道路の舗装が悪いと困る人がいるに違いない。
そういう人たちを探して困っていることの背景事情を聞きだし、共に道路を良くする仲間になってもらおう、という活動を、舗装協会の協会ニュース紙面上で行っています。
少し前に聞いた噂が、「オホーツク海に撒くホタテの稚貝は、日本海で生産されたものが運ばれてくるのだが、道路が悪くて運搬する車が揺れると稚貝の致死率があがるのではないか」というものでした。
この真相を探るべく、羽幌の漁協関係者を探し当てて電話で聞いてみると、「うーん、こちらは送るだけですからね。どちらかというと受け取る側の問題じゃないでしょうか」とのこと。
「なるほど、そりゃそうだ」
そこで今度はオホーツク側の猿払、浜頓別、枝幸の漁協関係者に連絡を取って、「道路が悪くて稚貝に影響を及ぼすなんてことがあるのでしょうか」と聞いてみました。
しかし反応はあまり芳しいものではありません。
「そこまで稚貝の様子を見ることはなくて、運ばれて来たらもうすぐに船に乗せて海にばらまきますからね」
「そうですか…」
ちょっとがっかりしていると、「でも確か余市の水産試験場で、ホタテの稚貝を揺らすと生きが下がるとか、死んでしまう、というような調査があったような気がしましたよ」と丁寧に教えてくれる方がいて、一筋の光明が!
勇んで今度は余市の水産試験場に電話をして、「かくかくしかじか…、というわけでホタテを揺らすと死ぬ確率が高くなる、と調査がそちらでやられた、という話を聞いたのですが」と事情を説明しました。
すると少し待たされてから、いかにも研究者と言う感じの声の方が出て来て、私の説明を聞いた後で言うことには、「ははあ、そういう調査でしたら実はこちらではなく函館の水産試験場での調査研究ですね」とのこと。
「ああ、そうでしたか」
「でも、その調査と言うのは、陸上ではなくて海の中の容器に入れて揺らした時の調査でしたから、そちらがお求めの、陸上輸送での状態ではありませんねえ」
あー、残念。
そんなわけで、引き続きホタテに限らず、揺れて困るような事例を探索中です。
道路が悪いと困るという事は、多くの人が感じているものの、どうしようもないと諦めているか、それでも何とかする努力をして困らないようにしているのが現実です。
道路が良くなればありがたい、という真逆の視点もあるかと思いますので、これからも道内を探索しまくります。
ホタテの稚貝案件もまだまだ諦めたわけではありませんよ。