岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

映画「The Lady アウンサンスーチー 引き裂かれた愛」 リュック・ベンソン監督

2012-09-26 20:34:10 | 映画・DVD 
久しぶりに映画館で映画を観ました。
楽しい映画ではないことわかっているのですが、観なくてはならないと思っていました。

この映画は、1988年から99年までの10年間を扱っている。
88年、イギリスで生活していた彼女のもとに、祖国の母の病状悪化が伝えられます。
看病のために帰国するのですが、入国時から彼には軍による監視がはじまります。
父である故アウンサン将軍は「建国の父」と称され国民の人気は絶大であり反政府運動のシンボルになっていた。
その娘が帰国した。
国民の期待がアウンサンスーチーに向かう。
彼女は否応なく時の権力者である軍と対峙していくことになる。

しかし、この映画の主題は「鉄の蘭」といわれる彼女の精神力だけではなく、
一人の女性として妻であり母である彼女の愛と苦悩を描くことにある。

夫、マイケル・アリスは大学時代の一年後輩に当たる。



結婚して二人の息子を授かる。
ロンドンで生活をしていた4人は、88年彼女のビルマ帰国によって離れ離れになってしまう。
彼女がイギリスに戻ればビルマへの再入国は認めらない。
夫と息子がビルマ訪問をするしかない。
それさえ容易なことではない。

98年、マイケルが前立腺ガンに侵されていることがわかる。
夫のビルマ入国は許可されない。


国民の期待を一身に受け公人として生きていくアウンサンスーチーの愛と苦悩に涙しない観客はいなかった。

アウンサンスーチーの自宅軟禁が解かれたのは2010年。
この映画ではその半分しか扱っていない。しかしこの10年さえとてつなく長く感じた。

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