いよいよ明日に迫ったシンポジウム「軟石を生かしたまちづくり」の打ち合わせのために、コメンテーターをお願いした角幸博先生をお訪ねしました。
角先生は、建築史家で北大名誉教授、NPO法人歴史的地域資産研究機構(通称:れきけん)の代表として、地域の歴史的建物の保存やこれを生かすような活動をされています。
今回も、軟石のまちづくりという切り口で、お話の輪に加わっていただくことをお願いしたのでした。
角先生は、「歴史的地域遺産にはいくつもの種類の価値があるんですよ」とおっしゃいます。
れきけんでは、それらを「歴史的価値」「地域的価値」「文化・芸術的価値」「環境的価値」「活用価値」そして「思い入れ価値」としてまとめています。
明日も、時間が経つことで高まる価値について考えてみる良い機会になると思います。
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ところで角先生は、「実は僕は『建築の職人さんと大学の先生が飲む会』というのをやっているんです」とおっしゃいます。
職人さんというのは、石工さん、左官屋さん、瓦屋根職人などなど、その技で建築の技術を支えている人たちですが、大学の先生とはほとんど接点がありません。
でも角先生だったら、いろいろな歴史的建築の審議会や勉強会で歴史的建築物の持ち主とも知り合いが多く、そうした人たちが修繕などで困っているという情報にも接する機会が多いのだそう。
「だから、壊れたり古くなった時に、直せる職人さんを知っているというのは、お互いにメリットがあるんですよ(笑)」
需要と供給って、案外お互いにどこにどんなニーズと手わざがあるのか、ということにミスマッチだったりするものです。
そんなミスマッチを解消することで、経済も回るということも良くある話。
突拍子もないところにビジネスの種は転がっているものなのですね。
さて、明日のシンポジウム。天気は良さそうです。