東京から最終便で帰った翌日の今日は、オートリゾートの担当者会議で日高の平取(びらとり)へ出張。
平取方面へはあまり行ったことがなかったので、周辺の見学もすることにした。日高地方も広いね~。
今日は、
■沙流川総合開発を見学する
■オートリゾート担当者会議in平取 の2本です。
【沙流川総合開発を見学する】
苫小牧から襟裳岬方面へ車を走らせ、鵡川町に入ると見える大きな川が鵡川、平取町を流れるのが沙流川である。
ここで行われているのが沙流川総合開発事業で、洪水調節、灌漑、水道、工業用水供給などの多目的ダムの建設が進められた。
この地域では先に下流川に二風谷ダムを建設して、さらにその上流部に流水調節のために平取ダムを建設することとされ、昭和61年に二風谷ダムの堤体建設工事が着手された。
二風谷ダムについては、平成元年に、北海道収用委員会から用地交渉が締結されない5名の地権者に対して権利取得並びに明け渡し採決が出された。
これに対して地権者から平成5年に、土地収用採決の違法性を訴えて北海道収用委員会を被告とする、収容裁決取り消し訴訟が起こされたのだった。
世間では公共事業の負の側面を強調する論調が展開され注目されたのはご存じの方も多いだろう。
二風谷ダムは平成8年には完成し試験湛水が行われていたが、裁判の判決が平成9年3月に出された。その内容は、「収用採決は『アイヌ民族の文化享有権等への価値に関する調査を怠ったままの事業認定であり』違法だが、『これを取り消すことによって公の利益に著しい障害が生じる場合には…』という行政事件訴訟法第31条の適用によって、原告の請求は棄却される」というものであった。
そういう意味ではアイヌ文化への思いを致さないままの事業であったという点で我々も反省すべきだろう。しかし、洪水調節などの公的な意義は揺らぐものではない。
現に平成15年8月の台風10号による大洪水の際には、二風谷ダムがその機能を立派に果たし、観測史上最大の記録的降雨量による大洪水に耐えて、下流部を被害から守ることが出来たのである。
安全で安心出来る社会づくりという我々の使命には重いものがある。
* * * *
さて、そのような判決がでたこともあり、現在建設を目指している平取ダムの方では「地域文化調査業務」も行いながら、土地の記憶や歴史を大事にした事業を行おうとしている。
ダムの予定地には祈りの対象になるような崖もあるそうだ。それらをどのような形で後世に伝えて行くのか取り組みが注目されるところである。
* * * *
ちなみに、沙流川の沙流(サル)は、アイヌ語のシヤル(sar)で大きな湿沢ということだとか。北海道で有名なsarは、北見の斜里とここの沙流でどちらも語源は同じ。北海道に似たような地名が多いのはアイヌ語が語源だからである。
【オートリゾート担当者会議in平取】
わが家はオートキャンプを好んでする方で、家族も楽しんでくれているので仕事と趣味が一致した楽しい分野である。
私の所属する課はとにかく業務の幅が広く、オートキャンプ場による交流拡大、地域振興も担当しているのである。今日は北海道オートリゾート・ネットワーク協会というオートキャンプ場の集まりが平取温泉を会場に行われたので、今日はその道南ブロック会議に出席をした。
今日参加してくれたのは、オートリゾート協会のメンバーの他に、函館オートキャンプ場、岩内リゾートパークオートキャンプ場、歌才ルピックオートキャンプ場(黒松内町)、アルテン苫小牧、オートリゾート滝野、平取町ファミリーランド、道民の森一番川オートキャンプ場の皆さんである。
始めにオートリゾート協会の方から最近のオートキャンプ場を取り巻く動向の紹介があった。それによると日本オートキャンプ協会の発行しているオートキャンプ参加人口は、1996年の1,580万人をピークに減少の一途をたどり、昨年04年では770万人にまで下がったのだという。
まあこれもあまり厳格な根拠に基づいて推計しているわけではないのであくまでも参考数字と言うことだが、まあ伸びてはいないということくらいは妥当のような気がする。
それはこれまで利用を引っ張ってきた団塊の親世代がもうリタイアしてオートキャンプを一番する年代の人口は減りつつあるのだから、ある意味当然なのかも知れない。団塊世代はすごかった、という話である。
最近の動きとしては、インターネットでの予約受付を今年から北海道でもモデル的に2カ所で行っており、すでにソフトはできあがっているので来年以降参加したいオートキャンプ場は準備をしておいてほしいということがあった。
また「親孝行キャンプ」と呼んでいる、3世代がキャンプをする姿も増えてきたということで、家族の繋がりの一助となっているかもしれない。
* * * *
その後は各キャンプ場での様子や悩みを皆で意見交換するという時間にしたのだが、これを聞いていると本当に大変で、同情したくなる。
かつて石ノ森章太郎原作の漫画を原作で、高嶋政伸が出演していた「ホテル」というドラマがあったけれど、あのホテルマンと同じようなトラブルや危機管理の連続なのである。
まず謝る!「も~しわけございません」という姿勢が大事とはいえ、クレームに来るお客の質も実にいただけないのだそうだ。
オートキャンプ場の場合、ホテルと違う最大の点はサイトが均一のサービスにならないという点である。「隣のサイトの方が良かった」ということがあり得るのだ。
夏の盛りの予約で一杯の時にフロントへ来て「木の間からの景色が気に入らないから場所を変えろ」というクレームや、ペット禁止のキャンプ場ではフロントで「ここはペットは禁止ですから」と言うと「分かってる、分かってる」と言いながら車に隠して連れ込んでくる家族などなど…。
いつかオートキャンプ場の管理人を主人公にしたドラマの脚本を書きたいくらいである。そうしたらロケ現場にも違った人気が出るかも知れない。
主人公の恋人は不治の病で死ぬ設定にして、タイトルは「キャンプ場の中心で愛を叫ぶ」にしようかとか、いろいろと構想は練りつつあるのである。
早くしないとネタを誰かに取られそうではあるが…。
* * * *
さて、実はオートキャンプ場の利用促進に関しては私なりの秘策があるのだが、それを紹介するにしては、今日はもう書きすぎたようだ。またいつか別の機会にご紹介することといたしましょう。
平取方面へはあまり行ったことがなかったので、周辺の見学もすることにした。日高地方も広いね~。
今日は、
■沙流川総合開発を見学する
■オートリゾート担当者会議in平取 の2本です。
【沙流川総合開発を見学する】
苫小牧から襟裳岬方面へ車を走らせ、鵡川町に入ると見える大きな川が鵡川、平取町を流れるのが沙流川である。
ここで行われているのが沙流川総合開発事業で、洪水調節、灌漑、水道、工業用水供給などの多目的ダムの建設が進められた。
この地域では先に下流川に二風谷ダムを建設して、さらにその上流部に流水調節のために平取ダムを建設することとされ、昭和61年に二風谷ダムの堤体建設工事が着手された。
二風谷ダムについては、平成元年に、北海道収用委員会から用地交渉が締結されない5名の地権者に対して権利取得並びに明け渡し採決が出された。
これに対して地権者から平成5年に、土地収用採決の違法性を訴えて北海道収用委員会を被告とする、収容裁決取り消し訴訟が起こされたのだった。
世間では公共事業の負の側面を強調する論調が展開され注目されたのはご存じの方も多いだろう。
二風谷ダムは平成8年には完成し試験湛水が行われていたが、裁判の判決が平成9年3月に出された。その内容は、「収用採決は『アイヌ民族の文化享有権等への価値に関する調査を怠ったままの事業認定であり』違法だが、『これを取り消すことによって公の利益に著しい障害が生じる場合には…』という行政事件訴訟法第31条の適用によって、原告の請求は棄却される」というものであった。
そういう意味ではアイヌ文化への思いを致さないままの事業であったという点で我々も反省すべきだろう。しかし、洪水調節などの公的な意義は揺らぐものではない。
現に平成15年8月の台風10号による大洪水の際には、二風谷ダムがその機能を立派に果たし、観測史上最大の記録的降雨量による大洪水に耐えて、下流部を被害から守ることが出来たのである。
安全で安心出来る社会づくりという我々の使命には重いものがある。
* * * *
さて、そのような判決がでたこともあり、現在建設を目指している平取ダムの方では「地域文化調査業務」も行いながら、土地の記憶や歴史を大事にした事業を行おうとしている。
ダムの予定地には祈りの対象になるような崖もあるそうだ。それらをどのような形で後世に伝えて行くのか取り組みが注目されるところである。
* * * *
ちなみに、沙流川の沙流(サル)は、アイヌ語のシヤル(sar)で大きな湿沢ということだとか。北海道で有名なsarは、北見の斜里とここの沙流でどちらも語源は同じ。北海道に似たような地名が多いのはアイヌ語が語源だからである。
【オートリゾート担当者会議in平取】
わが家はオートキャンプを好んでする方で、家族も楽しんでくれているので仕事と趣味が一致した楽しい分野である。
私の所属する課はとにかく業務の幅が広く、オートキャンプ場による交流拡大、地域振興も担当しているのである。今日は北海道オートリゾート・ネットワーク協会というオートキャンプ場の集まりが平取温泉を会場に行われたので、今日はその道南ブロック会議に出席をした。
今日参加してくれたのは、オートリゾート協会のメンバーの他に、函館オートキャンプ場、岩内リゾートパークオートキャンプ場、歌才ルピックオートキャンプ場(黒松内町)、アルテン苫小牧、オートリゾート滝野、平取町ファミリーランド、道民の森一番川オートキャンプ場の皆さんである。
始めにオートリゾート協会の方から最近のオートキャンプ場を取り巻く動向の紹介があった。それによると日本オートキャンプ協会の発行しているオートキャンプ参加人口は、1996年の1,580万人をピークに減少の一途をたどり、昨年04年では770万人にまで下がったのだという。
まあこれもあまり厳格な根拠に基づいて推計しているわけではないのであくまでも参考数字と言うことだが、まあ伸びてはいないということくらいは妥当のような気がする。
それはこれまで利用を引っ張ってきた団塊の親世代がもうリタイアしてオートキャンプを一番する年代の人口は減りつつあるのだから、ある意味当然なのかも知れない。団塊世代はすごかった、という話である。
最近の動きとしては、インターネットでの予約受付を今年から北海道でもモデル的に2カ所で行っており、すでにソフトはできあがっているので来年以降参加したいオートキャンプ場は準備をしておいてほしいということがあった。
また「親孝行キャンプ」と呼んでいる、3世代がキャンプをする姿も増えてきたということで、家族の繋がりの一助となっているかもしれない。
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その後は各キャンプ場での様子や悩みを皆で意見交換するという時間にしたのだが、これを聞いていると本当に大変で、同情したくなる。
かつて石ノ森章太郎原作の漫画を原作で、高嶋政伸が出演していた「ホテル」というドラマがあったけれど、あのホテルマンと同じようなトラブルや危機管理の連続なのである。
まず謝る!「も~しわけございません」という姿勢が大事とはいえ、クレームに来るお客の質も実にいただけないのだそうだ。
オートキャンプ場の場合、ホテルと違う最大の点はサイトが均一のサービスにならないという点である。「隣のサイトの方が良かった」ということがあり得るのだ。
夏の盛りの予約で一杯の時にフロントへ来て「木の間からの景色が気に入らないから場所を変えろ」というクレームや、ペット禁止のキャンプ場ではフロントで「ここはペットは禁止ですから」と言うと「分かってる、分かってる」と言いながら車に隠して連れ込んでくる家族などなど…。
いつかオートキャンプ場の管理人を主人公にしたドラマの脚本を書きたいくらいである。そうしたらロケ現場にも違った人気が出るかも知れない。
主人公の恋人は不治の病で死ぬ設定にして、タイトルは「キャンプ場の中心で愛を叫ぶ」にしようかとか、いろいろと構想は練りつつあるのである。
早くしないとネタを誰かに取られそうではあるが…。
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さて、実はオートキャンプ場の利用促進に関しては私なりの秘策があるのだが、それを紹介するにしては、今日はもう書きすぎたようだ。またいつか別の機会にご紹介することといたしましょう。