【釧路の夕焼けはロマンチックです】
釧路夕焼け倶楽部が主催する「釧路夕焼けフォーラム2012」が市内のホテルで開かれました。
フォーラムは二部構成で、第一部のセミナーでは、UHBのU型テレビでお天気キャスターをされている菅井貴子さんの講演と、地元まちづくりに携わっている若手の皆さんによるパネルディスカッションが行われました。
【講演会は大人気】
「釧路の夕焼けを科学する」と題した講演をしてくださった気象キャスターの菅井貴子さんは、明治大学理工学部数学科卒業という異色の経歴。
大学時代は自転車部に在籍していて、北海道での合宿で降り立ったのが釧路空港だったのだそう。不思議なご縁です。
NHK北海道から現在は民放のuhbに移られていますが、uhbでは一日前の視聴率が分単位のグラフになっていて見せられるのが恐いと会場を沸かせます。
太陽が日の入りの際に一瞬だけ緑に発色するグリーンフラッシュが釧路で観察されたというニュースの時は、グラフが右肩上がりで視聴者からの反響も多かったのだそうですよ。
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天気に関する面白ネタでは、ドイツでは高気圧と低気圧に命名権が売られているのだそう。
高気圧は299ユーロで低気圧は199ユーロ。売って得たお金は観測費用に充てられて、観測の精度向上に寄与しています。
でも低気圧はすぐにいなくなるし悪天候は悪さをするので、名前を付けるなら少々お高くても高気圧の方が良さそうです。
【菅井さん(右から二番目)と仲間たち】
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第二部はパネルディスカッション。
夕焼け倶楽部代表の芳賀さんは、この活動のきっかけを、「ネットでオーロラの映像を配信している人がいた。これに感動を受けて、こういうものを見続けているといつしか本物のオーロラを見たくなるだろうな、と思った」とのこと。
「釧路の夕焼けもネットで配信出来れば、実際に見られない遠くにいる人や病院や世界中の人たちに夕焼けを見てもらうことができると思ったが、どうやったら良いか分からなかったところ、多業種の会で出会った人たちの協力を得て、twitcastというネットサービスでできるようになった。釧路夕焼け倶楽部は、この思いに賛同してくれた人たちの集まりです」
この情熱、いいですねえ。
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パネラーの青年会議所大野副理事長は、青年会議所が三年間にわたって取り組んできた夕日プロジェクトについて説明。
「今では夕日の時間にはたくさんの人が幣舞橋の上で写真を撮ってくれるようになってきた」と喜んでいますが、彼自身も『夕日ハイボール』を市内の飲食店に売り込んで、飲んで参加できるまちづくりとして下支えをしてくれているのです。
シクロプロジェクトの天内さんからは、「釧路に宿泊してもらいたいという狙いで、早朝ツアー、夕焼けツアーを試みている」とのこと。クシロとシクロの面白鉄板ネタを封印して、第二部では冷やかされていました。
二十一世紀総合研究所の相原さんからは、「企業ブランド、地域ブランドなどは普通、商品やサービスとして提供されるが、世界三大夕日というブランドは販売することができない。夕日を活かした取り組みが繋がりあって一つの塊として地域内外に発信することができるかどうかが鍵」と冷静に分析。
…かと思うと、「釧路の夕日の良さは、夕日と夕焼け、ロケーションの三つがセットになった三セット(=sunset)だ!」とオヤジギャグで会場から半ば強制的に?ウケておりました。
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最後に夕焼け倶楽部代表の芳賀さんは、「昨年は10人程度だが、本物を見たいという人が来たことも知っている。今日が実現したのも夢を見続けてきたからだ。夢を見続けて行動を継続して行きたい」とその決意が述べられました。
私も昨年のこの会が発足した時の発会式に挨拶で参加した思い出があります。釧路の夕焼けで地域を盛り上げるこの活動にこれからも注目し、応援したいと思います。
【ところで】
ところで、釧路の夕焼けが本当に他と違って魅力的なのはなぜなのか、ということについて、実はあまり語られていないような気がします。
そこで私なりに釧路の夕日&夕焼けの魅力とその訳について考察してみたいと思います。
まず釧路の夕日で言うと、その魅力の一つ目は、秋から冬にかけて晴れ間の続く太平洋気候である日本列島の東側に位置するまちのなかで、川から海に向かって夕日が落ちるというロケーションを持ったところはない、ということ。
これは旧の釧路川が蛇行しながら河口付近で西側に大きく折れ曲がって太平洋に注いでいるという地形的な特徴です。
【これね】
二つ目は、その西側にそそぐ川の出口に、幣舞橋、四季の乙女の像、毛綱建築のMOOにキャッスルホテル、そしてサンマ船などの、人工的で都会的な添景物が配置されていること。
三つ目は、その釧路川が実は上流の岩保木水門で洪水調整されていて、降雨による水位が変化しないことから高い堤防がなく、水面が目線に近いこと。これは都市内河川としては珍しいことです。
そして夕焼けの魅力としては、幣舞橋だけではなく、湿原道路などで見ると、広い原野に壮大な空が広がり、視界180度にもわたる壮大な夕焼けを見ることができることを挙げたいと思います。
いかがでしょう、釧路の夕日や夕焼けは実はいろいろな要素が集まったうえで魅力を増していると思いませんか。
かつて1965年に、「釧路十景」という十の美しい風景が提案されたことがあって、その中の一つとして「釧路港の夕日」というのが入っていたそうです。
そのときはあまり関心をひかなかったようですが、今また釧路の夕日と夕焼けとして地域が盛り上がれば良いですね。
論語に、「近者悦べば遠者来る」という言葉があります。
地域の住民たちが勝手に面白がって喜んでいれば、遠くの人たちが興味を持ってやってくる、という意味です。
まずは地域の中が勝手に面白がってやろうではありませんか。
関係者の皆さん、お疲れ様でした。