先日は天返しステムでアップハンドルにする方法をご紹介しましたが
今回はアップにした自転車をどの様に使っていたのかご案内致します
前回は私のトラックレーサーに天返しステムを取付け ハンドルをアップにしてみました
実際にこの様な状態でどの様に走っていたのか昔を思い出しながらご紹介します
この天返しステムが主流だった頃 自転車を車に積んで
移動する習慣は無かったと思って下さい 私がこの辺りの
事情、風景を知っているのは昭和42年辺りからです
車に自転車を積む習慣が無かったとは言え競輪場での
練習は毎日行います その行き帰りの移動はハンドルを
アップにして走る事が多かったですね そしてこの様な
練習に必要な物も持って行きます
レーサーシューズです この頃はこの様なペラペラの
靴が一般的で 裏側にはシューズプレート(桟)が
打たれています
靴やタオル、着替えはナップサック(こんな紐の付いた袋)に
入れ ハンドルに括り付けます
そしてヘルメットも一緒に持って行きましょう
当然今の様な軽量ヘルメットは無く ドカヘル
とか玉ヘルと呼ばれる大きな物です
反対側のハンドルには工具袋もぶら下げます
前から見るとこんな感じです
そしてこんな感じで走って行きます アップハンドルに
すると姿勢も楽でバックも踏み易いですね
競輪選手の人達はこの様な工具袋を良く持っています
簡単な整備が出来る程度の物が入っています
工具袋は街道練習には持って行けないのでこの様な
万能工具を自転車に取り付けます
この大きな穴は天返しステムには色々な種類が有り
天返しのナットに使いました U 字型の所はペダル用
小判型のハブシャフトにも合う穴が有ります 先に有る
カニの爪の様な部分は ハブの玉押しに使うハブレンチ
こんなフックレンチが有り 固定ギアやハンガーの
ロックリングに使います 当然前後のハブナットに
使える穴も有ります
JTO の文字 これは城東工具製作所ですね
レーサー用板スパナと言う名称です
そしてこの文字の下の丸穴にはネジが切って有ります
この工具の傷み具合を見ると良く使っていたんですね
他の工具が買えなかったのでこれで整備までしていた
記憶が有ります
この工具は自転車に装着し携帯出来る様になっています
工具の取付け場所はここ リアハブのシャフトです
上手く取り付いています この場所なら靴の踵が
当る事も有りません
先程紹介しましたネジの切った丸い穴 それを
ハブシャフトにねじ込んでいます 最後まで
締め込むと 前出の写真の様に何時も真っ直ぐな
位置で止まる訳では有りません
そんな時はこの様にします その為に短く切った
トウストラップを使います まだこれを置いて
いたのには自分でもビックリ
スパナの 15mm 穴をハブナットに入れます
そしてスパナの他の穴を使いシートステーに
ストラップで止めます これで落ちる事は
有りません
これで工具袋を持って走る必要が無くなりました
試合の時には決戦用ワッパをハンドルに括って
会場まで走りました でもこれはさすがに気を
使います でも遠い所なら明石の競技場まで
片道 45km これで行った事が有ります
さすがにアップハンドルで長い距離はお尻が
痛くなります
試合には輪行で行くのが当たり前でした 自転車を
潰す時も天返しは楽でしたね 取付け時に迷う事も
有りません 地元の明石 伊豆の CSC へも電車で
行っています 輪行に必要だった手回り品切符です
また
トラックレーサーの整備にはこの様に倒立台を
使い自転車を逆さまにして行う事が良く有ります
でも天返しステムを使うとその整備台も必要有りません
天返しステムを使った自転車 実際にこの様な事をしていました
当時とすれば色々と便利でした 今となってはアップハンドルで
走る事も難しくなっているし需要も無くなって行くのかなとは思います
このステムは現在も NJS の認可申請が通って、まだ使っている
競輪選手の人もいらっしゃるらしいです
前回の記事
【 天返しステムの 使い方 】