前回分解したトラック用ハブ DURA ACE ダストキャップに Shimano DURA ACE T110 と
言う刻印が有りました 今回はグリスを入れて組立調整します
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ホイールの手入れの一環でハブの整備を行っています
前回分解し汚れたパーツの洗浄までが終わりました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/1e/5708f11e6ac3ca6fdf3dca1cf9b0e3a2.jpg)
洗浄しながら各部を点検しましたが特に悪い所は無く
スチールボールもこのまま使えそうです
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ボールのサイズは 呼び径 1/4 直径 6.3500mm の物が
片方に 9個使われています
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今回はこのグリスを使う事にします フィニッシュライン
テフロングリス 水に強い事を全面に謳っています
この頃の防水の事を全く考えていないハブには良い
のじゃないでしょうか
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シャフトに薄くグリスを塗っておきます 防錆が目的です
回転性能には全く関係有りませんが こうしておくと
何時までも綺麗な状態を保っています
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ハブ本体の玉受けにグリスを入れます この様に
ダストキャップが有るタイプで 普段使いの物には
キャップの裏側までグリスを入れます、こうする事で
グリスの内圧で水の浸入も有る程度防げるでしょう
これは実験をした事も有りませんが 昔からこの様にして
整備を行ってきました 実際オールドカンパのハブでも
新品は結構な量のグリスが使われています
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ボールを内部に並べます する事は左右共同じです
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ここで玉押しを一度入れ
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仮に回してみてその状態を見てみます グリスの量も
確認すれば良いですね
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/61/77257ac621b99d298beecced124dfcab.jpg)
ここでこのハブの事に少し触れておきましょう ダストキャップに DURA-ACE-T110
と言う記号が刻印されているのでこれが品番だと思いがちですが このハブは現行の
DURA ACE HB-7600 の一つ前の商品で T110 と言う刻印は
※ エンド幅110用のダストキャップの意味です。ロード用や120用は膨らみのあるキャップで、
110幅はいっぱいに詰め込んだ玉押しにハブスパナを掛ける為、膨らみの無いキャップでした。
上記、現役を引退されましたが深い知識をお持ちの元競輪選手の方に教えて頂きました
ではこのハブの品番は これは私が調べると DURA ACE HB-7520 おそらくこれで
間違いは無いと思います 1982年のカタログには記載されていますがそれ以上は
私には分かりません もし詳しくご存知の方がいらっしゃれば是非お教え頂ければ
幸いです
作業に戻ります
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玉押しなどを組み付けたシャフトを差し込みます
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こちら側にも回転部分のパーツを組んで行きます
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最初に玉押しを奥までねじ込みます
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/e6/48b4757523b728cb21a086f8330f3ba5.jpg)
内部に突起が付いた舌付ワッシャー ロックナットの
順にシャフトへ装着します
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/e0/c1c1dde39912b3ae2886f8754130ac37.jpg)
玉押しに使う工具は 14mm のハブスパナ ロックナットには
モンキーレンチを使い 玉の当り具合=回転具合の手応えを
感じながら 丁度良い所でお互いを締め込み、双方のネジを
ロックさせます
この様にグリスの量も多く使い普段使い、練習用の回転部は
あまりギリギリ一点の調整より やや渋めの方が良いと思います
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はみ出したグリスは綺麗に拭き取ります 放っておくと
埃を呼ぶだけです
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外していた小ギアを付けます ここのネジ部にもグリスを
塗っておきます Super Lube を選んだのははみ出しても
あまり汚れが目立たないだけの理由です
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/25/af823deaf88120760e8a89800a50478a.jpg)
小ギアをハブにねじ込み 締め込みはチェイントを
使います チェーンの掛ける方向に注意して下さい
ここは ※ 正ネジです
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作業台の上では無く下に降ろして作業をします
確実に強く締め込んで下さい 左のハンドルを
下方向へ押え力を掛けています
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ロックリングにはフックレンチを使います
ここは ※ 逆ネジです やはりホイールを
下へ降ろして作業をします これは工具が
良く滑るので怪我をしないで下さい
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このハブは両切りです 左右の小ギアを装着しました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/2c/510f03b0ca7f8129bf12497a90a09391.jpg)
ハブナットとチェーン引きにもオイルを塗布しておきます
これは Super Lube の超耐久潤滑剤 かなり持ちの良い
潤滑剤です
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/cc/61326fca95a9be4f71177d52c04e5b18.jpg)
これでリアホイールは完了です
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/df/9a5e4fbc38a3432639187a760a14adc4.jpg)
次はフロントに掛かります
フロントの玉押しに使うハブスパナは 13mmです
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/45/1db35d4790219edd5695f65467a6cc91.jpg)
回転部分の構造と分解の方法は後ろと一緒です
ただこのハブ 左右で内部の状態が違います
一方はグリスもそれ程悪く無かったのですが
片方は随分錆が回っています
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/fe/8478c5bae3790bdfd145068993de7963.jpg)
分解したパーツをパレット上で良く見てみます
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/82/b258743337ed6ebc25ee4c11cb2707a5.jpg)
こちらは汚れは有りますがグリスはまだ潤滑剤の
機能を失っていません
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/bc/df0424ceca59d2135e5d15c3e639e5f8.jpg)
こちらは錆が良く回っている方です 玉押し辺りも
グリスが乳化していますね、これを見ても水分の
混入が有った事が想像できます
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ハブ本体に併せ各パーツも洗浄しました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/4c/1997d12627d0e91761b6394a8d7a6e57.jpg)
こちらは錆の無かった方のボールです 交換する
程ではありません
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/3d/64ec600901d3fb5413b9c4b6169b877b.jpg)
こちらは錆が回っていた方で 錆の出ていた物と
そうで無いものが有ります でも綺麗な方でも目視で
真球でないのを感じます
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/ef/4f9930550d38608e77e6bc502f88fa3b.jpg)
片方のボールは全て交換しましょう 使われているのは
呼びが 3/16 直径 4.7625mm が片方 11個です
このサイズのスチールボールの重量は 1個どの位だと
思います? 0.4395g なんですよ
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前後のハブのグリスアップも終わりました 使わず保管していたホイールですが
やはり使ったまま埃に晒すのは良くないです 保管する時は特に汗などは良く
洗い流し ホイールバックに入れておくのが傷まなくて良いですね
肝心な今回のハブは 今迄の使われ方が分らないので正確な評価は難しいですが
特に良し悪しを感じる処は無く、この程度の工作、精度なら他の物と差異はそう
無いと思います
前回の記事
【 ピスト用ホイールの 手入れ 】