もしどの様な役割をしているのか
正確な知識をお持ちの方がいらっしゃれば 
是非コメントでお教え下さい お願い致します








ツバの外側にはこの様な文字が刻まれています
MADE IN ITALY PATENT CAMPAGNOLO
全てが誇らしげなしっかりとした文字です
これだけでカンパが好きになってしまいます




これは手持ちのフィキシングボルトです やはり40数年
経った物ですが使えるのでしょうか






私が他の BB小物に使っていた物ですが ネジの規格は
同じ様です 違和感無しにねじ込めます




シャフトの規格=種類は四角テーパーと呼ばれる物ですが
現在互換性を語る時に良く用いられる JIS や ISO 等の
確固たる規格は無く この頃ならカンパテーパーと呼ばれる物です
その後他のメーカーがカンパに合せて作ったと言う側面も
有ったのではないかと思います あえて言うなら ISO 規格に
近いものですね




各寸法を可能な限り測ってみます ただ私がノギスを使い
手作業で行いますのでそれを留意し参考にして頂ければ
幸いです




手書きの図面に纏めてみました 図面などの勉強もした事が
有りません 下手だとか間違っている等の突っ込みは無しで
お願いします 本人が凹みますから・・(笑)






全てが確実に測れるものでは無く ノギスが使い難い所も
有ります そんな所は計算で割り出してみます




と言ってもその様な所は赤線の 0.125mmと言う
一ヶ所なんですが寸法的には辻褄が合っています
テーパーの一辺が 12.5mm ですがこれは ISO 規格が
用いている寸法と同じです





フルサイズの図面も貼っておきます 今後このシャフトを使う様な方がいらして
何かの参考になれば幸いです



ちなみに

これはカンパニョーロ レコードのロード用 BB小物です






その刻印 70-SS-120 これはロード用の ITA 規格です




これは 68-SS-120 ロード用の JIS 規格です






ピスト用レコードの BB 小物ですが その刻印は
68-P-120 ピスト用の JIS 規格を表しています






では今回のこの規格は・・ JIS か ITA か判断が
付きませんが ハンガーシェル幅が 65 mm のピスト用
だと言う推測は付きます 私は全く見た事も無い規格です

少し書き留めておきます
B.B小物の規格
JIS      左 正ネジ 右 逆ネジ 巾68mm 
ITA (イタリアン) 左右共 正ネジ 巾70mm
FRE (フレンチ)  左右共 正ネジ 巾68mm  が有ります

ワンの規格もそれぞれ異なり
JIS  1.37X24TPI
ITA  M36X24TPI
FRE  M35X1   となっています





自宅近くに居ました 丸々と太っています拍手を贈りたいくらいです 可愛いですけどね(笑)

今回のハンガーシャフトはこの様な物を使っていたフレームが有ったらしいのですが
長い自転車の歴史の中では不思議な事では有りません でもそれをカンパニョーロが
作っていた事に何か意味が有ったのでしょうか

今回四角テーパーシャフトの規格の事も少し書きましたが JIS や ISO 規格の事を
成る程と思える処までまとめて有る過去記事が有ります 是非コメント欄も含めて
覗いてみて下さい  過去記事 【 ピスト用 四角テーパーシャフト 】

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SUNTOUR サンツアー スプロケットリムーバー ウルトラ6

2017-02-16 20:11:34 | 自転車 工具
自転車愛好家に惜しまれながらその歴史を閉じた SUNTOUR サンツアー
そんな前田鉄工所が出していた工具 スプロケットリムーバーを見てみましょう





新品を買ったまま使わずに保管していた工具です CHAIN TYPE SPROCKET REMOVER と
タグには書かれています おそらく 1970年初期の物だと思います






そのタグと工具本体に刻まれた刻印です
白、赤、青の取り合わせは サンツアーの
他の工具袋にも使われています






私はこの工具で興味深いのは この使われているチェーンで
これには ULTRA-6 HKK の刻印が有ります
HKK は報国チェーンのマークですが ウルトラ 6 と言うのは
当時ロードレーサーを含むスポーツ車のバックエンド巾は全て
120mm 巾でフリーは 5速のボスフリーが使われていました
それをサンツアーは 120mm 巾のままで 6速のフリーを
使える様にしたのがウルトラ 6 でした 




ウルトラ 6 は スプロケットの間隔を狭くしそれを可能に
したのですが それに対応する為のチェーンがこれです 
実際にはインナーリンクの内寸は 実測 2.4mm 有るので
従来の 3/32 規格のチェーンと変りません  しかしピンの頭が
アウタープレートから出ていません 最近のチェーンを見慣れた
人達にはこれが普通に見える事かと思いますが従来のチェーンは
こうでは有りません





これは薄歯用では有りませんが従来のチェーンは多段用もこの様にアウタープレートから
チェーンのピンが飛び出しています これを無くすことで間隔の狭いスプロケットに
対応したのですね 当時の技術からすればかなりの冒険だったのかも分りません






実はこのウルトラ 6 のチェーンは 前期と後期が有ります
上の写真が前期ですが 外見上ではピンの頭にプラスが刻まれ
アウタープレートとピンの面が同一です 下の後期型のピンには
マイナス(一本溝)が刻まれ ピンの頭がややプレートから出ています
当時の設計意図はもう解りませんが プレートと同面(ドウズラ)と言うのは
何かと不安が有ったのかも解りません ただこの初期型の写真を提供して
くれた友人は、本人も含め周りでも不具合が起きた事はないと言っています






その様なチェーンが使われたスプロケットリムーバーですが
このウルトラ 6 を経て バックエンドが 126mm になり
他社も 6速フリーを出します そうするとサンツアーは
ウルトラ 7 と言う 126mm 巾で使える 7速フリーを発売しました
この様にエンド巾とフリーの多段化が進み現在は 130mm 巾の
バックエンドに落ち着いています





この NATIONAL のフレームをオーダーしたのは 1974年で バックは 120mm で
作っていますが 丁度バック巾 126mm への移行期で多くの選手が 6速フリーを
使い始めていました 自転車には今回の様な流れが有る事を知って頂ければ幸いです

今回ウルトラ 6 初期型の写真は友人からお借りしました 自転車の造詣が深い関東の
五味 実さん 競輪選手を引退され現在は千葉県松戸市で自転車屋さんをされています
そんな五味さんの豊富な知識一杯なブログは 【 サイタロウの自転車日記 】 このブログから
お店の HP トライサイクル にも行けます 是非覗いてみて下さい

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