今日は豊富町内の道路管理ステーションである訓練が行われました。
それは災害時の車両移動訓練。
ひとたび津波や吹雪などの災害があると、道路上に大量の「放置車両」や「立ち往生する車両」が発生して、緊急ルートの確保や救助活動、緊急物資の輸送、除雪等の作業に支障が生じることがありました。
また、それらの放置車両を移動する際には「運転者の同意」や 「車両を破損させないような作業」などの制約があり、1台の車の移動のために数時間もかかってしまった、というような事態もありました。
線状のインフラはたった一カ所が詰まっても障害が発生します。脳の血管はほんの小さな血栓で詰まってもその先に酸素が運ばれなくなり脳梗塞として重大な結果をもたらすのです。
そこで昨年11月に災害対策基本法が改正されて、区間を指定した後に、放置車両を移動する際、やむを得ない範囲での車両の破損も許されることになりました。そしてこのことで重機等を有効に使って立ち往生車両を移動させる作業の時間短縮や効率化が図られることになりました。
今日は実際に立ち往生した車両を動かすための三つのパターンで手順をトレースする練習をしました。
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最初は車が立ち往生しているもののドライバーが乗っている場合。このときは、国の担当者や道路維持受託者が法律に基づいて声をかけ、移動を促します。
二番目はドライバーはいないものの車のキーがついている場合。このときは 周囲にドライバーがいないか声をかけていなければ道路管理者に連絡をしたうえで自分たちで車を移動します。
そして三番目はドライバーがおらず車のキーもなく車に鍵がかかっている場合。このときはやはり周囲に声をかけたうえで、道路管理者に連絡し、ガラスを割ってでも牽引用具をとりつけて重機で牽引して移動させます。
車に最低限のやむを得ない傷をつけた場合はその分を補償する制度もできました。
これからの道北の冬では暴風雪によって動けなくなる車両が出る可能性があります。維持事業者さんたちも対応が大変です。
皆さんはできれば悪天候時は外出を控えめにして、吹雪の中で動けなくなるような危険はできるだけ避けてくださいね。