Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

カンパ ピスト用ペダル メンテナンス 組立・調整

2013-06-28 20:52:31 | 自転車整備 ペダル
前回洗浄をしたカンパニョーロのピスト用ペダル スーパーレゲロ
今回はグリスアップと調整を行います





カンパニョーロ アルミのアウタープレートを使ったスーパーレゲロ 同じ容姿で
チタンシャフトのスーパーレコードも存在します 前回に各パーツの洗浄が済んで
いますので今日はグリスアップを行いましょう




今回使う工具達 左よりプライヤー、11mm スパナ、
モンキーレンチ、13mm スパナ、そしてピンセットを
用意しています






今回のグリスはこれで行きましょう オールドカンパ時代の
カンパグリス 製造が中止になり久しくもう手に入れる事は
出来ません 現在程ケミカル品に恵まれなかった時代に
これでトラブルが全く無かった優れたグリスです






では右側から始めましょう シャフトは左右で違うので
注意して下さい 右側には D の刻印が有ります






ペダル本体の玉受け部とその周りにグリスを塗布
します






両方のボールレースにグリスを入れました これから
並べるボールが落ちない程度は塗っておきましょう






ボールをピンセットを使って並べました この後反対側も
同じ作業を行いますが ボールが落ちにくいクランク側から
作業を進めた方が良いでしょう








ここで一旦シャフトを挿入しボールを回してやりましょう
ボールの状態やグリスの量の確認と、これでボールが
落ち難くなりますね






反対側の玉受けにもボールを並べました








こちらも玉押しを仮に装着し指先で回してやりましょう
この辺りは面倒だと思わずに 一つづつ確実に作業を
進める意味でもした方が良いと思います






シャフトにも薄くグリスを塗りますこれをしておく事で
長年経っても綺麗な状態が保てます ダスト排出用の
溝にもグリスを塗っておきます ここにはグリスを
使った方が水も回り難いので溝が埋まる位の量を
使います








準備が出来たシャフトを本体にそっと入れます
グリスの量の調整はここ迄に済ませておきましょう






ペダルの外側の玉押しをネジ込んで行きます
※ 正ネジです




ここで注意するのは 玉押しを入れて行くと良く
ボールが重なる事が有ります こうなるともう一度
ボールを行儀良く並べ直し、やり直しです




ボールも綺麗に整列しました








舌付ワッシャーを入れます やはり薄くグリスを塗布






ロックナットを入れます






次は回転の状態を確かめ玉当りの調整です
ガタが無いか指先で感じる作業です






ペダルの取付け用部分にモンキーレンチを掛けます
スパナを使うなら 15mm のサイズです




カンパのロックナットには 11mm のスパナ これは
ペダルに依り違うのでそれに応じた工具を使います





ペダルシャフトを押えロックナットを締め込みます ナットを締めるまでに
一番良い回転状態を感じておきます ナットを締めてからその状態が保てていれば
玉当りの調整は成功です






ただそう上手く行かないのがこの調整 自分で
気に要らなければ何度でも調整を繰り返します
玉押しを微調整するのに 13mm のスパナを使って
います 

自分が妥協出来ずにいると満足出来るまで 数十分
掛る事も有るのがこの工程・・・






その様な自己満足に近い調整を終えるとダストキャップを
取り付けます このネジ部や裏側にもグリスを塗布ここは
防水効果も狙っています






ペダル本体にねじ込み最後はプライヤーで締め込み
樹脂製のキャップに傷が付くので少し嫌なのですが
ここが緩いとキャップが緩み、無くす事になります






キャップ周りや他の部分も はみ出したグリスは
綺麗に拭き取ってやります




これで回転部分のメンテナンスは完了です








折角だからピカールでアルミの素地部分を磨いて
やりましょう カンパのアルミは妖艶な艶が出ますよ

PATENT CAMPAGNOLO MADE IN ITALY 素敵な
文字です





メンテナンスは完了しました この様に何時使うかその予定があるのかも
解らない保管部品ですが 良い状態を保っておきたいと思っての作業です
今回触っていて感じるのはこの古い時代のカンパグリス これは理屈抜きで
良いですね 良い味を出してくれます

前回の作業 【 カンパ ピスト用ペダル メンテナンス 洗浄 】

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カンパ ピスト用ペダル メンテナンス 洗浄

2013-06-26 20:34:25 | 自転車整備 ペダル
前回メンテナンスの為に分解した Campagnolo カンパニョーロのピスト用ペダル
スーパーレゲロ 今回は各部の清掃と洗浄を行いましょう





今回の部品の洗浄には Spin のパーツクリーナーを使います 
最近はこの洗浄力が素晴らしいので良く使っています






回転部の潤滑剤は Microlon マイクロロンの
ルブリカントですが グリスアップ後使わずに
5年程置いておいたらブルーの物がこんな色に
変色しています

マイクロロンは水が回ったり 空気に触れたまま
放置すると退色するのは経験上解っていましたが
ジッパー付きのビニール袋で密封していたのに
とても不思議です






細かな部品達を茶こしに入れパーツクリーナーに
浸けてやります






ボールの接触面だけでなくネジの部分なども
ブラシなどを使い綺麗にしてやります そして
ウエスの上に上げ綺麗に拭き取ってやれば良い
ですね






ペダル本体の玉受けも綺麗にします ウエスに
パーツクリーナーを染み込ませ古い油脂を拭き取ったり
ブラシで洗ってやれば、なお良いと思います






両方の玉受けが綺麗になりました ペダルの胴部分も
細いブラシを差し込み洗ってやっています






ペダルキャップ これなんかは回転性能と関係は
無いのですが 部品を綺麗な良い状態に保つ為には
丁寧に掃除をしてやる方が良いですね




全てのパーツの洗浄が終わりました 気持ちの良い
くらい綺麗になりましたよ





気持ちが良いですよね とても40年程前の工作には見えません
シャフトの螺旋状の溝は汚れが中に入らない様に加工されています





最近は上位等級のスチールボールの事が語られる様になりましたが
40年以上前の時代 国産の他の物と比べるとこの鋼球を見ただけで
気持ちが吸い込まれそうになりました とても綺麗なボールだと思います

次はグリスアップをしてやりましょう さてグリスは何を使おうかな・・・

前回の記事 【 カンパ ピスト用ペダル メンテナンス 分解 】

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カンパ ピスト用ペダル メンテナンス 分解

2013-06-24 20:54:28 | 自転車整備 ペダル
1974年に登場した Campagnolo カンパニョーロ・スーパーレゲロのピスト用ペダルを
メンテナンスします






カンパニョーロ最初のペダルは 1950年発売の
初代 RECORD これは鉄のプレートを使ったとても
耐久性の高いものでした

今回メンテナンスをするのはアウタープレートが
アルミになったスーパーレゲロの未使用品です




実はこのペダル カンパの純正グリスが固く
なって来ていたので 2008年にマイクロロンを使い
一度グリスの入れ替えを行っています それを
もう一度グリスを替えてやります




このペダルの整備に使う工具はこれだけ 他のペダルも
基本は大きく変わりませんので今回の行程はお役に立つと
思います






まずペダルキャプを外します これには専用工具が
有りますが私は持ち合わせていないので 傷が付くのを
覚悟の上でプライヤーでネジを緩めます ※ 正ネジです






キャップを外すと回転部分が見えます 構造は
カップ&コーンです






ペダルのシャフトに小さなモンキーレンチを掛けます
スパナを使うならサイズは 15mm






ロックナットには 11mm のスパナです






ロックナットを緩め取り外します ※ 正ネジです
舌付ワッシャーが玉押しに埋め込まれた状態に
なっています






玉押しとワッシャーを一緒に外してしまいます
ここは 13mm のスパナ ※ 正ネジです
ゆっくりと玉押しを緩めるとワッシャーも一緒に
付いてきます もし固ければ先に舌付ワッシャーを
外してやれば良いですね






カンパはこの様にワッシャーが玉押しに埋め込まれ
面が平面になる様になっています 綺麗な工作ですね




ペダルの表側のスモールパーツはこれで外れました






シャフトを抜きましょう ボールを無くない様に
注意が必要です




スチールボールを玉受けから取り出します






表も裏も全てのボールを取り出しました






これでペダルの分解は完了です





反対側のペダルもする事は一緒です 玉押しを
外す時固ければ 先に舌付ワッシャーを外すと
軽く回る様になります






シャフトには色々な情報が刻まれています
BREV CAMP カンパニョーロの証し
9/16×20 ねじの規格ですね ネジの外径が
14.29mm ねじ山が1インチ辺り 20山です






右側のシャフトには D の文字が有ります Destraの
略かな 左側は S の刻印 イタリア語の Sinistra
でしょう
ペダルの取付けネジは 右側正ネジ 左側逆ネジです




玉押しには CAMP と 7×075 の文字が有ります
これもネジの規格でしょう でもミリネジの
7mm ってあまり見ないですよね






スチールボールは 5/32 3.9688mm です
これが一つの玉受けに 12個使われています





今回のメンテナンスは使ったマイクロロンのルブリカントが硬化し全く回らなくなった為で
今回やっと重い腰を上げました この様な状態の物がまだ数ペア有りますそんな可哀想な
部品たちも続いてやってあげたいですね 次は洗浄をしてやりましょう

マイクロロンは使わず保管しておくと こんな症状が出ます 【 マイクロロンの 不具合 】

次回の記事 【 カンパ ピスト用ペダル メンテナンス 洗浄 】

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オールドカンパ ハブのグリスアップ

2013-06-22 20:48:38 | 自転車整備 ハブ
前回分解し各パーツの洗浄が終わったオールドカンパと呼ばれる
Campagnolo RECORD ハブ 今回はグリスアップをし組立、調整を行います






前回丁寧に洗浄した回転部のパーツ達 今回は
グリスを使い組立と調整を行います

選んだグリスはフィニッシュラインのテフロン系
Premium Teflon Grease 今回初めて使ってみます








回転部の組み立ての前に 洗浄に使った Spin スピンの
パーツクリーナーがかなり強烈に油脂類を落すので
シャフトの内部や 分解していない方の玉押しのねじ部に 
粘度の高い Super Lube スーパールーブの超耐久潤滑剤を
塗布しておきます エアーブロワで穴やネジの奥まで送って
やりましょう






じゃテフロングリスをハブ本体の内部に塗布してやります
このグリスは白い色で少々柔らか目かな・・






小指などで内部のボールレースなどに塗り拡げて
やります 後でグリスの量は調整すれば良いので 
ここではスチールボールが落ちない程度の量に
しておけば良いですね






スチールボールを並べて行きます 今はボールが
グリスで引っ付いている状態ですね






両方のボールレースにスチールボールを入れたら
ここで一旦シャフトを差して回転具合を見てみましょう
これは左右する事は同じです





グリスの量もここで確認します 丁度良い位の量ですが、試合で使うホイールなら
もう少し少なくても良いかな? また普段の練習で使うのなら防水対策も考慮し
もう少し量を増やしても良いですね これは使う環境で変えれば良いと思います

私は分解した時の水の回り具合を考え 今回はグリスの量をもう少し増やしました








シャフトを装着する前に薄くグリスを塗布 こうする
事で長年経ってもシャフトは綺麗なままです
CAMPA の刻印・・・






シャフトをハブ本体に取り付け






次は反対側から作業をします 最初に
玉押しをねじ込みます ※ 正ネジです






舌付きワッシャー








ロックナットを締め込みこれでパーツは全て
組み付けました






カップ&コーンの回転部はここからもう一仕事
指先で回転状態を確認し ガタが出る一歩手前で
玉当りの調整 

玉押しに 13mm のハブスパナ ロックナットに
モンキーレンチを掛け玉押しを固定します この
写真であれば 左右の手を内側へ力を入れロック
ナットを締め込んでいます






そして回転状態を確認 この作業は一発で決まらなければ
納得出来るまで何度も作業を繰り返します そして完成です






スペアホイールとして保管してあるホイールですが
保管していても良くなる事はまず有りません 時間が
有る時にチェックはする様にした方が良いですね





1970年代初期の Campagnolo RECORD ハブ このハブの回転性能は
今の物と比べても引けを取らないですね こんな時代にこの様な物を
送り出したのが、カンパニョーロの凄い処じゃないでしょうか

今回使ったフィニッシュラインの プレミアムテフロングリス 
整備を進めながら感じたのは 私が今迄使って来たグリスには
何か特徴が有るのですが 今回は特にその様な事を感じ無かったですね 
少し柔らかな普通のグリスかな

前回の記事 【 オールドカンパ ハブの洗浄 】

コメント (4)
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オールドカンパ ハブの洗浄

2013-06-20 20:19:43 | 自転車整備 ハブ
先日ハブを分解したオールドカンパと呼ばれる Campagnolo RECORD ハブ
今回は回転部分の洗浄を行いましょう






パーツの洗浄には以前に使った SPIN スピンの
パーツクリーナーを保管して有るのでそれを
使います 前回洗い落とした油脂類はビンの
底に沈殿し綺麗な上澄みが出来ています




そして小さなパーツの洗浄には 自分で取っ手を
取り付けた茶こしを使ってみましょう






まずはハブシャフトやその周りのスモールパーツから
洗います ビンの底に沈んだら取り出すのが難しそうな
物を茶こしに入れました






おお、中々良いじゃないかとニンマリとする






茶こしの中のパーツをステンレスのマドラーで
傷が付かない程度にシャカシャカと洗ってやります






洗浄が終わると茶こしを上げ ウエスの上に
パーツを拡げ 綺麗なウエスで拭いてやります






シャフト部分も綺麗にしてやります シャフトの中は
可愛いブラシで洗ってやりました




次はハブ本体のボールレースを綺麗にします
ここは余程周りも汚れていたら洗浄するのが
良いと思いますが 今回の様にハブフランジも
綺麗な状態なら古い油脂類を拭き取ってやるだけで
良いでしょう






そんな時の為に前回のハブのメンテナンスに使った
これが良かったので今回も使う事にします 
主に女性がお化粧水や除光液を入れて使う物です






蓋を開け内部のポンプを押してやると ウエスに
適量のクリーナーを染み込ませる事が出来ます

ただどの様なパーツクリーナがこの容器にダメージを
与えるかまでは私には全く解らないので 
それに関しては私自身で試行中と言う処です 
今の処、スピンのパーツクリーナーは大丈夫ですね






パーツクリーナーで湿らせたウエスで ハブ内部の
玉受けやダストキャップの裏などを綺麗に拭き取って
やります




ハブボディの内部もウエスを通して拭いてやると
性能には関係は無いですが 気持ち良く使えそうでしょ?






清掃後のボールレース、折角だから良く観察をすれば
良いですよ 玉当り部分の傷もなくとても良い状態です






この時代の部品はアルマイト加工がされていない物が
多くあります このカンパニョーロのハブもアルミの地肌
そのままです 磨き易い今の間に一手間掛けてやれば良い
ですね






カンパのハブはとても深みの有る艶が出ます
これもカンパが好きになる一つの要因だと思います





自転車愛好家が皆憧れた CAMPAGNOLO RECORD 40年以上経った今も輝き続け
現役で頑張っています 素敵な奴ですよね 次回はグリスを使い回転部分の調整を
行いましょう

前回の作業 【 オールドカンパ ハブのメンテナンス 】

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