前回フレームにブレーキキャリパーも取り付けましたので
今回はブレーキワイヤーの長さを決め 取付けまで行います
ブレーキケーブルは SHIMANO PTFEケーブルセットを
用意しています これはフッ素樹脂加工がされている
そうです
作業に掛かる前に左右のシフトレバーの位置を
揃えておきます これは昔からの方法ですが
ハンドルの下部のフラットな部分から 真っ直ぐに
定規を伸ばし レバーの先端との寸法を見ています
前ブレーキから行きましょう ブラケットのカバーを
めくるとブレーキアウターを保持する部分が現れます
そこの奥に当るまでアウターを挿入します
実際にバーテープを巻く時の様にアウターをハンドルに
這わせ テープで仮止めをします そしてフロントブレーキの
アウター受けまでの寸法取りをします
寸法取りしたアウターケーブルをカットします
使っている工具は Park Tool CN-10C プロフェッショナル
ケーブルカッターです お値段は 6000円程度ですが
この工具は是非用意しておいた方が良いですね
カットしたアウターを装着してみます ここで気を付けて
おきたいのは ブレーキ本体は今、解放された状態です
実際にはもう少しゴム間が狭くなります その時、アウター
受けの位置も変わるので それを見込んでおくのを忘れては
いけません
リアも寸法取りします このフレームはブレーキワイヤーは
内臓されます このアウター受け部までの距離が必要です
寸法を取ってカットした物を仮に取り付け状態を確認します
リアはハンドルを切った時にワイヤーが無理をしない
長さが必要です
実際にこれだけハンドルが切れた時は落車をした時だと思いますが しかしこの時
ワイヤーが短ければ何処かを壊す事になります この確認だけはしておきましょう
ブレーキ本体部分の長さも決めましょう 正確に
長さを決める為ホイールを装着しました
この部分はアウターも短く あまり融通も利かないので
ブレーキはさみを使い実際にブレーキを使っている状態に
してみます
ここでカットしましょう この部分のワイヤーって
結構その人のセンスが表れる所ですよね
アウターワイヤーの長さが決まったので カット面の
処理をします ケーブルカッターで切った切り口は
潰れたり荒れたりしています これをこのまま使うのは
良く有りません
ヤスリで内部の金属スパイラルを削り 面を揃えて
やります
ヤスリは金属が削れても 柔らかなアウター樹脂は
削れないので カッターでほんのわずかを切り落します
ここまでしてもまだ内部のライナーが潰れています
ライナーを先の細い物で形を整えてやります
先端処理が終わったアウターケーブル 綺麗に面が
整っています 絶対に必要な作業では有りませんが
この様な小さな事の積み重ねで良い自転車に仕上がります
インナーライナーの内部に Microlon マイクロロンの
メタルトリートメントをスプレーしておきます これも
フッ素樹脂なので 今回のワイヤーと相性も良いでしょう
アウターケーブルの準備も出来たので ワイヤーを
セットします まず後ろから始めます シフトレバーを
握ると奥にブレーキ用の太鼓が納まる部分が見えます
ワイヤーを通す前に太鼓とその付近にグリスを塗っておきます
このタイコが腐食したらまず取れなくなります その腐食防止です
タイコ用の穴を目がけワイヤーを通すと ハンドル側から
出てきます 難しそうですがごく簡単です
タイコはこんな状態
インナーにオイルを塗っておきます そしてアウターを
通します Super Lubeもフッ素系のオイルです
アウターをレバーの奥まで押し込んで インナーは
フレームに内臓します このグレーの物はワイヤーを
リードする為のチューブです インナーが後ろから
出てきました
ブレーキ本体までアウターとインナーを通し 軽く
ワイヤーをブレーキに固定しておきます
フロントも手順は同じです
こちらも軽くワイヤーを固定します ワイヤーの
固定場所はここ 固定部に溝が切ってあるのでその
場所にワイヤーを通します
インナーワイヤーが長くて邪魔なので適度な長さで
切ってしまいます
これで前後のブレーキワイヤーの装着が完了しました この作業は左右のワイヤーの
バランスを考え見栄えと、細かな処理で手応えを そんな事を考えながら仕事を進めて
行きます自転車整備、組立の中でも大切な作業ですね
今回は随分長い記事になってしまいました お付き合いを有難うございました
次回はシフトケーブルのセットを行いましょう
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