北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

東京をとにかく緑に!

2007-08-01 23:23:58 | Weblog
 今日から八月。やっと関東甲信越地方の梅雨が明けたのだそうな。これからは暑くなりそうですぞ~。

 職場で上司から「東京をもっと緑にするプロジェクトについて考えて欲しい」というオファーがありました。

 我が組織ではニュータウンなどを始め、賃貸住宅を数多く持っていますが、これまでも屋上緑化や壁面での緑化、空き地の緑化などにはずいぶん努めてきたつもり。

 「まだなおやれ、というのはどういうことでしょうか」というあたりで関係者を集めて上司とともに意見交換を行いました。

 上司の気持ちは、「今は知事を先頭にして、とにかく東京を緑にしよう、と言っているけれど、無理筋な緑化案が出たり、風の道と言ったりして感覚的には分かるけれど、実行が伴わない感情論が横行しているような気がしませんか」
 「確かにそうかも知れませんが…」

 「緑にした方がよい、なんていうような努力目標ではなくて、ここは緑にしなくてはならない、という義務や強制力が働くようなやり方と、それを裏付ける理論武装が必要だと思うんです。理論がなくて世間の支持を得ないことを強制はできないからね」
 「そうですね。しかしこと屋上緑化に関しては、あまり大がかりにやると天井にかかる重さを支えるためにワンランク上の荷重に耐える規格にせざるを得なくなって、全体のコストも上がります。ですからこのあたりが現実的、という標準を決めて、それに従って淡々と進めているというのが現状です」

 「壁面緑化は進んでいるのですか?」
 「まだそこが進んでいません。植物は正直で、水や栄養を吸い上げる根を支える土壌基盤がしっかりしさえすればそれなりの高さまで伸ばすことができます。しかし今は建築が主体になってしまって、土の基盤は添え物としか考えられていなくて、なかなか決まり事まで作り上げられてはいません」

 「風の道などは、緑がどういう条件だと上空の冷たい風が地表に降りてくるのか、というような科学的根拠をもう少しつめて、『だから必要だ』という立論をしたいものだけどね」
 「住宅地の緑は今は上から見た緑地率だけが数値的な設定条件になっています。それは建築で言えば建坪率(けんぺいりつ)という面積での割合と同じです。ところが建築ならば上空をどれくらい使うかという容積率という基準もあるのです。緑にも容積率に相当するような、一定のボリュームを求めたり条件として提示するような考え方があっても良いのかもしれません」

 「分かりました。いずれにしても、今の東京はあらゆる緑化を求めるというマインドに立って、やる気満々なのだから、それを現実に実施する機関として我々としてなにができるのか、どういう緑の誘導施策があるのかをもうすこし考えてくれませんか」

 東京を徹底的に緑にする。これまでの発想を超えるような大きなビジョンを提示して、馬鹿な話だとしても、それが次の時代のスタンダードになるということもあるのです。いや、それに向けてどういう理論を立て、ロードマップを描いてみようと思います。

 なかなか重いミッションですが、大東京を相手にどこまでできるでしょうか。
 
コメント
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