Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

玉当り調整 DURA-ACE HB-7520

2023-09-18 21:05:46 | 自転車整備 ハブ
自転車のホイールに使われているハブの玉当り調整を行います DURA-ACE HB7520
シマノのトラックハブです





先日メンテナンススタンドに乗せる為にフロントホイールを外しました
この時にフロントハブの回転が重い事に気が付きました




サドルを交換する為の作業でしたが その目的も終え
前輪の調整が終わればホイールを装着します






ホイールを整備テーブルに持って来ました トラック用の
両切りハブで デュラエース HB-7520 で現行の HB-7600 より
一つ前のハブだと思います それのフロントハブです




ハブの回転を指先で確かめていますが やはりゴリ感が有ります
前輪のハブナットを締め込む時に シャフトが共に回るとこの様な
症状が出ます おそらくシャフトの溝が傷付き ワッシャーの突起も
舐めているかも分りません




道具を用意しました ハブスパナと小さなモンキーレンチです






玉押しには 13mm のハブスパナを使います






ロックナットには小さなモンキーレンチを使います
今回はグリスアップは行わず 回転調整だけです
玉押しを緩めたり締め込んだりして丁度良い加減の
玉当り場所を探します




玉当りの調整が出来ました 試合用であればベストの一点を
求めますが 街乗り用ですからやや渋めでも良いと思います






ハブナット取り付け部分のネジに潤滑剤を塗布します
結構粘度が高い Super Lube の超耐久潤滑剤です





ハブの回転調整 調整が甘くガタが出ているより まだ重い方がましですが
それも程度が有ります ご自分の自転車も一度確かめてみて下さい

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ハブシャフトを取り付ける MAVIC HELIUM

2022-11-26 20:48:49 | 自転車整備 ハブ
完組みホイール MAVIC HELIUM ハブのメンテナンスを行っています 今回はシールドベアリングに
ハブシャフトを取り付けます 作業風景をどうぞご覧下さい





軽量ホイールとして人気が有った MAVIC HELIUM これはチューブラー用です
このホイールのハブのメンテナンスをしています 今回はシャフトを取り付けます




今回の作業で使う工具と使用部品です






ハブ本体に打ち込まれたシールドベアリングは前回までに
分解、洗浄、グリスアップは済ませています
今回はこの黒いシャフトを装着します




作業前に前回までの汚れを拭いておきます






ホイールを寝かせました シャフトの前にこの樹脂製の
カラーを取り付けます






これはハブの一番外側の スポークの頭が見えている部分に
取り付けます ただはめ込むだけです




カラーが付きました




まずシャフトの構成部品と構造を見ておきます






シャフトの構造は左右で異なります 右も左も有りませんが
便宜上これを右側とします 
シャフトにネジが切られ、シルバーのベアリング押しがねじ込まれています
これは回す事で左右に動きます 一番外の黒い物はフォークエンドに当たる
金物で 5mm の六角の穴が開いています 簡単に外す事は出来ません 




反対側です シルバーのベアリング押しと 黒いエンド金物だけです
エンド金物には 5mm の六角穴が開いています






エンド金物はオスネジが切られ シャフトのメスネジにねじ込まれて
います シルバーのパーツはシャフトに差し込んでありますが
圧入と言う程キツイ嵌め合いでは有りません






さて始めます Super Lube 多目的グリスです 今回の整備では
全てこのグリスを使いました 小指に少量取りました






ベアリングの内輪のシャフトが入る部分に塗布します
潤滑と錆の防止の為に使っています




シャフトの各部にも薄くグリスを塗りました






右側のシルバーのパーツは ネジを回し シャフトの一番
外側に寄せておきます もしネジが固ければ次の工具を
使います






マビックの純正工具で 右側のシルバーのパーツに使う物です






シャフトをシールドベアリングの内輪の中に差し込みます
それ程 力は必要なく気持ち良く入って行きます
奥まで入れれば良いです






右側の状態です 取りあえず奥まで差し込んでいます




ホイールを裏返しました 反対側です シャフトが見えています






シルバーのベアリング押しをシャフトに入れます




シルバーのパーツが入りました 入る所まで入れれば
結構です 自然と止まります






エンド金物をシャフトにネジ込みます 手で締まる
所まで締めています






エンド金物の六角穴にアーレンキーを差し込みます
5mm です






ホイールを反対に向けました 右側のエンド金物にも
アーレンキーを差し込みました




右側のアーレンキーを保持し 左側のアーレンキーを回し
左のエンド金物を強く締め込みます その状態を目視で
確認しながら作業を進めました




左側のシルバーのパーツはこれで表に出て来る事は
有りません エンド金物がパーツの押さえも兼ねています




付着したグリスを拭いておきます 整備の途中でこの場面が
良く出てきますが グリスが付着していると 他の所も汚すので
この手間は絶えず掛けています






ホイールを反転させました 逆側からシャフトを押すと
シルバーのパーツがこれだけハブから出ています 今の
段階ではシャフトは自由に動きます






ここで工具を使い シルバーのパーツを締め込み
ベアリングに適正な圧を掛けます




マビックの工具だけでは回せないので アーレンキーで
シャフトを保持しながら調整を行います





シルバーのベアリング押しは カップ&コーンの玉押しと同様の役目が有り 閉め過ぎると
やはりベアリングの回転は重くなります ガタが無く一番軽く回る所に調整します




その回転具合を指先で感じています ただホイールだけでは
ガタが感じ難いので これは自転車に取り付けてから再調整を
すれば良いと思います






シールドベアリングを使ったマビックのヘリウム
これで回転部分のメンテナンスが完了しました
* このフロントハブのネジは全て正ネジです





今回整備を行ったホイールは 取扱い説明書が 1996年に印刷されているので その頃の製造だと思います
回転部分に不具合は無く良い状態を保っていましたが グリスの手応えがあまり無かったので 新しい物に
入れ替えました これでホイール本体を壊さない限りこの後も長く使えるでしょう

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ハブに シールドベアリングを打ち込む MAVIC HELIUM

2022-11-25 20:08:55 | 自転車整備 ハブ
MAVIC HELIUM マビックの完組みホイールです ハブのメンテナンスを行っています
シールドベアリングを洗浄しグリスアップを済ませました 今回はベアリングをハブに
打ち込みます その作業風景をどうぞご覧下さい





今回整備を進めているホイールは マビックのヘリウム 1996年頃の完組みです
そのハブの回転部分の整備をしています






前回までにベアリングを外し 洗浄~グリスアップまで
済ませています






今回はグリスアップを済ませたベアリングを 打ち込み用の
道具を使いハブ本体に取り付けます






ベアリングは両側シールドですが 片側 ゴムシールド
片側 鋼板シールドです
使ったグリスは耐久性を求め フッ素系の Super Lube を
使っています これは私の今までの経験を基にして選びました




ベアリングはハブの中心に有る ハウジングに圧入します




工具を選ぶ為にベアリングの内径を測ります 17.0mm です




ベアリングを圧入する為の工具から必要なパーツを
選びます






内径に合うアダプターと打ち込み棒を使います




アダプターには段差が付いています 細い部分が
ベアリングの内輪の中に入ります






アダプターをベアリングに入れました 段差の太い方が
内輪に当る様になっています 打ち込む時に力が掛かるのは
ここです




アダプターに打ち込み棒を差し込み この様な状態で
使います






ハブ本体の内側を拭き取っておきます 掃除です






ここに潤滑剤を使います Super Lube の超耐久潤滑剤
指先に取っても流れない程の粘度が有ります




ハブ本体の内側に薄く塗布しておきます 回転性能には
全く寄与しません 錆の防止が目的です






ハブの下にウエスを敷きました 傷の防止です
ベアリングを用意します






ベアリングの金属部分にグリスを塗っておきます ベアリング内部に
使ったのと同じ物です Super Lube 多目的グリス






ケースの外側と裏側の鋼板シールドに塗布しました
これも錆止めと 圧入時の摩擦低減も期待します






ハブに作られたベアリング用のハウジングに ベアリングを
置きます






工具のアダプターを入れました これは幾らかの遊びも有り
簡単に入ります






アダプターに打ち込み棒を差し込みます 先に見える
黒い物は Oリングです 抜け止めです






これで打ち込む為の準備が出来ました
プラハンマーを使います




プラハンマーで慎重に打ち込みます まずベアリングが
ハブのハウジングに真っ直ぐ入る事に神経を集中します
実際には目視に頼るしか有りません






上手く入りました 入り方も注意して見ていましたが
問題は無いと思います




回転具合も良好です






ベアリングが奥まで入った状態です 入り口は径が大きく
スポークの頭が見えています ベアリングはその奥に入ります




反対側に掛かります 手順は同じです






道具をセットし ハンマーで叩きます




ん・・ 入らない 少し斜めに入った様です 抜き差し
出来ません 困りました




仕方が無いですね こんな事もある程度 覚悟はしていました
ベアリングを抜きます






ベアリングプーラーをセットしました ベアリングは
入り口で止まっているだけなので 抜くのはそんなに
難しくは無いでしょ




ベアリングが外れました






もう一度やります






今回はハウジングにベアリングを置き 指先でベアリングを
押し込んでみます
ベアリングが少し入りました 2mm 程度でしょうか






もう一度慎重に打ち込みました 今度は不安なく奥まで
入りました




目視で確認した感じや回転にも問題は有りません
OK です




嵌め合いと言われる工法ですが このハブの様にメンテナンスが
必要な所には それ程キツイ公差では作られていません ですから
今回の様なベアリングの 内輪を叩く様な方法でも大丈夫です





途中で失敗も有りましたが そんな事もあるのが自転車整備です 色々な事を想定
しながら整備をすれば良いと思います じゃ次回はハブシャフトを取り付けましょう
またお付き合い下さい


コメント (4)
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シールドベアリング 洗浄とグリスアップ MAVIC HELIUM

2022-11-24 20:20:45 | 自転車整備 ハブ
MAVIC マビックの完組みホイール ハブのメンテナンスをしています シールドベアリングを洗浄し
グリスアップを行います その作業風景をご覧下さい





MAVIC の完組みホイール HELIUM です 1996年頃のホイールですが フロントハブの
メンテナンスを行っています 今回は取り外したシールドベアリングを洗浄しグリスの
交換を行います






前回までにシャフトとベアリングは外しています






ベアリングを見てみましょう 玉軸受けベアリングと呼ばれる物で
これは両側シールドタイプですが、表と裏でその材質が違います
黒い方がゴムシールド 片方が鋼板シールドです 残念ながら
品番は読み取れ無かったです




内部を洗浄する為にシールを外します 先の薄い道具を
用意します 上手く使えばカッターでも良いですがゴムに
傷が付かない様に注意が必要です






ベアリングの内輪とシールの間に道具を差し込み
ゆっくりとシールをめくります あまり無理は
しない方が賢明です






外れたシールは 薄い金属板にゴムがコーティングされています
無理をするとこの金属が歪みます






回転は凄く滑らかです 内部の汚れも余りありません
片側の鋼板は外せないので ここから洗浄に掛ります






どの様なグリスなのか 少し取ってみました






あまり伸びない結構固いグリスです ベアリングを回すと
かなり軽いのは このグリスがボールに回っていないのかも
分りません




ベアリングの洗浄をします 新たに使う潤滑剤に依っては
完全に脱脂をする必要が有りますが 今回はそこまで行いません






ベアリングをステンレス容器に入れ パーツクリーナーを
スプレーします 噴射圧にも助けてもらいます






スプレーするだけで多くのグリスが溶解されています
それをさらに ブラシで擦ります




エアーブロワで洗浄液を吹き飛ばします 写真はここで
写していますが外での作業です






汚れた洗浄液は捨ててから同じ事を繰り返します




容器の底には不純物が沈殿します 金属粉らしい物も
混ざっています




パーツクリーナーが濁らなくなるまで繰り返し
洗浄液が透明になれば完了とします






残った洗浄液で他のパーツも綺麗にします




ハブ本体のボールレース ハウジングも綺麗にしておきましょう






洗浄が終わったベアリングです 実はこの状態が一番軽く回ります
水でも掛ければもっと回るでしょう ただ負荷が掛かっていなければの
話しです 
優秀な潤滑剤を使い根拠が有れば別ですが 空転させての軽さはあまり
追い求めなくて良いと思います




ベアリングの外輪には色々な情報が印字されています
今回は FRANCE 程度しか読めませんでした




ベアリングに新しいグリスを入れます




今回は Super Lube の多目的グリスを使います フッ素系で耐久性も
有ります むしろ少し使ってからの状態が凄く良い事に気付きました
先程言った 優秀な潤滑剤を使おうかとも思ったのですが、スペアの
ホイールにそこまで必要は無いと思いこちらを選択しました




シールドベアリングのボールとケースの隙間に 効率的に
グリスを入れる為に シリンジを使います






筒の中に必要量グリスを入れました ただこの様な形状の物は
試合会場などには持って行かない方が良いでしょうね
誤解を生む様な物は 整備場所だけで使う物です






ベアリングの隙間を狙ってグリスを入れて行きます




指で押し込んだり 回転させながら奥の鋼板側にも
入る様にします






グリスが奥に入り嵩が減ると同じ事を繰り返します
ボールを押えている保持器の表面には必要が無いですが
これは仕方が無いですね 多目に入れておきます






これで落ち着きました シールを用意し蓋をします






シール材の金属側にもグリスを塗っておきます






ベアリングにそっと当て シールを元の様にはめ込みます
それ程、難しい作業では有りません




シールが上手く復旧出来ました 回転も問題は有りません






もう一個も同じ手順で済ませました





今回のグリスアップ 密閉された物を開封するのは多少のドキドキ感は有りますが
これだけ自転車にシールドベアリングが使われると これからも避けられない整備ですね

回転の状態は整備前よりはるかに重くなりました これは内部にしっかりとグリスが
行き渡っている証しです 特別な事はしていないのに 空転させて妙に軽い回転部は
点検した方が良いかも分りません さて次はシャフトを組み立てます

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ハブの シールドベアリングを抜く MAVIC HELIUM

2022-11-22 20:07:01 | 自転車整備 ハブ
MAVIC マビックのホイール HELIUM に使われているフロントハブの整備をしています
今回は圧入されたシールドベアリングを 専用工具を使い外します 作業風景をご覧下さい





MAVIC の軽量ホイール HELIUM 古いホイールですが フロントハブの整備をしています
使われているのは シールドベアリングです 今回はそのベアリングを抜きます






前回にハブシャフトは外しています




今回はこの圧入されたシールドベアリングを抜きます
回転は滑らかです




ベアリングを抜く為に ベアリングプーラーを使います
内掛け用です






ベアリングの内輪の内径を測ります




17.0mm です これに合った工具を使います






ホイールを寝かせました ベアリングを抜く前に
一つパーツを外す必要が有ります




先の尖った物を用意しました これはソルダーエイドです






ハブの内側 ベアリングの外側に樹脂製のカラーが入っています
一ヶ所 切れ目が有るので そこへ道具を差し込んでいます
そっとカラーを外しました




カラーの内側にはスポークの頭が有ります スポークを
交換する時も同じ作業が必要ですね




では始めます ベアリングの内径に合ったアダプターを
選びます






ベアリングにアダプターを差し込みます




道具はまだ必要です






プッシュボルト 先が尖った形状をしています
先程のアダプターの中に入れます アダプターにはメスネジ
プッシュボルトにはオスネジが切られています






アダプターとプッシュボルトにモンキーレンチを使います
プッシュボルトを締め込みます






プッシュボルトを締め込む事でアダプターの先が拡がり
ベアリングの内輪に当り 引っ張っても抜けなくなりました




本体をセットします






ハブ本体に傷が付かない様に ペーパーウエスで
養生しました






本体をセットし ボルトの上部にアーレンキーを使います
アーレンキーを保持し その下のナットを締め込みます
これでアダプターを引き上げます






手応えを感じながらベアリングが抜けて来ます




ベアリングが抜けました






このタイプのベアリングを抜く時は 内輪に道具を掛け
引き抜くか 裏側から叩くしか方法は無いですね




ベアリングが圧入されていた ボールレース=ハウジングも
綺麗な状態です






アダプターの先が拡がっているのが解るでしょうか
これをチャックと呼んでいる人も居る様です






反対側も作業手順は同じです




こちらのレースにも異常は有りません 古い割には
綺麗だと思います




今回シャフトとベアリングを外す為に使った工具達です





今回外したベアリングは再利用します 回転具合は 驚く程 軽く回っています
それが良い事だとは一概には言えないので これから洗浄しグリスアップを行います
次回もその様子をご紹介させて頂きます どうぞお付き合い下さい

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