北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

「そんなものを見て何が面白いんだい?」~タウシュベツ橋・幌加駅見学ツアー

2018-05-02 23:46:46 | Weblog

 

 糠平温泉郷に来ております。

 今日の目的は、糠平湖のタウシュベツ橋の見学ツアーに参加すること。

 ツアーは、ゴールデンウィークの期間中は早朝5時30分からのコースも含めて、一日4回のツアーが催行されます。

 今日のツアーは朝9時開始のツアーが満員だったので、12じからのコースを申し込んでちょっと時間に余裕が出ました。

 そこで、糠平温泉郷のお宿を出てから、上士幌町鉄道資料館やひがし大雪自然観などで事前学習をしました。

 鉄道資料館って、旧糠平駅の跡地にあったということがわかって「なるほど!」でした。


    ◆


 12時からのタウシュベツ橋見学ツアーは、少人数化と思いきや、参加者は22人にのぼって、車4台で現地へ移動する盛況ぶり。

 タウシュベツ橋は、昨年地元新聞に「(橋の崩壊が進んで)この姿は今年が見納めか」といった見出しが躍ったことから、見納めツアーでにぎわったのだそう。

 橋そのものが無くなってしまうわけではありませんが、アーチが崩れてしまう心配があるということで、アーチが現存する今を惜しむ人たちが随分訪れているそう。昨年で約8千人ほどの方がこのツアーで見学しているそうですよ。


 このタウシュベツ橋の見学ツアーには、過去に一度来たことがあったのですが、自分のブログで調べてみると、2010年5月5日のことでした。そうか、8年前でしたか。 → http://bit.ly/2HPGT6J

 今回は、前回よりもタウシュベツ橋周辺での自由時間が長くて、いろいろな角度での写真が撮れました。

 この風景はいつまで見られることでしょうか。


    ◆
 

 さて、タウシュベツ橋の見学の後には、かつて木材切り出しで賑わった、旧士幌線の幌加駅周辺を見学。

 ここは昭和の10年代から木材の切り出しが始まっていましたが、特に昭和29年の洞爺丸台風で東大雪周辺で甚大な風倒木が発生した際に、安く切り出せる木材があるというので、この周辺に多くの造材人夫が集まったほか輸送会社やお店なども進出して急速に町が拡大しました。

 かつて350人が住んで栄えた幌加地区ですが、風倒木特需で賑わったのはわずかに12年ほどで、ほどなく陰りが見られやがて昭和52年には幌加駅を含む、糠平駅より奥の十勝三俣までがバス代行になり、昭和62年には士幌線全線が廃止されました。

 やがてこの周辺からは次第に人が去って行き、今では幌加周辺に住んでいる人はいません。

 今日のガイドさんの説明では、当時この幌加駅近くに住んでいたという人が今でも上士幌町の中心部に移り住んでご存命なんだそう。

 その方に、「幌加駅周辺もガイドして歩いている」と言うと、「そんなところを歩いて何が楽しいのかね」という反応だったそう。

 ガイドさん曰く、「かつて栄えていたけれども、今では廃れてしまった地域を見られるのが恥ずかしいというような思いもあるのかもしれませんね」とのこと。

 聞けば、線路以外は国有地を借りて建物を建設した歴史があり、ここを離れるときは更地にして返地するという約束があったことから、きれいさっぱり何もない土地になったということもあるようです。

 この先、日本の人口減少が続くと、このような地域全体が無くなってしまうようなことも考えられるわけで、こうした先達の現場を見ておくことにはそれなりに意味があるような気がします。

 

コメント (3)
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