岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

なでしこ フランスを退けることができた理由

2012-08-07 07:55:52 | オリンピック、パラリンピック


今のなでしこジャパンには、天も地も味方しているのではないかと思う。

フランスとの準決勝も、フランスにとってはあまりにも不運な試合だったように見える。

前半の失点は、日本にとって初めてのシュートをフランスGKがファンブルしてしまう。
2点目の失点は同じく宮間からのフリーキックを坂口に頭で合わされてしまう。

その後の猛攻に1点を返すと、ペナルティ・エリア内で坂口がファールをおかしてくれたのだが、この絶好にチャンスにPKを外してしまう。

その後も猛攻を繰り返すが、ことごとくGK福元にセーブされる。

フランスは不運だったのか。

そうではないと考えることができる。

まず、なぜ宮間の二つのフリーキックがゴールにつながったのか。
これは心理的な要素がとても大きいと思われる。

宮間のフリーキックの怖さは世界のチームに知られている。
ゴールされるかもしれないという恐怖感が心身の緊張につながり、フランスの守備陣の動作をぎこちなくさせていた。
GKの反応を見れば明らかだ。
ボールが手につかずファンブルしてしまう。
すばやく反応した大儀見のスライディングがゴールにつながる。
防げるボールをゴールにしてしまう。


宮間の2本目のフリーキックにしても、守備陣はボールを目で追い、棒立ちになっていた。
フリーになった阪口がゴール隅に決める。

阪口は、宮間から絶好のボールが来ると信じ、練習通りの動きで仕留める。


最後はフランスのPKの失敗があげられる。
これは福元が重ねた好セーブを見せられていることによる。
コーナーを突かなければ入らないと思わされてしまったキッカー。
なでしこが世界一になったという実績がフランスにあのようなミスを犯させる原因のひとつになっている。

このように考えることができるなら、アメリカとの決勝戦はお互いの心理状態によって勝敗が分かれると考えていい。
アメリカにとっての「なでしこ」のイメージは7月の強化試合ではなく、昨年のワールドカップの決勝だろう。
ゴールを決めても決めてもあきらめることなく追ってくるなでしこ。
アメリカがその幻影にも攻められるなら、ワールドカップの再現も十分ありえる。

本当に楽しみな決勝となった。




最新の画像もっと見る