以前友人から聞いた話。
何人かのチームで冬山登山をするときには天候が悪化したりして、行くか戻るかの判断に迷う瞬間があります。
そんなときに必ず生きて帰ってくる秘策があるというのです。
「死なずに必ず生きて帰ってくる秘策ってなんですか?」
「それはね…、チームに妻帯者をいれること、なんですよ」
「それは結婚している人なら無茶をしないという事ですか?」
「そう!独身で血気盛んな若者だけのチームだったらつい無理をしてしまうことがあるのですが、妻帯者は死ぬ可能性のある冒険を避けるというわけです。それが死なずに帰ってくる秘策なんですよ」
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今日からは、毎年この時期恒例の、舗装協会の地区集会の始まりです。
これは、協会の幹部の皆さんと道内各地区の会員との意見交換会を行うものです。
札幌の事務局が情報を得たり感じていることを資料で紹介して、会員企業からは、現場最前線の声を聴かせてもらいます。
各企業の悩みごとの多くはやはり人の問題。若い人はなかなか入ってこないし、入っても辞めて行ってしまう人が多いと言います。
そんな中、ある企業の社長さんがこういう発言をしました。
「うちでも昨年作業員を8人雇い入れました。若い人は辞める人が多いかもしれませんが、うちは8人のなかで辞めたのは1人です。辞めない人たちはなぜかというと、皆結婚して子供がいる。家庭を持っていて子供さんがいるということで、簡単には辞めません。そういう責任感ってやっぱりあるんだと思うんです」
結婚そのものは個人の自由とはいえ、社会的な責任を強くする営みです。
社員の定着のためには、各企業、業界、公共事業の発注方法など、社会として取り組まなくてはいけない課題は多いのですが、個人の人生観も大きく影響しますね。
ちょっと考えることの多い意見交換会でした。