美唄市からお二人が職場を訪ねて来て、「来月14日に、美唄市で講演をしてくれませんか」という依頼がありました。
テーマは「人としての品格とか品性、道徳など、人格を陶冶するようなお話で」とのことで、普段私が書いている文章をいろいろと集められていて、「我々の考えと方向がすごく合うと感じています」とおっしゃってくださいました。
会合は、普段から道徳などについて学んでいる勉強会のうち、年に一度一般の方も参加できるような勉強会で、もう一人講師がおられますが、二人でそれぞれ講演をお願いしたいとのこと。
私もお話を受けて、掛川で学んだ生涯学習や榛村さんとの対話の中で、思うところは多く、そうしたお話をさせていただこうと思います。
いろいろな打ち合わせをした後で、私から「ところで講演ではパワーポイントは使えますか」と訊きました。
するとお一人が、「パワーポイントも良いのですが、参加者が講師の姿を見なくなりますから、私たちがお話をするときは使いません」と言います。
私も真意を理解して、「なるほど、大事なことは話の内容や情報だけではないという事ですね」と言うと、「そうです!人は話し手の熱意や情熱、その立ち居振る舞いからも感じるところが多いと思うのです」と力を込めて言い、互いに思いを同じくしました。
講演と言うと、知らないことを教えてもらうという意味が大きいことでしょう。
そして、知らない情報というのは、話だけではなく、文字や写真などがあれば確かにわかりやすく伝えられます。最近は視覚効果も多様になって、いろいろな見せ方もできます。
しかし、周辺情報が多ければそれだけ講師そのものから目線も意識も薄れてしまいます。
講演の本当の目的は、情報を伝えてもらうだけではなく、そこに感動があって、聞き手の考え方や行動が変わるということにあります。
そう考えると、絵や写真よりも講師という生きた存在そのもののこそが、人を変える最大の要素なのだということです。
今日の対話は、そういう本質的なことに気づかされるもので、心の琴線に触れる思いでした。実にありがたいことです。
人はどんな人からも、どんな瞬間からも学べますね。
美唄にはそもそも恩人と呼べる人がいたので、縁は味なものですね。
そのお話はまた別な機会に。