北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

稚内から掛川へ ~ 仕事前に市内探訪で会いたい人にとにかく会う

2023-11-29 23:21:57 | Weblog

 

 昨日は稚内から一気に静岡県掛川へ移動しました。

 予定通りに飛べば羽田空港経由新幹線で夕方には掛川に着くはずだったのが、飛行機の到着遅れ/機種変更で1時間30分遅れとなり、プランが大きく狂いました。

 掛川では昔の仲間たちが待ち構えていてくれて、懐かしい話で盛り上がりました。

 久しぶりに掛川の夜を味わいました。


     ◆


 今日は午後の打ち合わせまでの時間を使って、たくさんの方にお会いしました。

 朝一番で大日本報徳社を訪問して鷲山社長にお会いできました。

 この度の叙勲のお祝いを述べると、「勲章はいただけるというお話を10年くらいずっとご遠慮してきたんですけどね。そろそろいただかないと次の方もいるということでお受けさせていただきました」とのこと。

 鷲山先生は、「国と社会とは分離して併存しているのが健全な近代社会だとヘーゲルが言っている。それに対して戦前の軍部が牛耳った日本社会や旧東ドイツ、ソビエト、あるいは今の中国もそれに近いけれど、国と社会が一体化するようなことがあると危険なんだと思いますね」とおっしゃいました。

 そういう考え方はしていなかったので、そういうこともあるのか、と大いに考えさせられました。

 先生とは、「小松さんの北海道での活動を伺いたいから来年にでも時間を取って対談の機会をつくりたいね」というありがたいお声をかけていただきました。

 北海道でもまた報徳の今日艇意味を伝えて行こうと思います。


     ◆


 続いては掛川でもずっと山の方で森林を活かした地域活動を行っている「時の寿の森(ときのすのもり)」の松浦さんを訪問。

 こちらでは森林施業を行いながら環境教育や自然とのふれあいなどを通じて、里山の森林保全を目指しています。

 松浦さんは元市役所職員で、私がいたときからのお付き合いなのですが、「森林経営は林業だけでは非常に難しく、市民、企業、行政、各種団体などとの共同や連携が不可欠で、それらのふれあいのプラットホームづくりを目指しています」と夢を語ります。

 最近は、泊りがけで森林を体験してもらえることや宿泊してもらうことが財源にもなるようにと10人以上が泊まれる宿泊施設も作りました。

 活動はもう10年になるのですが、最近は名の知れた大手企業も環境を通じた社会貢献事業の対象としてこちらを選んでくれる案件もちらほら出始めて、手ごたえを感じつつあるそうです。

 もう亡くなられた松浦さんのお父さんには当時、竹炭のつくり方を教えてもらった思い出があります。

 久しぶりにお会いできて嬉しかったです。


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 午後の仕事の直前に、今修復中の掛川一の豪商だった方の残された建物の通称「松ヶ丘」を見学してきました。

 こちらは江戸時代末の安政年間に建てられた商家で、明治時代には明治天皇が行幸された際にお泊りになった部屋を増築されたという歴史があり、その部屋も残されています。

 長くご子孫の建物だったものを掛川市が譲り受けて、現在は各種部材の健全さをチェックしながら補修や修復をしている真っ最中。

 担当している業者の方は、「文化的価値のある建物の修復となると、腐りかけている当時の部材も生きているところを『これが正解』だと思って、できるだけ残しつつ、失われたところを新しい木材で補うというやり方をします。なので、非常に手間と時間がかかりますが、それをないがしろにはできないんです」と言い、誠実な修復に務められている様子がうかがえます。

 建物の所有が市に移されてからは、地元市民やボランティアの皆さんの協力を得て敷地内の清掃や草刈りなどの管理を行ってきているそうで、そうした活動を通じて地元の人たちの親近感も育ちつつあるとのこと。

 私がいたときには見ることのできない存在でしたが、見れば見るほど豪華で贅を尽くした造作に感心するばかりです。

 修復が無事終えられたあとの保全と文化的な使い方にも興味が湧きました。

 掛川にはまだまだ知らない資産がありました。


     ◆

 

 午後の市役所での打ち合わせも無事終了して、今日も昨日とは別の一団との会食で情報交換/意見交換。

 昔ばかり懐かしんでもいられません。

 ついつい、成長し活動領域を広げているかつての後輩たちに活を入れつつ、それでも彼らのこれからの活躍に期待をするばかりです。

 掛川の皆さん、また会えるときまでお元気で。

コメント
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