経済誌Forbesの日本語版のサイトから。
昨年の12月23日付記事で「"やらされる"リスキリングでは意味がない~「内発的動機」と「経験の場」がつくる躍動的な人財」というのがあって興味深く読みました。
https://forbesjapan.com/articles/detail/52917
インタビュー相手は"Adeco Group Japan"代表の川崎健一郎さん。
記事の中で「リスキリングが必要な本当の理由」として、「これまで80年で設計していた人生が"人生100年時代"に変わってしまい、必要とされる人財の要件が変わってしまったから」と川崎さんは述べます。
必要とされる職務やスキルが替わってしまうのだからリスキリング(=学びなおし)が必要になるのだと。
しかしその際に、周りから「これからの時代に必要だからリスキリングしなさい」と言われてやる人、つまり自ら望んで学ぶのではない人がまだまだ多く、それは問題だと言います。
学ばないよりは学んだほうが良いと思いますが、しかし"興味関心のない領域で長時間にわたって研修を受けてもおそらくそれを活かすことはできないだろうし、やる気を持ち続けるのも大変だろう"とも。
川崎さんはここで非常に興味深い発言をしています。
「人が新しいものを身に付け、成長するために必要な要素は、“学び”が1割、“コーチングやアドバイス”が2割、残りの7割が“経験”といわれています。
やりたいことが見つかってたくさん勉強をしても、実践できて経験が積めるプロジェクトや部署などが用意されてなければ、本当に自分のスキルや経験値として身に付けることができません。残念ながら、“学びの場さえ用意すれば良い”と考え違いをしている企業がまだまだ多いようです」
学ぶという事は身に着けて活用できるためのほんの1割の役割しかなくて、人からコーチを受けることに加えて、やはり学んだことを使って経験を深めることがなければ真に身につかないのです。
川崎さんはさらに「弊社が考える『3Skills』とは、『内発的動機のセルフコントロール』『課題解決能力』、そして『最低限のデジタルリテラシー』の3つ」だと言います。
「これらは新時代の“読み書きそろばん”と言っても過言ではありません。“読み書きそろばん”ができなければ、社会の中で生きづらいように、この『3Skills』は次の時代を生き抜くために必須のスキルといえます」
また「この3スキルの中で最も大切なことは『内発的動機のセルフコントロール』です」と言い、いかにやる気を自分の中でコントロールできるかが最大の課題だとおっしゃいます。
そういう背景があるので、川崎さんが代表を務めているAdecoさんのような、人材育成ビジネスが成立する余地があるのでしょう。
学んだらそれを活かして経験する。
釣りを始め趣味の世界でも、実践して失敗して悩みながらより良い方法を模索する過程が大切です。
そうやって上達しているときって趣味では一番面白い時期ですよね。
逆に経験が増えすぎてこれ以上上手にはならないというレベルに達してしまうとあまりモチベーションが上がらなくなってしまうおそれもあります。
経験が生きるような学びをしたいものですね。