今日は上砂川で行われた全麺協認定素人蕎麦打ちの二段の試験を受けてきました。試験は何事でも緊張するものです。おし、やるどー
さて今日は、
■全麺協認定素人蕎麦打ちの二段の試験
■さて結果は…? の2本です。
【全麺協認定素人蕎麦打ちの二段の試験】
全麺協は正式名称を「全国麺類文化地域間交流推進協議会」というのである。
素人蕎麦打ち段位認定試験を行っているのもこの団体である。昔は北海道でも段位認定に参加する人が少なくて、年に一度幌加内の新そば祭りの時に実施されていたものだ。
それが、次第に希望者が増大してしまい、今では幌加内では三段の段位認定試験だけを行って、その他に年に数回、北海道各所で段位認定試験を行うようになったのである。
私もかつて幌加内で初段までは取っていたのだが、その後に掛川へ行ってしまったためにその後の昇段試験を受けられず初段止まりだったのである。
周囲の進めもあるし、掛川に残してきた同士たちの手前もあって自分ももっと前に進まないといけないだろうということで今回改めて上砂川の大会に二段の受験申し込みをしたのである。
妻に写真やビデオ撮影のために同行を頼んで、二人で車で上砂川へと向かう。会場は上砂川町民センター。
事前の案内状では、8時半から受け付け開始で9時半から開会式、10時から第一組の試験…、ということだったので、余裕を持つつもりで9時少し前に会場に到着した。
すると受付では「はい、これで全員揃いました」
なんと私が一番ビリだったのである。しかも組み合わせを見ると、今日の受験者は全員で51人で、13人の組を4回行うことになっているという。
さて、私は…と見ると…な、なんと1組目の最後のゼッケン番号13番!もう1組目の受験者は全員道具を自分の場所に広げて調整に余念がない。
「さすがは小松さん、余裕あるなあと言っていたんですよ」とはスタッフの知人。
ひえー、冗談じゃない。余裕を持ってきたつもりがとたんに余裕が吹っ飛んでしまった。
おまけに焦りながら道具を広げていると、司会者が「全員揃ったようですので、開始時間を早めてすぐにでも開始したいのですがよろしいでしょうか」などと言い出す始末。(ちょっと待ってよ~)
私は普段、各地のイベントなどで蕎麦を売って練習を兼ねているのだが、そういうところで打つ蕎麦は早く打つということについては要求度合いが高いが、受験という特殊なスタイルの練習にはほとんどならないのだ。
受験では衛生準備や衛生措置などにも充分気を配ることが求められる。それは試験開始の笛が鳴ってから敢えてもう一度伸し板やのし棒、こね鉢などの道具を拭いたり、手を洗うのにもひじまで洗うなどといった、多少誇張した動作を要求されるのだ。
私はそういう練習をほとんどしてきていないので、周りをきょろきょろ見回して(あ、そうそう手を洗うんだったな)などと思い出しながら真似をする始末。
組み合わせも2組目以降だったらばもう少し余裕を持って人の動作を見て思い出せたのだが、1組目とは誤算だった。
会場の中で会った知人からは「二段?あんただったら置いてあるものを持ってくるようなもんだべさ」と言われたけれど、おいおい、それどころではありませんよ。やはり準備が不足というのはいけないな。
* * * *
開会式が20分くらい早まって始まり、いよいよ試験開始。
手を洗い、道具を拭いたけれど、周りを見るともっと丁寧にやっている。うわー。
与えられた1kgの粉を鉢に移して水を加える「水回し」。気持ち水が多くなり柔らかめの玉となった。「のし」も柔らかい玉だとすぐによれてしまうので気をつけなくてはならない。
ちょっと四角も端がきれいにならない。やはり緊張しているのだろう。蕎麦も作業ミスを取り返すことは出来ないから、多少の失敗があってもそのまま突っ込むしかない。
「たたんで切り始めるのは一番早かったほうだよ」とは見ていた妻の言葉。こちらは周りを見る余裕などありません。
玉にするのに12分、伸してたたんだところで23分くらいが経過。全部で後かたづけまで含めて40分で終わらせなくてはいけないのだ。
「30分経過」の声があったところで切りも残り1/4くらい。やっと安心出来る余裕が出来たよう。
34分経過くらいで切り終えて、あとは残りかすや粉の始末。残りかすも袋に詰めることとか、使った粉も袋に詰めることなどが指示されている。案外こういう事も手間なものだ。
ある程度余裕を持って残り1分で「終わりました」の手を挙げる。終わった宣言をしなければ終わったとは認められないのである。
終わってからも汗びっしょり。妻からは「一番キョドキョドしてたよ」と笑われながらの40分でありました。ふー。
* * * *
終わってしまえばあとは見物。全道各地からいろいろな会の人たちが参加している。室蘭、問寒別、幌加内、もちろん札幌からも参加者は多い。
「北海道人なら大抵蕎麦は打てますよ」という地域性も面白いと思うけどどうかな。
こういうところへ来るととにかく知人に多く会うのだが「何でここにいるの?」「いや2段を…」「なにさ、まだもってなかったのかい?」と言われるのが恥ずかしくもある。
見ていると上手な人はいるものだ。かと思うと、生地づくりに失敗している残念な人もいる。どこまでが合格なんだか。
試験官は今回4人。全国審査員の資格を持っているのは蕎麦屋の当主が二人。あとは地元の蕎麦同好会からの地方審査員が二人。
合計四人で審査してその平均点で合否を決めるのだそうだ。
【さて結果は…?】
閉会式で、いよいよ合格者の発表。1番、2番、3番…、と来て(これは全員合格か?)と思いきや突然番号が飛んだ。
私の前も11番、13番と来た。とりあえず私は合格したようだ。良かった!
最後まで発表を聴いていると、51人中で9人が不合格だったようだ。好評で審査委員長からは「2段というのは人に指導出来るという意味があるので、厳正に審査をしました」というコメントがあった。
「どうか来年も再チャレンジをして欲しいと思います。一度落ちた方ほど翌年の上達がすばらしいものです」という激励の言葉もあった。
合格してもおごらずに行きたいものだ。
それにしても試験は試験。緊張の連続だ。こういう緊張もたまにはよいけれど。
さて、それではもう少しイベントで腕を磨くとしますか。さて、マズい蕎麦を食べさせられる犠牲者はだれかな。
* * * *
上砂川はかつての炭坑町で現在の人口は5千人弱。会場の外では地元の蕎麦打ち愛好会が蕎麦の出店を出してお蕎麦を食べさせてくれていた。
こういうイベントももっと盛り上がればよいのに。
ちなみに、上砂川は砂川の上流にあるためにこの地名になったのだそう。砂川はアイヌ語のオタ・ウシ・ナイ(砂の多い川)に由来するよう。オタ・ウシ・ナイはウタシナイに変化して歌志内駅の名になったのだそうですよ。
さて今日は、
■全麺協認定素人蕎麦打ちの二段の試験
■さて結果は…? の2本です。
【全麺協認定素人蕎麦打ちの二段の試験】
全麺協は正式名称を「全国麺類文化地域間交流推進協議会」というのである。
素人蕎麦打ち段位認定試験を行っているのもこの団体である。昔は北海道でも段位認定に参加する人が少なくて、年に一度幌加内の新そば祭りの時に実施されていたものだ。
それが、次第に希望者が増大してしまい、今では幌加内では三段の段位認定試験だけを行って、その他に年に数回、北海道各所で段位認定試験を行うようになったのである。
私もかつて幌加内で初段までは取っていたのだが、その後に掛川へ行ってしまったためにその後の昇段試験を受けられず初段止まりだったのである。
周囲の進めもあるし、掛川に残してきた同士たちの手前もあって自分ももっと前に進まないといけないだろうということで今回改めて上砂川の大会に二段の受験申し込みをしたのである。
妻に写真やビデオ撮影のために同行を頼んで、二人で車で上砂川へと向かう。会場は上砂川町民センター。
事前の案内状では、8時半から受け付け開始で9時半から開会式、10時から第一組の試験…、ということだったので、余裕を持つつもりで9時少し前に会場に到着した。
すると受付では「はい、これで全員揃いました」
なんと私が一番ビリだったのである。しかも組み合わせを見ると、今日の受験者は全員で51人で、13人の組を4回行うことになっているという。
さて、私は…と見ると…な、なんと1組目の最後のゼッケン番号13番!もう1組目の受験者は全員道具を自分の場所に広げて調整に余念がない。
「さすがは小松さん、余裕あるなあと言っていたんですよ」とはスタッフの知人。
ひえー、冗談じゃない。余裕を持ってきたつもりがとたんに余裕が吹っ飛んでしまった。
おまけに焦りながら道具を広げていると、司会者が「全員揃ったようですので、開始時間を早めてすぐにでも開始したいのですがよろしいでしょうか」などと言い出す始末。(ちょっと待ってよ~)
私は普段、各地のイベントなどで蕎麦を売って練習を兼ねているのだが、そういうところで打つ蕎麦は早く打つということについては要求度合いが高いが、受験という特殊なスタイルの練習にはほとんどならないのだ。
受験では衛生準備や衛生措置などにも充分気を配ることが求められる。それは試験開始の笛が鳴ってから敢えてもう一度伸し板やのし棒、こね鉢などの道具を拭いたり、手を洗うのにもひじまで洗うなどといった、多少誇張した動作を要求されるのだ。
私はそういう練習をほとんどしてきていないので、周りをきょろきょろ見回して(あ、そうそう手を洗うんだったな)などと思い出しながら真似をする始末。
組み合わせも2組目以降だったらばもう少し余裕を持って人の動作を見て思い出せたのだが、1組目とは誤算だった。
会場の中で会った知人からは「二段?あんただったら置いてあるものを持ってくるようなもんだべさ」と言われたけれど、おいおい、それどころではありませんよ。やはり準備が不足というのはいけないな。
* * * *
開会式が20分くらい早まって始まり、いよいよ試験開始。
手を洗い、道具を拭いたけれど、周りを見るともっと丁寧にやっている。うわー。
与えられた1kgの粉を鉢に移して水を加える「水回し」。気持ち水が多くなり柔らかめの玉となった。「のし」も柔らかい玉だとすぐによれてしまうので気をつけなくてはならない。
ちょっと四角も端がきれいにならない。やはり緊張しているのだろう。蕎麦も作業ミスを取り返すことは出来ないから、多少の失敗があってもそのまま突っ込むしかない。
「たたんで切り始めるのは一番早かったほうだよ」とは見ていた妻の言葉。こちらは周りを見る余裕などありません。
玉にするのに12分、伸してたたんだところで23分くらいが経過。全部で後かたづけまで含めて40分で終わらせなくてはいけないのだ。
「30分経過」の声があったところで切りも残り1/4くらい。やっと安心出来る余裕が出来たよう。
34分経過くらいで切り終えて、あとは残りかすや粉の始末。残りかすも袋に詰めることとか、使った粉も袋に詰めることなどが指示されている。案外こういう事も手間なものだ。
ある程度余裕を持って残り1分で「終わりました」の手を挙げる。終わった宣言をしなければ終わったとは認められないのである。
終わってからも汗びっしょり。妻からは「一番キョドキョドしてたよ」と笑われながらの40分でありました。ふー。
* * * *
終わってしまえばあとは見物。全道各地からいろいろな会の人たちが参加している。室蘭、問寒別、幌加内、もちろん札幌からも参加者は多い。
「北海道人なら大抵蕎麦は打てますよ」という地域性も面白いと思うけどどうかな。
こういうところへ来るととにかく知人に多く会うのだが「何でここにいるの?」「いや2段を…」「なにさ、まだもってなかったのかい?」と言われるのが恥ずかしくもある。
見ていると上手な人はいるものだ。かと思うと、生地づくりに失敗している残念な人もいる。どこまでが合格なんだか。
試験官は今回4人。全国審査員の資格を持っているのは蕎麦屋の当主が二人。あとは地元の蕎麦同好会からの地方審査員が二人。
合計四人で審査してその平均点で合否を決めるのだそうだ。
【さて結果は…?】
閉会式で、いよいよ合格者の発表。1番、2番、3番…、と来て(これは全員合格か?)と思いきや突然番号が飛んだ。
私の前も11番、13番と来た。とりあえず私は合格したようだ。良かった!
最後まで発表を聴いていると、51人中で9人が不合格だったようだ。好評で審査委員長からは「2段というのは人に指導出来るという意味があるので、厳正に審査をしました」というコメントがあった。
「どうか来年も再チャレンジをして欲しいと思います。一度落ちた方ほど翌年の上達がすばらしいものです」という激励の言葉もあった。
合格してもおごらずに行きたいものだ。
それにしても試験は試験。緊張の連続だ。こういう緊張もたまにはよいけれど。
さて、それではもう少しイベントで腕を磨くとしますか。さて、マズい蕎麦を食べさせられる犠牲者はだれかな。
* * * *
上砂川はかつての炭坑町で現在の人口は5千人弱。会場の外では地元の蕎麦打ち愛好会が蕎麦の出店を出してお蕎麦を食べさせてくれていた。
こういうイベントももっと盛り上がればよいのに。
ちなみに、上砂川は砂川の上流にあるためにこの地名になったのだそう。砂川はアイヌ語のオタ・ウシ・ナイ(砂の多い川)に由来するよう。オタ・ウシ・ナイはウタシナイに変化して歌志内駅の名になったのだそうですよ。