久しぶりに妻と映画に行く。月に一度くらいは行きたいね、などと言いながら果たせていない約束です。
映画館が近くにありながら行かないというのも、もったいない話ですが、これが都市生活というものなのでしょうか。
さて今日は
■多様性の豊かさ~選べるということ の1本です。
【多様性の豊かさ~選べるということ】
久々に妻と映画に行った。今日はJR札幌駅の駅ビルに入っているシネマコンプレックスの札幌シネマフロンティアへ行った。
このシネマフロンティアにはスクリーンが12面あって、人気のある映画は複数のスクリーンで上映するし、人気の低いものは同じスクリーンの時間を区切って上映している。
今回は職場の厚生事業の一つとして、市内のシネコンの鑑賞券を割安で購入したものを利用したのだが、こちらのシネコンのものは有効期限が今月末までだったのである。
人気の映画をネットで調べてみると、 観客動員数1位は「私の頭の中の消しゴム 」、2位は「ティム・バートンのコープス・ブライド」、3位は「チャーリーとチョコレート工場」の順となっている。
私としては、(せっかく広い映画館で臨場感溢れる映像を観るのだから、静かなドラマよりはスペクタクル系が良いだろう)と思う質なので、ベスト3をはずして、第4位の「ステルス」を観てきました。
映画の詳しい論評はしないけれど、まあアメリカ的ご都合主義が満載のVFXスペクタクルでした。お金を払ってみるほどの事はないかもしれませんが…。
* * * *
しかしこれだけ多くの映画の中から観たい映画を選ぶ事が出来るということは一般的には都会生活の幸せなのだろう。
町の中にはレストランや居酒屋さんが溢れているというのに、一生かかっても行く事が出来はしないに違いない。それでも、自分が行かなくても支えられているお店が多いという事は、自分が選ぶ立場とすれば自由度が高くて喜ばしいことだと多くの人が思っている事だろう。
都会生活が田舎生活に比べて魅力的なのは、誰からも監視されない匿名の自分でいられる事と、生活のツールを選べるからだと思う。
掛川にいたときは、いわゆる「まち」と言われる中心的な市街地は駅前の一つしかなくて、馴染みの飲み屋さんもほぼそこに集中しているのだった。
行くとなると必ずいつもの居酒屋で、そこの次はどこそこ、と道順が決まっていくのだった。
行った事のない店を探すのが難しいのが田舎の悲しさと言えば、それはそうかもしれない。しかしそのことを「選択出来ない不自由さ」と嘆くのでなく、馴染みの店があるだけと考えれば、それはそれで都会に比べれば不自由だけれど、都会と比べて不幸かというとそうでもないような気がする。
都会に比べると不自由だが、
別に都会にいても、馴染みの店が100軒も200軒もあるわけでもなく、広いススキノと言っても行く店はせいぜい決まってくるのではないか。
若者にはつまらないのかもしれないが、自分などはそろそろ新しい店を開拓する事よりも、新しい人を開拓する方が面白くて興味深くなってきた。
店も人も多いのが都会なのだが、縁のない店や縁のない人がただ多いだけだ。とも言える。
与えられている条件を嘆いてなんとか改善したい、という意欲はそれはそれで良いとしても、だからといって変わらない事を嘆くほどの事もあるまいとも思うのだ。
そんなことを嘆く暇があったら、せいぜい縁のない店や縁のない人との縁を結ぶ努力をする方が建設的のように思う。
都会には縁のないバスが多く走り、縁のない店が多く溢れているような、無駄を前提とした空間だ。
そういう空間の価値観を絶対と思わずに、エコだとか繋がりだとか、それとはちがう方向の価値観の軸で都会に勝っていれば良いのではないか。そしてそれがやせ我慢や虚勢ではなく、どうどうと誇りに思って自慢していれば、逆に都会の方が振り向いて来ると思うよ。
それを堂々とすることが生涯学習そのものなんだけどな。
* * * *
中学校の近くに「K書房」という本屋さんがある。
学校の近くの本屋さんというと、しばしば利用の中心である子供に媚びてコミックや雑誌を中心に置きたがるのではないかと思うのだが、ここはわざわざ「売れない文庫フェア」というのをやっている。
店内ではコミックの占める割合が極めて少なくて、岩波文庫もそれなりにおいてある。
北海道書店組合札幌支部では2005年 7月17日~8月21日の期間イベントとして、「中学生はこれを読め!」という取り組みをしていたのだが、このK書房ではまだそのコーナーを設置している。
大きな本屋で本に出会う機会が多いのも都会ならでは、か。入手だけならインターネットでの販売でも補えるが、買う前にパラパラとめくって品定めをすることができる品揃えは魅力だ。
数が多い事で偶然得られる縁もあるが、必ずしもそれだけでもなかろう。人づての縁の方が良縁を得られる確率は高いような気もする。本でも結婚でも、薦めてくれる人がいると余計な気苦労や遠回りをせずにすむのではないかな。
縁って何なのだろう。
* * * *
夜に妻と一緒に知人の夫婦と飲み会をする。
会場選びを相手に任せていたら私の家の近くでよい店を探してくれた。ススキノにもお店があるのだが、地鶏と貝を売りものにする和洋折衷の居酒屋。
焼酎の利き酒セット980円は、お店にお任せで三銘柄の焼酎を小さなグラスにロックで持ってきてくれる。いろいろな味を試してみたい向きにはお薦めだ。
本通りからは通りを一本引っ込んだところにあって、感じがよい造りの割にはあまりお客が多そうには見えない。
「どういうコンセプトのお店なのですか?」と訊いてみると「ちょっと引っ込んだ隠れ家というコンセプトだったのですが、ちょっと隠れ家過ぎましたかね…」とお店の人も苦笑い。
「ふらっと入りたいお店を探している客には、一見、何のお店か分かりづらいかも知れませんね」
「もうすぐお店に入りやすくするように入り口を改装する予定なんですよ」とのこと。
良い店に巡り会うのも縁のなせる技である。
映画館が近くにありながら行かないというのも、もったいない話ですが、これが都市生活というものなのでしょうか。
さて今日は
■多様性の豊かさ~選べるということ の1本です。
【多様性の豊かさ~選べるということ】
久々に妻と映画に行った。今日はJR札幌駅の駅ビルに入っているシネマコンプレックスの札幌シネマフロンティアへ行った。
このシネマフロンティアにはスクリーンが12面あって、人気のある映画は複数のスクリーンで上映するし、人気の低いものは同じスクリーンの時間を区切って上映している。
今回は職場の厚生事業の一つとして、市内のシネコンの鑑賞券を割安で購入したものを利用したのだが、こちらのシネコンのものは有効期限が今月末までだったのである。
人気の映画をネットで調べてみると、 観客動員数1位は「私の頭の中の消しゴム 」、2位は「ティム・バートンのコープス・ブライド」、3位は「チャーリーとチョコレート工場」の順となっている。
私としては、(せっかく広い映画館で臨場感溢れる映像を観るのだから、静かなドラマよりはスペクタクル系が良いだろう)と思う質なので、ベスト3をはずして、第4位の「ステルス」を観てきました。
映画の詳しい論評はしないけれど、まあアメリカ的ご都合主義が満載のVFXスペクタクルでした。お金を払ってみるほどの事はないかもしれませんが…。
* * * *
しかしこれだけ多くの映画の中から観たい映画を選ぶ事が出来るということは一般的には都会生活の幸せなのだろう。
町の中にはレストランや居酒屋さんが溢れているというのに、一生かかっても行く事が出来はしないに違いない。それでも、自分が行かなくても支えられているお店が多いという事は、自分が選ぶ立場とすれば自由度が高くて喜ばしいことだと多くの人が思っている事だろう。
都会生活が田舎生活に比べて魅力的なのは、誰からも監視されない匿名の自分でいられる事と、生活のツールを選べるからだと思う。
掛川にいたときは、いわゆる「まち」と言われる中心的な市街地は駅前の一つしかなくて、馴染みの飲み屋さんもほぼそこに集中しているのだった。
行くとなると必ずいつもの居酒屋で、そこの次はどこそこ、と道順が決まっていくのだった。
行った事のない店を探すのが難しいのが田舎の悲しさと言えば、それはそうかもしれない。しかしそのことを「選択出来ない不自由さ」と嘆くのでなく、馴染みの店があるだけと考えれば、それはそれで都会に比べれば不自由だけれど、都会と比べて不幸かというとそうでもないような気がする。
都会に比べると不自由だが、
別に都会にいても、馴染みの店が100軒も200軒もあるわけでもなく、広いススキノと言っても行く店はせいぜい決まってくるのではないか。
若者にはつまらないのかもしれないが、自分などはそろそろ新しい店を開拓する事よりも、新しい人を開拓する方が面白くて興味深くなってきた。
店も人も多いのが都会なのだが、縁のない店や縁のない人がただ多いだけだ。とも言える。
与えられている条件を嘆いてなんとか改善したい、という意欲はそれはそれで良いとしても、だからといって変わらない事を嘆くほどの事もあるまいとも思うのだ。
そんなことを嘆く暇があったら、せいぜい縁のない店や縁のない人との縁を結ぶ努力をする方が建設的のように思う。
都会には縁のないバスが多く走り、縁のない店が多く溢れているような、無駄を前提とした空間だ。
そういう空間の価値観を絶対と思わずに、エコだとか繋がりだとか、それとはちがう方向の価値観の軸で都会に勝っていれば良いのではないか。そしてそれがやせ我慢や虚勢ではなく、どうどうと誇りに思って自慢していれば、逆に都会の方が振り向いて来ると思うよ。
それを堂々とすることが生涯学習そのものなんだけどな。
* * * *
中学校の近くに「K書房」という本屋さんがある。
学校の近くの本屋さんというと、しばしば利用の中心である子供に媚びてコミックや雑誌を中心に置きたがるのではないかと思うのだが、ここはわざわざ「売れない文庫フェア」というのをやっている。
店内ではコミックの占める割合が極めて少なくて、岩波文庫もそれなりにおいてある。
北海道書店組合札幌支部では2005年 7月17日~8月21日の期間イベントとして、「中学生はこれを読め!」という取り組みをしていたのだが、このK書房ではまだそのコーナーを設置している。
大きな本屋で本に出会う機会が多いのも都会ならでは、か。入手だけならインターネットでの販売でも補えるが、買う前にパラパラとめくって品定めをすることができる品揃えは魅力だ。
数が多い事で偶然得られる縁もあるが、必ずしもそれだけでもなかろう。人づての縁の方が良縁を得られる確率は高いような気もする。本でも結婚でも、薦めてくれる人がいると余計な気苦労や遠回りをせずにすむのではないかな。
縁って何なのだろう。
* * * *
夜に妻と一緒に知人の夫婦と飲み会をする。
会場選びを相手に任せていたら私の家の近くでよい店を探してくれた。ススキノにもお店があるのだが、地鶏と貝を売りものにする和洋折衷の居酒屋。
焼酎の利き酒セット980円は、お店にお任せで三銘柄の焼酎を小さなグラスにロックで持ってきてくれる。いろいろな味を試してみたい向きにはお薦めだ。
本通りからは通りを一本引っ込んだところにあって、感じがよい造りの割にはあまりお客が多そうには見えない。
「どういうコンセプトのお店なのですか?」と訊いてみると「ちょっと引っ込んだ隠れ家というコンセプトだったのですが、ちょっと隠れ家過ぎましたかね…」とお店の人も苦笑い。
「ふらっと入りたいお店を探している客には、一見、何のお店か分かりづらいかも知れませんね」
「もうすぐお店に入りやすくするように入り口を改装する予定なんですよ」とのこと。
良い店に巡り会うのも縁のなせる技である。