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ちょっと前のことになりますが、フライフィッシングのフライ(=毛針)の作り方を習いました。
昨年からバイスというフック(=釣り針)を挟んで固定する道具一式を買っていたのですが、ついぞ習う機会をもてずに埃をかぶっていたものです。
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【昔の解剖セットみたい】
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【これがフックを固定するバイス】
バイスを買った時は秋サケが遡上するころで、「こういう季節はイクラに似せたフライが釣れますよ」と言われて、一度だけイクラのフライを作らせてもらいました。
しかしそれができた頃にはもうサケの遡上時期が終わっていて、「もうイクラでは釣れませんね」ということに。
フライの季節感というのもなかなか難しいと思いました。
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【イクラ=エッグのフライ】
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さて、今から作るのだったら、「春になって雪融け時に使えるような、ちょっと沈み気味で糸を引っ張りながら魚を誘うような餌がいいですね」というアドバイスを受けて作る練習をしました。
まずはバイスにフックを取り付けて、そこにスレッドと呼ばれる糸を巻いてゆきます。糸を動かないように巻くのもちょっとした慣れが必要です。
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次にキラキラするパーツや緑色のひらひらする部分を取り付けながら糸でぐるぐる巻きにしてゆきます。
ゆるむといけないので、糸が切れるギリギリのテンションをかけて巻いてゆくのが良いそうです。
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一つのやり方が分かったところで、今度は目玉のパーツをつけて出目金みたいなものも作ってみました。
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案外綺麗にできて嬉しくなりましたが、これから先は季節を考え、発生する虫に似せたたくさんの種類のフライを作ることになるでしょうか。
ますます時間が無くなりそうですが、名うてのフライフィッシャーたちにフライの巻き方(=タイイング)を習えるのも釧路ならではです。
フライの世界をどこまで深く見ることができるのか、現場主義を貫きたいと思います。
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フライフィッシャーたちの挨拶は、"Tight Lines"というもの。
これは釣りの大先輩にして、「フライフィッシング用語辞典」を著した川野信之さん(愛称:川爺)によると、「"tight"はピンと張ったという意味で、tight linesとは魚が掛かって釣り糸あるいはフライラインがピンと張った状態のこと。そういう状態は釣り人に共通する願望なので、挨拶後として使われるようになった。…ひらたくいえば『良い釣りを』ということになるだろうか」とありました。
洒落た挨拶ですね。
手元にある、川野さんから送ってもらった「フライフィッシング用語辞典」には、ご本人の自筆で"tight lines"と書いてあるのが嬉しいのです。