Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

サンポールを使い 錆取り 失敗しました

2016-09-30 20:21:25 | 自転車整備 その他 
金属の錆取りにサンポールを使う事が有ります 自転車整備とは呼べませんが
レストアなどをする時には重宝します 今回も何時もの様に錆取りをしましたが
失敗しました 何故なんでしょう その様子を見て頂きます





自転車部品の保管ケースの底の方から鉄のステムが出て来ました おそらく昔の
スポーツ車に使われていたのでしょう、でも全く記憶が有りません






折角だから少し見てみます ハンドルクランプ部に
BS のマークが有ります ブリヂストンの自転車に
使われていたのでしょうか




ステムの横には YOUNG と書かれています
フラッシャーランプが付いた頃の物でしょうか
それなら弟が乗っていたので、それかな・・・






ステムの引き上げ棒やハンドルのクランプボルトが
錆びています これを綺麗にしてやりましょう








ネジ類を分解しました クランプボルトの錆び方ですが
この様なメッキの剥げ方は錆を落とすだけでは綺麗に
ならないかも分りません








錆取りを始めます まず各パーツの汚れを落します
特に油脂分は表面に付着していない方が良いでしょう
これはこの後サンポールを使う事を想定しながら進めて
います








洗剤は弱アルカリなので水で良くすすいでおきます






洗浄後水切りをしてからステンレス容器にパーツを
入れました








サンポールを容器の中に入れます 9.5%の希塩酸です
素手で触れば皮膚が溶けてヌルヌルになりますよ
量はパーツが浸かる様にするのが良いですね




ステムの突出し部分は酷い錆では有りませんがこれも
やっておきます 私は今迄この方法でした事は無いの
ですが 表面にキムワイプを巻き付けています






そこへサンポールを掛けキムワイプを充分湿らせます




理屈で言えば金属の表面をサンポールが覆い
錆取りの効果は有る事になります








10分程放置しておくとサンポールが泡だっています
クランプボルトを出してみるとあまり綺麗には
なっていません メッキが剥がれた部分と残って
いる部分の段差が無くなる訳では有りません
ステンレスのブラシで少し表面を擦っておきましょう






ステム本体の方は元々酷い錆は無かったので
劇的な変化は有りません






バケツに用意した水の中で良くサンポールを
洗い落します






ん? 何だこの色は クランプボルトと引き上げ棒の
ウスがオロ(金色)になっています




水洗いはしっかりと丹念に行います 酸を金属に残すのは
絶体に避けたいですね 






サンポールを使った容器の中には 底に錆らしい物が
沈殿しサンポールの色も変っています ステンレス容器も
酸で色が変ってしまいまた






整備台の上で良く水を切ります 以前にもこの様な
金色になった事が有り その時は真鍮のブラシを使ったので
真鍮が溶けて、表面に付着したのかと思っていました
でも金色になるのは他に原因が有る様ですね







これらのパーツには手早く油を塗っておきます
酸で洗った金属は直ぐに錆び始めます




ここで問題が・・

ステム本体です あれ・・・






サンポールに浸したキムワイプを外した時は綺麗
だったものが 表面が曇って染みになっています






これはちょっと想像外でした この状態になったのは
今回が初めてです サンポールに浸けなかったのが
良くなかったのでしょうか








これは別に綺麗なので良いですが 元の色を残したい
ので有れば良い結果とは言えないですよね






サンポールはキンチョ―の蚊取り線香などで有名な
大日本除虫菊(株)と言う会社が作っています






主成分は 9.5% の希塩酸 あまり素手では触らない方が
良いですね そして塩素系の物とは混ぜてはいけない様で
有害な塩素ガスが発生するそうです





過去には何度もサンポールを使い金属の錆落しをしていますが 今回の様に
メッキが曇り染みになったのは始めてです これからは気を付けないといけません
良い経験をしました

過去の記事を幾つか下記に紹介しておきます 
また興味が有れば覗いてみて下さい、結構面白いですよ
【 サンポールで 錆落とし 】  【 錆びたチェーンの 復活劇場 】
【 サンポールで 錆落しの 不思議 】  【 困った時のサンポール スプロケットの錆び落し 】

コメント (4)
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日本スポーツマスターズ 2016 自転車競技

2016-09-28 20:19:30 | 自転車競技
日本スポーズマスターズの自転車競技が秋田県の六郷自転車競技場で開催されました
私の地元の兵庫県からも何名かの選手が参加しています





この大会は日本体育協会が主催し参加資格は 35歳以上の日本在住の男女と言う事になっています
大会出発の前日に 私が監督をしていた頃の国体選手が自転車小屋へ寄ってくれました
彼が今回新調したトラックフレームだそうです 今回の開催は9月24日、25日でした






この MAVIC ELLIPSE マビックのエリプスは、今
流行っていますね かなり多くの選手が使っています
アマチュア選手だけでなく競輪選手の人達も多いですね
このホイールには Vittoriaのこのタイヤを使う事で最高の
性能を発揮するそうです






そんな彼から大会の報告が届きました 4部(年齢別のカテゴリー)
ケイリン男子で優勝したそうです 昨年に続き 2連覇です
スリット写真と表彰式の様子 兵庫県の濱中康志君です






秋田まで車で移動したそうですが 先日作った折り畳み式の
倒立台をプレゼントしました これなら場所を取らずに車に
積めるでしょう これは使い慣れると無ければ困りますよね





今回の大会は兵庫県からも多くの参加が有りそれぞれ好成績を収めたそうです
この自転車小屋へも来て下さった世界チャンピオンの和地恵美さんも 500mTTで
自身が10年前に出した大会記録を塗り替えて優勝されていました 凄い事ですね
この大会は来年度兵庫県で開催されます 全国のお知り合いに会えたら良いな・・

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ロードバイク スプロケットの交換方法 その2

2016-09-26 20:52:10 | ロード
前回からロードバイクのスプロケットの交換方法をご案内しています 古い方を外したので
今回はスプロケットの取付けを行います、多くの写真を使いその様子をご紹介いたします





前回取外したスプロケットと新たに使う物で双方 Shimano ULTEGRA CS-6700 10速です
最近の用途に合せ歯数の変更を行っています この作業はメーカーやグレードを問わず
する内容は同じです 前回にスプロケットを取り外したので今回は次の物を取付けます




交換する方のスプロケットは事前に洗浄し手入れを
済ませています 12~23T の歯数です






ホイールのフリーに取り付ける前に取り外した後の
汚れを拭き取っておきます






フリー本体の表面にオイルを薄く塗っておきます これは
アルミボディの腐食防止が目的です やや粘度の高い
Super Lube の超耐久潤滑剤を使っています 持ちの良い
潤滑剤です








ロー側に使う厚さ1mmのスペーサーです これは
必要の無い場合も有るので使うスプロケットに従います




ULTEGRA CS-6700 12-23T






スプロケットはローギアから装着して行きます
フリーに装着する中心部には不規則な凹凸が有ります






フリーにも不規則な凸凹が有り 先程のギアの装着部を
これに合せてはめ込みます お互いが合う場所は一ヶ所
だけです






ローギアをはめ込みます この部分は 3枚がセットに
なっていますが この枚数はグレードに依り異なります






ローギアから 4枚目です ここからは入れる方向が有り
ギアに歯数が刻印された面が外側です






4th ギアを入れました
※ ローギア側から 1st(Low) 2nd 3rd 4th と記載します






次は 5thギアですがここからはギアとギアの間に
専用のスペーサーが入ります 段数に依って厚さが
違い互換性は有りません






先程入れたギアの上にスペーサーを入れました






5th ギアを方向を確認して入れます






スペーサーとギアを交互に 8thギアまで入れました
残るギアは後 2枚です








9th ギアはスプロケット自体に厚さが有るので
ここにスペーサーは使いません








10th(Top) ギアも同様にそのままフリーに入れます




これで 10枚のスプロケットが入りました ギアの
裏表だけ気を付けていれば 難しくは無い作業です








最後はロックナットを締め込みますが この根元には
手を切りそうな位に薄いスペーサーが入っています
これは良く千切れたりしますのでその様な物は交換
します 10速12T用は Y11W02000 11T用 Y10Z0400
の品番で用意されています






ロックナットが入るネジ部にオイルを塗っておきます
腐食、固着防止です




ロックナットを取付けます








ロックナット用の締め付け工具を装着します
Shimano 純正 TL-LA15 Park Tool であれば
Shimano用 FR-5G 又は FR-5 
Campagnolo用 BBT-5 等フリーのメーカーに依り
工具が異なります






締め付け工具にモンキーレンチを掛けます 口が
23mm 以上開き 締め付けトルクに応じた大きさの
物が必要です






ロックナットを締め込みます シマノの指定は 30~50N-m
これは結構大きなトルクです ただここのネジは幾らでも
締まるので 30~50N-m と言う手加減は自分で感覚を
掴んでおく必要は有ります






これでスプロケットの取付けが終わりました はみ出した
オイルなどは綺麗に拭き取っておきましょう




これでスプロケットの交換作業は終わりました
次はホイールを自転車に取り付けます




今回取り外したスプロケットはまた後で手入れを
してやります






クイックレリーズをハブに戻します






ホイールを取付けました 今回の 12~25T から
12~23Tへの交換は心臓を悪くしてから心拍数が
上がるので山へ行かなくなりました 
平坦路で使うならクロスレシオの方が使い易いので
ローの 25T を捨てる事にしました 山は好きなんですが
仕方が無いですね






チェーンの状態を見てみます Vipros ヴィプロスの
グレサージュを使っています 洗車後のオイルアップ後
300km 程度です 追加塗布の頃ですが初めて使った
オイルなのでもう少し様子を見てみます






この様に汚れて来たチェーンは綺麗にしたい処です
これをウエスで擦って汚れを落とす人が居ますが 
確かに外見を見れば綺麗になると思います ただ
チェーンに付着した汚れ、金属粉を同時にチェーンの
内部にも押し込んでいる事にもなります そうなった
チェーンは摺動部でヤスリを掛けている様なものですね 
チェーンの清掃はその様なダストをいかに外へ出すかと
言う事がとても大切です それを考えるとやはり洗浄が
一番だと思います





これで今回の一連の作業が終了しました スプロケットを入れる方向、ロックリングの
締め込み具合そして手指の怪我 これに気を付ければ決して難しい作業では有りません
自分で出来る様になれば自転車がより楽しくなりまよ 是非チャレンジしてみて下さい

前回の作業 【 ロードバイク スプロケットの交換方法 その1 】

コメント (3)
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ロードバイク スプロケットの交換方法 その1

2016-09-24 20:18:52 | ロード
ロードバイクにはカセットスプロケットと言うギアが使われています 
これは交換する機会も多いかと思います その方法をご紹介致します





カセットスプロケットを交換する為に必要な道具です この作業が必要な時はスプロケットの
摩耗に依る新しい物への交換、自転車で走るコースに合せたギア枚数の変更等 幾つかの
理由が有るかと思います それらの理由の如何に関らず行う工程は一緒です




今回交換するスプロケットは先日、洗浄し手入れは
済ませています Shimano ULTEGRA CS-6700
12-23T の 10速を使います






私が現在乗っているロードバイクの 同じグレードの
12-25T このスプロケットとの交換です 最近の用途に
合せたギア枚数の変更と言う処です








自転車からホイールを外します ここはギアの交換と
関係は無いのですが チェーンでフレームが汚れたので
拭き取っておきます






リアホイールを外しました それでは作業開始です






整備の環境も大切です ホイールやパーツを傷めない様
直接ホイールを地面に置かない等 出来る範囲で気を
付けた方が良いですね クイックレリーズを外しました






現在使っているスプロケットを外します 道具も用意
しています






カセットスプロケットはロックリングで固定されています
それを取り外す為の工具 ロックリングリムバーです
Shimano の純正工具 TL-LA15 社外品の工具でも
OKです Park Tool なら FR-5G 又は FR-5 が使えます

※ この工具はスプロケットのメーカーに依りそれに応じた物を
  使う必要が有ります 例えばカンパなら Park Tool BBT-5
  ご自分が使っているメーカーを良く確認して下さい






工具の突起をハブシャフトの穴に差し込み 
ロックリングに装着します






次にスプロケットが装着されているフリーが空回りを
しない様にスプロケットリムバーを使います 
これは使っているギアの厚さに応じた物が必要ですが
Park Tool SR-11 であれば 5~11速のスプロケットに対応
しています ただ価格が 5000円程度します 
他社から廉価な物も沢山販売されているので、その辺は
ご自身で選択されれば良いでしょう




ロックリングリムバーにはモンキーレンチを使います
23mm 程度の 6角なのでそれ以上開くモンキーが必要です





スプロケットリムバーでギアを押えロックリングを緩めます ※ 正ネジです この写真では
双方の工具を下方向へ力を入れています 最初から目一杯力を入れ急にネジが緩むと
怪我をしますので、初めはゆっくりと力を掛けて行った方が良いですね この場合ネジが
緩むと右手が下方向へ動きます




ロックリングが緩みました






工具を装着する為の凸凹な形状と 裏側にはネジが
切られています




ロックリングを外したスプロケットです 中心の青い
シャフトの外側がフリーですが そこにロックリングを
締める為の内ネジが切って有ります








スプロケットを外して行きます 全てのギアは簡単に
引き抜けます 間にスペーサーが何枚か入っていますが
それも抜きました






最後に 1mm 程度の厚さのワッシャーが入っています
これを使っていないスプロケットも有りますが 使っていれば
再利用すれば良いです 白くアルミ色した部分がフリーです




全てのパーツが外れました ここまではシマノの、他の
グレードやカンパニョーロでも基本的にする事は一緒です




今回取り外したスプロケットはまた後で洗浄し何時でも
使える様に手入れをしてやりましょう





白くて小さな花が咲いていました 近くの空き地です この横で住宅用の造成工事が始まっています
写真を確認するとまだまだ有りますこのまま進めると読むのも疲れますよね 取付けは次回にします
またお付き合い下さい

取替え用のスプロケットのお手入れ方法 【 ロード用スプロケット 洗浄とオイルアップ 】

続きの作業はこちら 【 ロードバイク スプロケットの交換方法 その2 】

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ロード用 スプロケット 洗浄とオイルアップ

2016-09-22 20:37:36 | 自転車整備 その他 
ロードバイクに使うカセットスプロケットを洗浄しオイルの塗布を行います
それ程時間の掛る作業では有りませんので時間の有る時にしておけば良いですね





Shimano ULTEGRA CS-6700 10速のカセットスプロケットです
これは少し前に取り外した物ですが洗浄とオイルアップをしてやります
これはグレードによりその方法を変える事は有りませんので、他の物でも同じ作業で結構です






前回、取り外した時にまとまりが良い様に
針金で止めていた物をばらしてしまいます




この様なパーツの整備は絶対にこれで無ければいけない
と言う事は無いので 状況に応じたやり方で進めます






今回は洗車にも良く使うワコーズのフィルタークリーナーを
使います 必要量をステンレスのパレットに注ぎ入れます
多くの量は必要ありません、少しで結構です 

これも最近は皆が使う様になり、ワコーズ自身が洗車講習会
なんかをしている様ですが 6年前に私がブログで紹介した時は 
こんな物を自転車に使うの? いや使ってみたら良いじゃない・・ 
と多くの人が買いに走ったと言う事も有りましたね その時の記事は
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刷毛でクリーナーを塗って行きます それ程汚れた
スプロケットでは無いので、擦らなくても塗るだけで
大丈夫です






クリーナーを塗る前とその後ですがこの段階で油汚れは
落ちています ただこのスプロケットは絶えず整備を
している物ですが さすがに整備状態が悪くオイルが
グリスの様になった物は、擦ってやる必要は有ります






整備机から表に出ましょう ここからは水を使います
水が豊富に使える環境にないので この様な事をして
いますが水道が使えるなら沢山の水を使って下さい






バケツに取り別けた水にフィルタークリーナーを塗った
スプロケットを入れ良くすすぎます クリーナーが白く
濁り乳化していきます






全てのスプロケットを濯ぐとこの様に水が白濁します




パレットも洗ってしまいます








新しい水をもう一度使い二度目の濯ぎを行っています
最後に整備用品も綺麗にします




ワコーズのフィルタークリーナーは水に依って完全に
乳化するそうです それに使う水の量は私が何時もの
洗車で使う量で充分だったと認識しています 






整備机に戻って来ました エアブロワで付着している
水を良く切ります






さて、オイルは何にしようかな チェーンにも良く使う
TACRINO タクリーノのチェーンオイルを使いましょう
使う前に容器を振り中身を撹拌するのは私の儀式の様な
ものです 商品に依れば底に添加物が沈殿している物も
有りますのでね








スプロケット全体に薄く塗布します 指を使ったり
歯ブラシを使ったりします






ロックナットのネジには粘度の高い物が良いですね
グリスでも良いくらいです






これが無ければグリスを少量使いますが Super Lube
スーパールーブの超耐久潤滑剤 ここにはこれが良いと
思います グリス程汚れを呼びません




ネジの部分に塗っておきましょう 今迄もこれを使って
いましたがトラブル無しで、ネジも何時までも綺麗な
状態を保っています






スプロケットも綺麗になり全体に潤いを感じます
良く手入れをされた部品の独特の雰囲気を出しています





これでカセットスプロケットの一連の整備が終わりました 回転部分では有りませんが
良く整備されたスプロケットは乗った時にやはり滑らかさを感じます ちょっとした事が大切です

今でも多くのアクセスが有る人気記事 【 自転車の洗車 レースメカニックはこうする 】

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