北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

ししゃもを三枚に下ろす

2012-02-29 23:45:13 | Weblog
 釧路根室地域工業技術センターで会議があって出席しました。

 会議の後で、「小松さん、先日新聞でも紹介されましたが、シシャモを三枚に下ろす機会の試作機ができたので見ていってください」と言われて見てきました。



これまでもサンマなどの中型の魚を三枚に下ろす機械はありましたが、シシャモのような小型の魚用の機械はありませんでした。


 機械は、高さ130センチくらいの高さで、ベルトが動いていて丸い刃が高速で回転しています。



 ベルトの間にシシャモを挟んで刃に送り込み、そこで切るのですが三枚に下ろすためのキモとなる工夫は、刃が2.5ミリほど離れた二枚刃であること。

 ここに頭を落としたシシャモを入れると、見事に右と左の実が分かれて、真ん中の背骨の部分だけは下に落ちてゆくという仕掛けです。




 扱いやすいのは体の大きいオスのシシャモで、メスは体が小さいのと卵を抱いている分上手く切りにくいのだそうです。

 実はシシャモの単価はオスの方が安いために、こうして三枚におろすという付加価値を上手に商品づくりに結び付けたいところ。

 例えば、丁寧な料理人はししゃもの三枚おろしの握り寿司を作ってくれますが、こんな機械があれば回転寿司でも格安でシシャモのお寿司が食べられるようになるかもしれません。

 今までのシシャモと言えば、丸ごと干して焼いて食べるかマリネくらいしか食べ方がありませんでしたが、このような形になるとぐっと可能性が広がります。

 技術は付加価値を作り出せるのです。

 
    ※     ※     ※     ※     ※


 関係者一同が機械を見学して驚嘆していた時に、一人が笑いながら言いました。

「でも三枚にして骨をはずしたらカルシウムは捨てちゃうんだな」
 
 ははあ、なるほど。でもそれならば残った骨は捨ててしまわずに、カルシウムたっぷりのおつまみくらいにはなるかも知れません。

 一次産業には知恵で付加価値をつける工夫の余地が多いことを有効に活用したいものですね。

コメント
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