Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

ホイール JIS組みとイタリアンの違い

2013-01-31 20:12:13 | ホイール
自転車のホイールで良く JIS組みだとかイタリアンだとか聞く事が
多いかと思いますが 今回はそのスポーキング、組み方の違いを
ご案内しましょう




自転車のスポークを使ったホイールは
ハブからリムに向ってスポーク同士が交差する事が無い
ラジアル組みと スポーク同士が何ヵ所かで交差する
タンジェント組みが有ります

そのタンジェント組みでは JIS組みとイタリアンが
存在します 今回はその違いを写真でご覧頂きます





これがトラック用ホイール イタリアンの 6本組(3クロス)です

ここでクロス数が出て来ましたが これはホイールの一番外側(ソルダリングをしている部分)
で交差しているスポーク それのハブ側の頭部分がお互い 6個離れています(そのスポーク同士
の間には他の4本のスポークの頭が有る)これが6本組です 
8本組は頭が 8個離れその間のスポークは6本です 
ここは少し表現が難しいですね 又ホイール組みの時に改めて説明しましょう



 
イタリアンは 自転車のペダルを進行方向へ踏んだ時 引っ張られる力が掛かるスポークが
(この赤いチューブを沿わした物です)ギア側もその反対側も ハブフランジの外に有ります

この赤いスポークを 左右共フランジの内側へ持って来るのを逆イタリアンなどと
呼ぶ事が有りますが ロードやトラックホイールで逆組みはあまりしない方法です





これが JIS組みの 8本組(4クロス)です 先程の 6本組との違いは交差した
スポーク同士のハブ側の頭部分で その違いを確認して頂ければ良いでしょう
こちらはスポークの頭同士が 8個離れています

この JIS組みは現在のロードでは何か目的が無い限りまず使わない組み方です
ただ一般車にはまだ多い組み方です そして今回の 両切りのハブを使った
練習用のホイールではイタリアンより JISの方が良いでしょ



 
JIS組みは ペダルを進行方向へ踏んだ時、引っ張る力が掛かるスポークは
ギアサイドの方はフランジの外側です それに対しギアの逆側は、同じ力が
掛かるスポークはフランジの内側に有ります

この JIS組みでも先程のイタリアンと同じ様に ギア側の赤いスポークを
フランジの内側 ギアとは逆側の赤いスポークをフランジの外に出す
逆 JIS組と言うのをたまに見掛けますが これもあまりしない組み方ですね

※ ペダルを踏んだ時に引っ張る力が掛かるスポークは イタリアン、JIS組み共
  ギア側はハブフランジの外側に有ります




両切りハブ
 
このハブの用途を考えると 左右のギアを使い分ける為に写真の様に
ホイールをひっくり返し使う事が有ります(クイックレリーズでそれが解ります)
その時 JIS組みにしておくと この写真の様にギアサイドのスポークは車輪を
裏向けても同じ方向を向いています イタリアンで組むとこうはなりません

この様に両切りのハブでは JIS組みの効果が有ります





イタリアンと JIS組みのスポーキングの違いは解っていただけたでしょうか

近年イタリアンが良いと言われるのは このホイールの研究を長くし科学的に証明した
方がいらっしゃり それに従い定説になっています その方の名前を取りイタリアンは
井上組とも呼ばれます ただ私はその論文を目にした事が無いのでその内容までは
不案内です

今回逆組みと言う事にも触れましたが 自転車の用途やブレーキの違いに依り
あえて逆組みにする事も有る様ですね

前回の記事 【 ホイール組み 事前準備 】

次の記事 【 ホイール組み イタリアン 8本組 】

コメント (3)
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ホイール組み 事前準備

2013-01-29 20:15:06 | ホイール
先日若手売出し中の日本競輪学校 98期卒業の角 令央奈選手から
競輪競走で使う決戦用のホイール組みを頼まれました 引き受けた以上
しっかりと作業をさせて頂きます





競輪競走で使える部品は NJS登録部品と言う縛りを受け アマチュア選手の様に
好きな部品を使う訳にはいきません これは競輪と言う性格上、全ての選手が
同じ条件で走ると言う理念が有ります

これからホイール組みを始めますが その中に必ず守るべきもの、個人の拘り
またどちらでも良いよ、なんてものも有りますがその辺も交えながら記事を
進めて行きましょう この写真はハブにワックスを掛けています、組んでしまえば
仕事がし難いので今の間に・・・ と、これこそどちらでも良い作業ですね(笑)




ハブのセンターへ印を付けておきます これも必ず
必要な事では無く有れば便利と言う部類の作業です






左右のロックナットの外側を計測しています
フロントハブの巾は 100mmです






そのセンター 50mmの所に印を付けます






ここは小さな印が良いですね ホイール組みが
終われば必要の無くなる印です






良くホイールのセンターと言いますが これはこの左右の
ロックナットの外面までをハブ巾と言い その中心に 
リムのセンターが位置する事を言います






この印がハブのセンターですが この位置にリムのセンター
が来るようにホイールを仕上げます これがホイールの
センター出しと言う作業ですね

この印はホイールを組み触れ取りをする時 バルブ穴から
覗き リムの寄りを確認する時に使います これは人に依り
その方法も違うでしょう




ホイール組みは少し広い所でやります





使うリムは NJS認定の ARAYA 16B GOLD 36穴です
バルブ穴に少し切削時のバリが残っています






内部用リーマーでバリを取ってやりましょう
これも絶対に必要な事では有りませんが 出来るなら
してやった方が良いですね





今回のホイールはやはり使う人の好みや希望を反映しなくてはいけません
これは自分の脚質やその走法に左右される事が多いと思います
 
今回角選手の希望を聞いた時、私が今まで考え感じた事が無かった様な
希望が出てきました それは競輪競走と言う独特のレースだからなのか
私が及びもしない脚力からくるものなのか ホイールと言う物の深さを
考えざるを得ない話しでした 

そんな事も含め、これからホイール組みを進めるにあたり JIS組みや
イタリアンの事が出てきますが その違いを解ってもらえる様に
次回は JISとイタリアンの組み方の違いをご紹介しましょう

前回の記事 【 決戦用ホイール組 依頼 】

次の記事 【 ホイール JIS組みとイタリアンの違い 】

 
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ARAYA ADX-1 チューブラーリムがやって来た

2013-01-27 20:09:37 | 自転車部品・用品
ARAYA アラヤの人気リム ADX-1 発売されてすでに 30年程経っていると
思いますが AERO1 エアロ1と呼ばれ人気を博しています そんなリムが
手に入りました






この時代の部品は未使用で残っているのは少ない
のですが 今回は嬉しい事にデットストックを
手にする事が出来ました まだ工場出荷時の
ビニールが巻かれたままです




このビニール袋が案外曲者で 長く巻いたままに
しておくとリムにその跡が付いて取れなくなります
このリムは 28穴 私の好みの穴数です







AERO1とSUPER HARD ANODIZEDのシール 
これはかなり硬質なアルマイト加工がされています

とてもしっかりした 弾きの良いリムですがこの
アルマイトが影響しているのじゃないかと思います






シリアル №が印字されています ニップル穴は
ハト目無し




リムの接続部は スリーブです これは他に溶接
リベットなどの方法が有ります






このリムのニップルが納まる部分が 特殊な形状を
しているので このアールワッシャーと言う部品を
使います






ホイールを組む時 ニップルがリムの中に入るので
この様なニップルビットが付属されています






アラヤの公表重量は 330g 実測が 328g 公表値より
軽いのは珍しいですね アールワッシャーは 8gでした




1995年のアラヤの資料 この ADX-1も後年になると
リムの内部の形状が変わり アールワッシャーが要らなく
なっている様です





何か色彩の鮮やかな草花は咲いていないか気には留めるのですが この時期、まだ早い様ですね

今回の ARAYA ADX-1 私のブログにもコメントを下さる知人がお世話をして下さいました
今は新たにホイールを組む予定は無いのですが 私のお気に入りのリム、大切に保管を
しておきたいと思います

 
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決戦用ホイール組 依頼

2013-01-25 20:42:21 | ホイール
自転車レースで使う決戦用と呼ばれるホイール 多くの自転車愛好家が
用意をしているのではないでしょうか そんなホイールを組んで下さいなんて
依頼が有りました それが又・・・ 私なんかが請けて良かったんでしょうか




ある日 Kinoさん決戦用のホイールを組んで下さいよ
なんて電話をもらいました 良いよ!って返事をしましたが
考えたら本当に良かったんだろうか・・・






そして Kino自転車小屋へ部品の一式を届けてくれました
このハブは SHIMANO DURA-ACE HB-7600
そう、トラックハブです






これは Hoshi ホシのステンレス段付きスポーク
長さが 305mm ハブと共に NJSの認可部品です

この辺りで何に使うホイールでどの様な組み方を
希望されているのか 解るかな?






じゃ用意されたリムも見て頂きましょう
ARAYA GORD 36穴 これで用意された部品達で
組めるホイールは JIS,イタリアンは別にし 8本組で
綾取りをしたホイールですね

ハブは両切りが用意されていたので その辺りは
本人の考え方や希望を聞いてみましょう






この依頼をくれたのは 日本競輪学校 98期の卒業生
兵庫県の 角 令央奈選手 先日 3場所連続完全優勝で
S級へ特昇を決めた若手売出し中の選手です

すでに S級でも勝利数を重ねており 今度記念競輪で
使いたいのでそれまでに組んで下さいとの事 引き受けた
ものの そんなお仕事で使う車輪を私が組んで良いんでしょうか

と思いながら近くのネパール料理屋さんでお食事
この寒い日に半袖の Tシャツ 参りました(笑)






改めてハブを見てみると ロックナットが変更されています
以前は四角いナットでしたが バックエンドに当る部分が
円形になり接触面積が凄く増えています これは固定力を
高める目的なのかな?






最近は私も使わなくなった 白いソーヨーのリムセメント
自転車に乗り始めた頃はこればかりでした 何か懐かしいな・・

用意されたタイヤは SOYO RED RⅡ 軽量の競輪で使う
シームレスタイヤです






このタイヤを製造しているのは ダイワボウプログレス
この会社は随分前から 改組や合併などを繰り返していた
歴史が有りますね

さて 120mm巾の両切りハブ、これを練習用に使うのと
決戦用に使うのでは その考え方や思惑が少々違ってきます
決戦用なら片側しか使わないでしょうから スポーキングは
イタリアンの 8本組で行きましょう

私の少ない経験と拙い技量の中で 出来る限り良いホイールに
仕上げないといけないですね 只今気合を注入中!

次の記事 【 ホイール組み 事前準備 】

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サイクルコンピューター CATEYE CC-TR310TW V3n

2013-01-23 20:16:15 | ロードバイク スプートニク
最近の自転車には全てと言って良い程取り付けるサイクルコンピューター
今回は新しいロードレーサー スプートニクにキャットアイの新製品
CC-TR310TW と言う Vシリーズの商品を取り付けました






新型2.4GHzデジタルワイヤレスコンピュータ
心拍・ケイデンス(ペダル回転数)・速度の3信号を
ワイヤレス送信で使えると言う商品 定価は 21000円






箱から商品を出してみました 付属されている取説の
厚さにちょっと驚き 英語から始まり 7ヶ国語の冊子です
この手の商品はちょっと検索すると 凄くお安い Webショップも
有ります でもそれはそれで何時もお世話になる自転車屋さんで
取り寄せて頂きました それがお付き合いの潤滑剤になれば良い
ですしね




この商品の本体部の大きさが カタログや CATEYEの
H.Pでは全く想像が出来ませんでした パナソニックの
リムセメントと比べるとこんな感じ






ちょっと比較する物が悪かったですね 最近リムセメンを
使う方はほとんど居ないし・・(笑)

これはキャットアイの CC-MC100Wと言う少し前の機種です
実はかなり大きな本体だろうと想像していたのですが
色々な情報が表示される割には 思いの外小振りだと
言えるのじゃないでしょうか






折角ですから取付け方法もご紹介しましょう
これはチェーンステーに付けるセンサー部
スピードとケイデンスを共用しています

本体に付属のゴムパットを取り付けます






これをチェーンステーにタイラップで取り付けます






本体側がケイデンス 角(ツノ)の方がスピード用ですが
その設置寸法の調整はこのネジを緩めて行います この
ネジはプラスドライバーかマイナスか良く解らない形状です

取説にはプラスドライバーを使うと書かれていますが
少し大きな マイナスドライバーの方が良い気がします






これがセンサー用のマグネットで 上がスポークに付ける
スピード用 下がクランクに付けるケイデンス用です




スピードとケイデンスのマグネットとセンサーの隙間が
3mm程度になる様に調整し 各部品をしっかりと固定します




コンピューター本体をハンドル回りに取り付ける
アダプターです






これはステムとハンドルどちらかに装着出来る様に
考えられています






先程のブラケットバンドにコンピューターを装着する
ブラケットをはめ込みます






その裏側にブラケットゴムパットを貼り付けます
これが・・・ 綺麗に貼ろうとすると意外に難しい








私は取り付け場所はハンドルにしました ブラケットバンドに
ダイヤルと言う部品を付け これを回すとバンドが締まって
いきます






固定後余ったバンドはニッパーなどで切り落します






コンピューター本体とセンサー部の取付けが完了しました
センサー部の取付けは チェーンステーの形状に依り
その容姿はかなり変わるでしょうね








コンピューターの初期設定が必要です まず裏蓋を開け
電池の保護シールを外し通電させる処からスタートです
その後は説明書に従い 時刻やタイヤ周長をセットして
行きます






私が選手時代にはスピードメーターも無かった時代 
でも自分の走っている速度や距離は感覚でしたが
そんなに大きくは狂っていなかったでしょう

脚の回転数はローラー練習の時 回りの同僚が
数えたりしていました 今のは180回転/分だったな・・
なんて具合でした

でもこの器具は有れば本当に便利ですね 自分の目標や
その結果を数字で確認出来るのは良い事だと思います 





この表示部も全ての文字も良く見えるので使い勝手の良い商品だと思います

前回の記事 【 スプートニク ボトルゲージを取り換える 】

コメント (4)
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