岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

『検証会議』 ハンセン病と闘った人達に贈る書 

2008-08-05 20:35:55 | ハンセン病
全療協(全国ハンセン病療養所入所者協議会編 
光陽出版社 
2005年4月10日発行

『検証会議』については、その使命の大きさが注目された。
 この本の序文に、ハンセン病問題検証会議の座長であった金平輝子(元東京都副知事)が
書かれている内容を要約したい。

○検証会議は、2001年熊本地裁の判決を受け、国が設置した。
目的は「ハンセン病政策の歴史と実態について、科学的、歴史的に多方面から検証を行い、
再発防止の提言を行う。第三者調査機関である。

○検証会議が設置されたのは、2002年10月。判決後、1年5か月がたっていた。

○2005年3月1日、尾辻秀久厚生労働大臣、に手渡された検証結果報告書は、本文886ページ。
胎児等標本調査結果報告ならびにハンセン病に関する被害実態調査および関係書類を
含めると約1500ページにおよぶ大部な報告書になる。

○検証するにあたっての基本姿勢
 被害者すなわち患者、入所者の立場で考える。
 被害の現場に立って考える。
 被害者・当事者・関係者からの“聞き取り”重視
 資料に基づく検証と情報開示
検証会議は公開で行う

○ハンセン病問題検証会議は2005年3月末に、検証の任務を終え、解散した。
最終会議の席上、“検証会議による検証は終えるが、ハンセン病問題に対する検証はこれからーとの意見が交わされた。
検証は委員ひとり一人に受け継がれた。

○全療協が検証会議の全過程を取材し、報道した。その内容が、一冊の本となった。この本である。
○読み始めていますが、ブログでさわりを書くのは、今の私には荷が重いので、
読了後に、少しまとめてみようと思います。
大きな岩壁の下で悩むクライマーの気分です(そんないいのもかの声あり)。

※写真は長島愛生園 岬にある愛生会館と教会。先の島には長島神社があります。
入園者自らの手造りである。

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2 コメント

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大きな岩壁の下で (bonn1979)
2008-08-06 21:43:05
登山家でもある岩清水さんらしい
感想ですね。

ハンセン病の問題には
日本の社会福祉学の
日本社会の原点が凝縮されていると
貴ブログのこれまでの記事からも
その山の大きさがうかがえます。

貴ブックマークから
「検証会議」にアクセスできました。
金平輝子さんには都立の非常勤をしていて
井上英夫さんは金沢の時に
窪田暁子先生とは学術会議で介護問題をやって
・・昔、お世話になった方が入っておられて懐かしい想いです。

遠くから、今後の展開・進化を期待しています。
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つながり (岩清水)
2008-08-07 04:30:29
コメントありがとうございます。bonn79さんの人脈の広さに驚いています。
心強い限りです。
再就職(地域包括)しましたので、ブログや読書に
かける時間が制限されますが、なんとか進めていきたいと思います。
よろしくお願いします。
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